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久徳 重和 院長の独自取材記事

医療法人 健育会 久徳クリニック

(名古屋市名東区/本郷駅)

最終更新日:2019/08/28

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地下鉄東山線・本郷駅から徒歩7分。緩やかな坂道を登っていくと「久徳クリニック」が見えてくる。院長の久徳重和先生は、父親である先代が確立した人間形成医学という立場に立って、独自の医療を実践している。喘息や不登校、各種アレルギー、新型うつなどに悩む患者が、同クリニックの評判を聞きつけて遠方からの受診も後を絶たないという。熱のこもった語り口が印象的な久徳院長に、日々の診療への思いやクリニックの特徴、今後の展望に至るまで幅広く話を聞いた。(取材日2016年6月1日)

心身両面の生活習慣を調整していく人間形成医学を実践

クリニックの特徴について教えてください。

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当クリニックは、初代院長で私の父親でもある久徳重盛が1965年ごろに提唱した「人間形成医学」を受け継ぎ、実践しています。人間は生まれた時には初期設定しかできていないパソコンのようなもので、白紙のメモリの部分に喘息や不登校になる情報(ソフト)が書きこまれると発症するんですね。ですから人間形成医学では、患者さんの「生育環境と人間形成の相互作用を分析して、ソフトの歪みに由来する症状」を診察することになります。おかげさまで治療成績も高く、例えば不登校治療は本人が治す意志がある場合、登校再開率は3ヵ月で7割にのぼります。開業医としては珍しくシンポジウムなどに招待されることも多く、喘息治療なども含めて当クリニックが行っている治療法は独特だと思っています。

来院される患者さんはクチコミの方が多いそうですね。

患者さんの過半数はクチコミで来院されています。この間も神戸から患者さんが来られました。その方は喘息の症状がひどく吸入ステロイドが効かない状態で、それまで診ていた医師もお手上げだったそうです。ある時、北海道の旭川の寿司屋で隣に座ったお客さんと喘息で悩んでいることが話題になり、岡山出身のその人から「名古屋に久徳先生という先生がいらっしゃるから、その医院に行ってらっしゃい」と言われて来院されたそうです。クチコミが広がるということは、やはりうれしいことですね。

小児喘息の治療について教えてください。

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小児喘息では吸入ステロイドを使わない根治療法を行っています。乳幼児の喘息は入学まで、小学校低学年の喘息は10歳頃まで、それ以降の年齢では中学卒業までに治しきることをめざしています。小児喘息の4~8割には心理的要因が関わっていて、心理的要因が関わるとステロイドを含めた発作と目の薬が効きにくくなることもわかっています。ですから小児喘息では(成人喘息も同じですが)、この心理的要因も含めた発作の誘発要因を分析整理することが必要になります。そのためには発作の起こり方を詳しくお聞きする「病歴調査」が必要になります。誘発要因が判明したら、あとはそれを「取り除く」ための心身両面の生活指導が治療の主体になります。アレルギーは生活指導だけで改善させることは難しいので、減感作療法を併用します。

高い治療成績が医師としての原動力になっている

診療で大切にしてされていることは何ですか?

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患者さんには「医者の仕事は治し方を教えることですよ」「薬ではなく、生活を調整していきましょう」と言っています。初めての患者さんの中には、戸惑われる方もいらっしゃいますが、とにかくまずは知識を整理してほしいと伝えています。そして一番大切なことは、「患者さんにいかに上手に勉強していただくか」だと考えています。そのためにさまざまな工夫をしています。本を書いているのもそのためですし、いろいろな資料をお渡しし、診療内容は録音してもらいます。診察を学校の授業になぞらえて、本は教科書、渡す資料はプリント、録音は先生の講義だよと説明します。私は早口ですけど、患者さんが帰宅後に録音を聞けば内容を理解してもらえます。中には「録音してもいいんですか?」と気にする人もいますが、大歓迎ですよ。

印象に残っている患者さんとのエピソードを教えてください。

小学生のころから喘息で、中学生の時に症状が悪化し、他の喘息専門門施設に入院していた患者さんがいました。その方は、ステロイドを使っても症状が治まらず、半年以上入院して退院のメドすら立たない状態だったのですが、ある日、当院のことを知って、病棟からそのまま転院されました。その後、ステロイドは中止して生活習慣の改善を中心に治療を行い、結局、トータルで49日の入院で症状はほぼ改善しました。その後、その患者さんが成人になり、結婚されるときには結婚式に呼んでもらったんです。そういった患者さんとのエピソードはたくさんあり、すべてが宝物ですね。

やりがいを感じる時は?

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医師の仕事は「抜苦与楽(ばっくよらく)」、つまり患者さんの苦しみを取り除いて楽にして差し上げることです。そして、「自分しかできないこと、自分ならできること、そして人の役に立つこと」をしたいですね。それが医師としての一番のやりがいだと思います。具体的には、他院では難しいと言われていた喘息を当院で改善させたり、不登校を治したりすることにやりがいを感じますね。

人間関係の軋轢を診る心療内科を広めていく

医師を志したきっかけを教えてください。

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もともと生き物が好きで動物行動学に興味があり、大学ではエコロジー(生態学)について勉強しようと考えていました。しかし当時は、エコロジーを学べる大学がほとんどなく、どうしようかと迷っていた時に、父から「人間を診察するのもエコロジーだぞ」と言われたのです。確かに人間行動学もエコロジーだなと納得して医学の道に進みました。そして医学部の国家試験に合格した翌日から、大学の医局には入らず、当院で働いています。医者になった途端、開業医になったわけですが、父と一緒に学会へ行くと、有名な先生が気軽に挨拶してくださったり、わからないことを父に尋ねると、その分野ならあの先生に質問して来いと、その分野の大先輩を紹介してくれたりしました。若い頃からそんな学び方ができたことは私にとって大きな財産になりましたね。

お兄さまも同じクリニックで診療されていますね。

兄は当院の理事長です。私が小児科から医療に入っているのに対し、兄は循環器と呼吸器から入っています。ですから当院の専門領域の中で呼吸器・アレルギー・心療内科の部分は二人に共通した専門領域ですが、共通しない部分では兄は高血圧・糖尿病・骨粗しょう症などを専門とし、私は小児科を専門としています。乳児検診などは私の担当になり成人の生活習慣病は兄の担当になります。二人いれば喘息以外の問題でも乳幼児から高齢者まで対応できますから、喘息を診察するうえでも非常に都合のよい形になっています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今の医療のレベルを下げないこと、患者さんの期待に背かないことを大切にしていきたいです。医師の「仕事」には3つの段階があると考えています。第1段階は目の前の患者さんを一生懸命に治療すること。2段階目は、新しい治療法を見つけて、自分が診察することができない未来の患者さんまで救うこと。そして3段階目は、その新しい治療法を広めていくということです。つまり医師は、治療者であり、研究者であり、教育者になっていくべきだと考えています。父の確立した理論と治療法を行いながら、新しい時代の心療内科を広げていきたいと思っています。心療内科は人間関係のあつれきを診る分野ですが、今、医療の主流は身体を診ることになっていて、メンタルがあまりにも軽視されていると思います。そのことも含めて新しい時代の心療内科を開発して広めたいですね。

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