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廣瀬 善清 院長の独自取材記事

ひろせ内科脳神経クリニック

(名古屋市天白区/植田駅)

最終更新日:2021/10/12

廣瀬善清院長 ひろせ内科脳神経クリニック main

ベージュの壁にアクセントとして茶色が使われた外観の「ひろせ内科脳神経クリニック」。落ち着いた院内はバリアフリーになっているのはもちろん、廊下も処置室も広めなので車いすでの来院にも配慮されている。「足の悪い患者さんも多くいらっしゃるので、クリニックを建築する際に一番こだわりました」と語る廣瀬善清院長。待合室や廊下には多くの写真が飾られ、それらは院長が撮影したものだけでなく、クリニックに寄贈されたものもあり、ちょっとしたギャラリーになっている。スキューバダイビング・インストラクターのライセンスを持ち、毎週テニスを楽しみ、毎日ブログを書く廣瀬先生は親しみやすくなんでも相談できそうだ。クリニックの診療や今後の展望などを聞いた。

(取材日2017年11月21日)

診断が困難だからこそ、神経内科にやりがいを感じる

神経内科がご専門とのことですが、選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

廣瀬善清院長 ひろせ内科脳神経クリニック1

父が外科の医師だったので、最初は外科に進もうと思ったんです。でも研修医として全科を回る中で、神経内科の患者さんに興味を覚え勉強しているうちに面白さを感じたんです。神経学というのは診断が重要な科で、脳のどこが悪いか、どの病気の症状と一致するか、いろんな情報を精査しながら診断していくのですが、まだ解明されていないことが多い分野なんです。その中で、診断をどうつけるか、どうやって治療していくかを考えることにやりがいを感じました。さまざまな文献を読み、学問的な知識を持って患者さんを診察して、診断していくことに醍醐味があるんです。

クリニックを受診するのは、先生のご専門の神経内科領域の患者さんが多いのでしょうか?

半分以上は高血圧などの生活習慣病や胃痛や風邪などの患者さんですね。1割程度が腰痛や膝痛などのリハビリテーションの患者さんで、神経内科に関する患者さんは3分の1くらいだと思います。今は啓発が進んだことやインターネットで調べて、神経内科を受診される患者さんもいらっしゃいます。最近は家族に促されたり、紹介されたりして来院される認知症の患者さんが増えてきました。認知症の患者さんは神経内科で経過観察することが多く、今は天白区の認知症初期支援チームの一員としても働いています。神経内科で扱うのは脳や神経、筋肉の領域で、頭痛、めまい、しびれ、力が入りにくいといった症状があるときは、神経内科の受診をお勧めします。専門の医師に受診することで初期の段階で病気が見つかり、治療を開始することができますし、病院へ行かなくても当院で治療が可能なケースが多いです。

CTが置いてあるのは開業医として珍しいのでは?

廣瀬善清院長 ひろせ内科脳神経クリニック2

CTは神経内科の医師にとって、エックス線撮影装置と同じような存在なので、ほぼ必須なんです。CTがあることで、迅速で確実な診断につながりますし、CT検査のためにわざわざほかの病院へ行っていただく必要もありません。患者さんにとっても便利だと思いますよ。患者さんは頭痛や身体の動きがよくないといった症状でいらっしゃるんですが、診察して疑いがあればすぐCTを撮り病気が見つかることがあります。実際に何人も、くも膜下出血が見つかったこともありましたし、高齢者の方で慢性硬膜下血腫もしばしば見つかります。CTがあるから来院したという患者さんもいらっしゃいますし、ほかのクリニックからCTを撮ってほしいと紹介される患者さんもいらっしゃいます。

患者は自分の身内のつもりで診療に臨む

お父さまが外科の医師でご兄弟も医療関係だそうですね。現在、治療に関して連携されることはありますか?

