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水上 寧彦 院長の独自取材記事

水上眼科

(一宮市/名鉄一宮駅)

最終更新日:2023/02/21

水上寧彦院長 水上眼科 main

一宮総合駅西口から徒歩3分に位置する「水上眼科」。1991年に現院長の水上寧彦先生がこの地に開業してから四半世紀を超える眼科医院だ。院内に入ると、目の前には水上院長が撮影した写真が飾ってある。趣味の写真は旅行の際に撮影するとのこと、定期的に作品を替えては患者の目を楽しませている。同院の歴史そのものも長いと言えるが、同じく眼科の医師であった水上院長の母も、1964年に一宮市内に開業しており、親子二代にわたり実質半世紀以上にわたって地域に根差し目の健康を守ってきたとも言える。診療においては、患者が納得した上での治療を心がけ、決して押しつけることはないという。患者主体の診療を第一に考える水上院長に、診療にかける思いや目の健康を守る術を聞いた。

(取材日2017年10月17日)

患者が納得した上での治療を提供

初めに開業までの経緯をお聞きかせください。

水上寧彦院長 水上眼科1

1983年に関西医科大学を卒業し、翌年名古屋大学大学院に入学しました。乳幼児の両眼視の発達をテーマに研究し、学位を取得。1988年に大学院を修了し、その年の7月から1991年6月まで一宮市立市民病院に勤務しました。その後、母が院長を務めるクリニックの診療に携わるように。母がクリニックを開業したのは1964年のこと、私の合流を機に現在の当院の場所に移転しました。建物も古くなり手狭でもあるなどさまざまな要因もあって、ちょうどよいタイミングだったと思います。

眼科の医師を志す決め手とは何でしたか?

母が眼科の医師であったことから、自然と小さい頃から「僕も医学部をめざさないと」とは思っていました。進学した高校も上昇志向が強く、より高みをめざせる環境だったことも、医師の道を後押ししてくれたと思います。眼科を専攻したのは、もともと細かい手作業が好きだったから。大学に入ってからも「せっかくなら細かい手術に取り組んでいきたい」と考えたからです。いろいろと経験していく中で、結果的に繊細な技術を必要とする眼科を専攻したいと思いました。

現在、診療で心がけていることは何ですか?

水上寧彦院長 水上眼科2

基本は患者さん主体で治療方針を決めています。医師として治療をしなければいけない理由は伝えますが、緑内障など早期治療が必要なものでない限り、患者さんが納得しなければその治療に入ることはできないと思っています。例えば白内障であれば、見にくくなった時点で手術をしましょうと言うこともあります。患者さんが見にくいと感じていないのに手術をしても、「せっかく手術したのに、見え方が変わらない」と感じさせてしまうことになりますから。メリットやデメリットも含めて正しく理解していただき、納得していただいてから治療に入るようにしています。

目の異常の原因は目にあるとは限らない

診療に取り組み続けた26年間でどのような変化がありましたか?

水上寧彦院長 水上眼科3

検査機械の性能が良くなって緑内障の検出頻度が上がり、以前なら見落としがちだった初期段階での発見ができるようになりました。緑内障は患者さんご自身で気づくことが難しい病気ですが、何か目に異常があっていらした方で緑内障が疑わしい場合は、検査をしてみると異常が見つかることにつながります。昔に比べて発見が早くなった分フォローしやすいですし、早期から治療できる患者さんも多いのではと思います。最近多い症状はドライアイです。こちらも自覚していらっしゃるというよりは、無自覚の方が多いです。

目の健康を守るために日頃から意識しておくといいことは何ですか?

一番わかりやすいのは片目ずつ見てもらうことです。片目を閉じて左右の見え方を比べてもらうと見え方の異変に気がつきやすい。例えば、トイレで座っているときに片目ずつ隠すなど毎日のように確認してもらうといいと思います。片目をつぶったら見にくいということは結構あります。それから、スマートフォンを近くで見るのはやめてほしいです。目が寄って疲れてきて急性内斜視になることがあります。「スマホ老眼」も最近話題になっていますが、これも画面を近くで長時間見続けることで、ピントが合わなくなってしまうという症状です。スマートフォンは便利な道具ですが、それで病気を作ってしまっては意味がないですから、スマートフォンを使うときは画面との距離と時間に気をつけていただきたいです。

これまでの診療で印象的だったエピソードについて教えてください。

水上寧彦院長 水上眼科4

大学病院にいた時にぶどう膜炎の患者さんのことは、印象に残っています。その患者さんは若い方。最初は原因がどこにあるのだろうと思っていたのですが、調べていくことで原因が意外にも虫歯による細菌感染だということがわかりました。他にも、目が痛いと言って来院される方を調べてみて、原因が蓄膿症だったという方は多いんです。首から上はいろいろな要素が絡んでくるので、目に異常を感じても目だけに異常があるとは限らないのです。自己判断せずに、医師の診断を受けることをお勧めします。

これからも高い専門性を生かし、目の健康を守る

小さい頃はどんなお子さんでしたか? また、現在楽しんでいる趣味などありますか?

水上寧彦院長 水上眼科5

中学まではお利口とは言い難いわんぱくな子どもだったと思います(笑)。以前に健診などで学校に行くと、「小学校の職員室でよく見かけましたよ」と言われたことがあるくらい、周りにも知れ渡っていたみたいです。趣味はオーディオと写真です。オーディオについては、音録りが好きだったので、波の音や渓流音などの自然音をマイクを立てて録りに行っていました。最近は足が遠のいていますけど。海を眺めているときがくつろげる瞬間です。

今後力を入れていきたいことは何でしょう。

啓発していきたいこととしては、コンタクトレンズの正しい知識です。皆さん安易に考えていらっしゃるんですが、デザインだけで選ばれると大変なことになりますから、しっかり検査して買っていただいたほうがいいと思います。インターネットの通信販売や雑貨店などで買うのはお勧めしません。コンタクトレンズは角膜に乗るので障害が起きやすいです。そうやってトラブルが起きて来院される方も多いです。使用をやめるだけで治る方もいらっしゃるでしょうから、医療機関にかからない方も含めればかなりの方がトラブルに遭っていると思います。症状としては角膜炎、結膜炎、角膜の混濁、視力が出ないといったことで、見にくくなったり充血したり、痛みなどで異常に気づくケースが多いです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

水上寧彦院長 水上眼科6

目に異変を感じたら、日本眼科学会眼科専門医など、専門医資格を持つ医師にかかってください。異変と言ってもいろいろあって、ぼやける、痛いなど何でもいいので、変な感じがしたら眼科へ足を運んでください。電話で相談されることがたまにありますが、電話でははっきりしたことがわかりにくいので、直接見せていただきたいです。また今はネットで症状を調べてから来院される患者さんも多いのですが、自己診断をつけるようなことはしないでいただきたいと思っています。調べることは悪いことではありませんが、先ほどもお話したとおり、その症状の原因が目にあるとは限りません。眼科の医師の診察を受けていただき患者さんお一人お一人が納得した上で帰っていただきたいと思っています。

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