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岩田 佳久 院長の独自取材記事

岩田整形外科医院

(一宮市/尾張一宮駅)

最終更新日:2021/10/12

岩田佳久院長 岩田整形外科医院 main

東海道本線・尾張一宮駅より車で7分、県立一宮高校の南にある「岩田整形外科医院」は、整形外科の中でも手の外科とリウマチを専門に経験を積んできた院長の岩田佳久先生が、先代の院長である父から7年前に引き継いだクリニックだ。このクリニックの患者には先代の頃から通っている顔なじみもたいへん多く、岩田院長が引き継いだ後も、患者から高い支持を得ているのだそう。院内は2012年にリフォームされており、待合室の大きな窓と高い天井は開放感が感じられ、患者がゆっくりくつろげる空間になっている。そんな同院で、岩田院長が得意とする手の外科とは、どのような治療があるのか、そして地域密着型の医療にこだわり、どのような想いで日々の診療を行っているのかなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2017年11月29日)

父の影響で地域密着型の整形外科の医師をめざす

先生が整形外科の医師になられた理由を教えてください。

岩田佳久院長 岩田整形外科医院1

父が整形外科の医師でしたので、私にとって医師という職業はとても身近なものでありました。父は私が5歳のときにこのクリニックを開院し、医院の3階に住まいがあったため2階の入院患者さんへの配膳を手伝ったり、1階の診察室や受付に潜り込んで両親が働いている姿をよく見ていました。気が付けば自然と医療の道に進んでいましたね。父は、地域に密着した医療を行う中で、患者さまからは「とにかく優しい」と評判だったようです。私がこのクリニックを引き継いだ後も父の代から通われている患者さまから「声が似ているね」「昔ここに入院していたよ」など声をかけていただき、父がこの土地で時間をかけて築いてきた信頼関係を改めて感じています。父が行ってきた、真面目に優しく患者さまに寄り添うというのは、現在の私の診療における信念にもなっています。

手の外科の治療経験が豊富だと伺っていますが、具体的にどのような内容なのでしょうか?

手の外傷では緊急手術など多数の経験があり、先天性疾患・リウマチ変形・神経障害により麻痺した手の再建など外傷から慢性疾患まで幅広い治療経験があります。このクリニックでも手術の設備があり1時間以内で行える規模の日帰り手術に対応しています。ばね指・手根管症候群・肘部管症候群・腱損傷・腫瘍・デュピュイトラン拘縮などの手術を行っており、対応が難しい場合でも医療連携にて大きな病院へご紹介をしています。もちろん術後のリハビリテーションは当院で対応できますのお気軽にお声がけください。

聞きなれない病名が多いのですが、デュピュイトラン拘縮とはどのような病気ですか?

岩田佳久院長 岩田整形外科医院2

手のひらの皮膚の下には腱膜があるのですが、その膜が縮んでしまい指を伸ばせなくなってしまう病気です。当院では、手術以外にも酵素注射療法もご提案できます。この注射薬は手の外科を専門とする医師で、特定の講習を受けた医師が実施できるとされています。私は患者さまがより多くの可能性から治療を選べるように設備を整えていきたいと考えており、勉強会や学会で得た知識をすぐに患者さまの治療に反映させ、治療の質を高めていきたいと思っています。特にリウマチ分野はどんどん新しい治療薬が開発されており、その効能や副作用など最新の知見を常に習得する必要があります。当たり前ですが患者さまに良い治療を行うには、新しい知見について習得することが大切なことだと思っています。

地域医療で地域に恩返しがしたい

生まれも育ちもこの地域だと伺いましたが、これからの地域医療に必要だと思うことを教えてください。

岩田佳久院長 岩田整形外科医院3

私はこの地域に育ててもらいました。医療で地域の皆さまに恩返しをしたいと思っています。近隣に保育園や幼稚園、小・中・高の学校が複数あり多くの学生さんが訪れることから、医院継承当初は休診にしていた木曜日も現在では夕方診療を行っております。ケガをした学生さんが金曜日になるのを待って受診しに来てくださる、ということが多々あり、この状況をどうにかしたいと思ってこの運用にしたのです。高齢の方にも整形外科として介護予防に向けたサービスを提供できるよう2017年10月より通所リハビリテーションも本格始動いたしました。この地域に住む方々の特徴に合わせた医療を行いたいと思っています。他にも地域貢献の一環として一宮医師会会員として校医として子どもたちの健康のお手伝いをしたり、福祉事業のお手伝いなどもさせていただいております。