廣瀬善清院長 ひろせ内科脳神経クリニック3

先代の父は背中で教えてくれるような人でした。医学部へ入る前から、医者とはこうあるべきだとか、人生とはこうやって頑張り社会に貢献していくべきだと父の生きざまが語っていたと思います。兄は歯科医師でこの建物の2階で開業していますが、兄も僕も同じ老人ホームの嘱託医なんです。ですから患者さんの情報交換をしたり、歯科に通っている高血圧の患者さんのフォローを頼まれたりもします。反対に、僕が兄に患者さんを紹介することもありますよ。弟は消化器内科を専門として開業しているので、患者さんの症状に関して相談することもあります。それぞれの専門分野を生かしながら患者さんに医療を提供できることが、連携しているメリットだと思います。

診療の際心がけていることは何でしょう。

患者さんが自分の身内だったらどのように治療するかと考えて診療にあたっています。僕より年長の患者さんも多く、日本の繁栄を築いた方々には尊敬の念を持って接しています。言葉遣いもそうですし、例えば認知症の患者さんに対しても、ご家族とだけお話しするのではなく、ご本人にも話しかけますし、お話も聞きます。ご家族とだけ話すと患者さんが、仲間外れにされているという感情が残ったりしますからね。言葉にするのが難しい患者さんに対してもそれは変わりません。もちろん、若い患者さんに対しても偉ぶることなく、謙虚に患者さんの訴えに耳を傾け、納得していただけるようにお話ししています。

患者にとってこちらのクリニックで診察していただくメリットというとどんなことになりますか?

廣瀬善清院長 ひろせ内科脳神経クリニック4

神経内科の病気は発見が遅れると命を落としたり、重大な後遺症が残ったりします。例えば自分で運転できるくらいの症状で来院されても、診察してみてCTを撮った結果、くも膜下出血などの重大な病気が見つかることがあります。それは神経内科の専門家が診察してCTで確認することができるからなんです。そうやって早期発見することで命を落とさずに済んだり後遺症が残らずに済むのは患者さんにとってもご家族にとってもいいことだと思います。病院だと平日の午前中のみの診療だったり診察までに時間がかかったりするために仕事の都合で診察を受けることが難しいという方も、平日の夕方や土曜日であれば受けやすいですよね。そういった点でもクリニックは受診しやすいと思いますので、気軽に受診して早期発見に努めてほしいと思います。

頭痛も専門の医師を受診してほしい

毎日ブログを書いてらっしゃいますが、始めたきっかけは何ですか?

廣瀬善清院長 ひろせ内科脳神経クリニック5

自分から発信するものがあるといいかなと思って、2013年の1月から必ず毎日書いています。例え自分の体調が優れなくても、自分で決めたことなので休まず書いています。医学のことばかり書いても面白くないので、病気・健康ネタ以外で自分が興味のあることを書いています。意外と年配の患者さんが読んでくださっていて驚くこともあります。ブログの内容を決め写真の編集や文章を考えるのが朝の頭の体操になっていますね。まさに一人編集会議ですね。

今後の目標や夢について教えてください。

認知症治療、生活支援にも力を入れているので、訪問看護、デイサービス、認知症カフェなどを立ち上げ総合的に患者さんを支援し、天白区の認知症対策の核となるクリニックにしたいですね。さらにダイビングのインストラクターをしていますので、中高年のダイバーの安全なダイビングに医学的知識をもって貢献してきたいと思っています。ダイビングで潜っていて急浮上すると体内に気泡が発生してしまう減圧症という病気があるんですが、重症の場合脊髄が悪くなるんですよ。神経内科はこのような症状の診断も得意としているので、専門の医師として診断の役に立つのではないかと考えています。

読者へメッセージをお願いします。

廣瀬善清院長 ひろせ内科脳神経クリニック6

なんでも相談していただきたいです。専門の分野以外でも、どの科にかかり、どういう検査を受けたほうがいいかといったことでしたら説明できるので、まずは相談にいらしてほしいですね。「何でこんなことで来院したんだ」なんてことは言いませんので、些細なことでも安心して相談してください。頭痛に関しては市販の薬を飲んで終わりにせず、その容体に合った薬を飲んだほうがいいので、先々のことを考えて神経内科を受診することをお勧めします。当院は内科・神経内科・リハビリテーション科ですので、内科と神経内科疾患、腰痛や膝痛などのリハビリテーションを必要とする症状、双方に対応していますし、2階には兄の歯科医院もありますので、1ヵ所で複数の治療が可能であることも患者さんにとっては便利なのではないかと思います。

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