積極的に地域に溶け込む活動をされているのですね。

年2回ほど健康教室を開いており、普段の診療とは違った視点で患者さまの運動能力検査を測定し、介護予防のお話やリハビリテーションを企画しています。リハビリスタッフは6名在籍しておりますが、今後も増員し、より多くの患者さまに質の高いリハビリテーションを安心安全に楽しくご提供できるよう心がけています。当院のリハビリスタッフは、質を意識した施術手技施術手技はもちろん、心のケアにも真摯に向き合う姿勢でリハビリテーションをご提供しています。院内設備も、有効かつ先進の医療機器を多く取りそろえています。最近導入した衝撃波治療器は慢性の筋腱の炎症に有効です。スポーツ選手や手の使い過ぎなどのテニス肘や長時間の立ち仕事などにて生じる足底筋膜炎、階段上り下りなどでいたむ膝内側の痛み(鵞足炎)など幅広く対応しています。腰椎椎間板ヘルニアの方にはプロ野球選手も利用している特殊な牽引器も使用し腰痛改善に役立っております。

どれくらいのスタッフが在籍していますか?また、貴院の雰囲気も教えてください。

岩田佳久院長 岩田整形外科医院4

1日に約300名ほどの患者さまが来られるのでしっかりサポートできるようにスタッフの人数をそろえています。事務員が4名・看護師が6名・レントゲン技師が1名・リハビリスタッフの理学療法士が4名・鍼灸師が2名います。今後は作業療法士さんも増員予定です。スタッフ全員が、受付から診察及び治療、会計まで優しく丁寧な対応を心がけています。受付で患者さまを出迎えて、患者さまの心を開き、診察でしっかりお話を伺って、看護師が注射など処置を行いリハビリで生活のサポートをする。この流れをスタッフ一人ひとりが理解しているので患者さまにストレスを与えず治療に専念してもらえるような環境づくりができていると思います。スタッフ全員がプロフェッショナルとしてできることを精一杯行っています。

慢性疾患とうまく付き合う方法を一緒に考える

読者に向けて、これから注意してほしい疾患などありましたら教えてください。

岩田佳久院長 岩田整形外科医院5

女性は50代を過ぎるとへバーデン結節という指先が腫れる症状があるのですが、それとリウマチを勘違いされて来院される患者さまが多いですね。しかもへバーデン結節のような慢性疾患は病名が判明しても完全な治療目標を立てることは難しいんです。ですので、患者さまには自分の体の変形や麻痺の理由を十分理解していただく必要があります。患者さま自身が病気と向き合い付き合っていけるようにすることが大切ですし、私も最大限そのお手伝いがしたいですね。

医師として大切にしていることは何ですか?

患者さんの心配や不安を治療や説明によって取り除いてあげたい。なぜ痛いのか原因がわかれば治療への道筋が見えてきて患者さまの不安もなくなります。漠然とした痛みに対する不安を取り除いてあげたいんです。設備も大切ですが、それ以上に患者さまに寄り添った治療が大切だと思っています。私自身が患者さまの立場になって十分に話を聞いてから治療方針を決定し、患者さまによくご理解していただいた上で治療を進められたら一番良いと思っています。

今後の展望を教えてください。

岩田佳久院長 岩田整形外科医院6

今の日本は少子高齢化社会で今後の医療がどのように変化していくかまったくわかりません。そんな中で私たちは背伸びをせずに、当院が先代から築き上げてきた地域に根付いた医療をしっかり確実に提供したいと思っています。そのために必要であれば新しい施設を作ったりもし常により良い医療環境を整備しスタッフ一丸となって地域医療に貢献してゆきたいです。また、今後さらに医療は多業種の連携が大切になると考えています。医師会などの行政と医療機関や介護施設など各機関の協力をより一層強めて地域医療を守っていきたいと思っています。

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