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近藤 薫 院長の独自取材記事

こんどうクリニック

(名古屋市名東区/本郷駅)

最終更新日:2023/04/12

近藤薫院長 こんどうクリニック main

名東区極楽の住宅街にたたずむ「こんどうクリニック」は、1999年11月11日の開業以来およそ20年以上、この地域の健康を内科・外科の両面から守ってきた。近藤薫院長の信条は「スペシャリストよりもゼネラリストでありたい」。専門性を究めるよりも、地域住民のさまざまな症状に幅広い知識で対応し、何かあった時、真っ先に頼りにされるかかりつけ医をめざしたいのだという。自身もこの地域で暮らしながら、患者との関係を築いてきた近藤院長。広く開放感のある待合室には患者による手作りの作品が多数並んでいる。地域に根づき、患者への感謝と医師としての誇りを胸に診療を続ける近藤院長の優しい人柄がうかがえるインタビューとなった。

(取材日2023年2月27日)

どんな症状でも診てもらえるという安心感の提供を

20年以上この地域で診療されてきたそうですね。

近藤薫院長 こんどうクリニック1

開業医を続けて約20年、地域の患者さんが求める医療は、専門性よりも、より広範囲のさまざまな症状に対応することなんだと実感しています。「とりあえずあの先生に診てもらえたら安心だよね」というコンビニ感覚で来てもらえるクリニックでありたいですね。そして、患者さんの満足のいく治療をすること、患者さんの苦痛を和らげることをいつも考えています。勤務医時代は外科の専門的な技術や知識を習得してきたので専門家としてのプライドもありますが、実際患者さんが、かかりつけ医に期待しているのは「まずは診てくれて、もし難しい状況になったら他の医療機関や専門医を迅速に紹介してくれる」クリニックではないでしょうか。地域によって差があるとは思うのですが、医療の最初の窓口の役割を果たすことが開業医として非常に大切なことだと、私は思っています。

呼吸器内科・消化器内科・外科・リハビリテーション科など複数の科を標榜されていますね。

何が専門なのかとけげんな顔をされることもありますが、幅広く診られることがわかるようにあえて専門性を強調していません。内科も外科も診ることができるのが当院の強みでもありますからね。風邪やインフルエンザはもちろん、ケガや捻挫、骨折などの患者さんもいらっしゃいます。とはいえ、私の専門分野である呼吸器や消化器関連の疾患を持った患者さんも多いですね。年齢層は、お子さんから高齢の方まで幅広く来ていただいており、家族みんなのかかりつけクリニックとしてお力になれているのではないかと思います。

幅広い知識をどのように身につけていかれたのでしょうか。

近藤薫院長 こんどうクリニック2

私が医師になりたての頃は、内科より外科のほうが体育会系の風潮があり、学生時代ラグビーをしていた私にとっては、外科のほうがなじみがありました。勤務医になり、外科の医師としてスタートしましたが、当時から内科のことがわかっていなければ外科はできないと考えていました。サッカーで例えるなら、内科が前線で外科がゴールキーパー。前線の動きがわからなければ、後ろで守ることはできません。そんな考えで外科を診ていたおかげで内科的知識もついていきました。また医療は日々勉強なので、開業後に患者さんから学ばせていただいたことはたいへん貴重だと思っています。しかるべき先生から教えていただいたこともあるのですが、実際は患者さんから学んだことがとても多いですね。患者さんから学んで次に同じような症状の患者さんが来られたら、それを応用していくということの繰り返しです。

詳細な検査ができるCTを導入し、早期発見に役立てる

院内の設備について教えてください。

近藤薫院長 こんどうクリニック3

CTやエックス線、経鼻胃内視鏡、超音波、心電図、各種リハビリ器具などがあり、標榜科の検査に対応できる機器をそろえています。近年では新型コロナウイルスの遺伝子検査器を複数台導入し、診断に役立てています。開業当初は、CTはなかったのですが呼吸器内科を診ていると、健康診断で引っかかったので詳しく診てほしいという要望が多くあります。しかし、呼吸器は胸部写真1枚では判断しにくいことも多く、せっかく来たのにいきなり大きな病院に紹介状を書きましょうとなるのも心苦しいので、開業してから3、4年ほどでCTを導入しました。 特に肺の健康診断の場合はエックス線画像だけでは全肺野の6割程度しか見つけることができません。CTは、ほぼ全肺野の異常な陰影を見つけられるので肺がんの早期発見には必要と考えています。現在のCTは2台目ですが、CTがあると自信を持って診察ができ、他院への紹介もスムーズにできると感じています。

感染症対策についてはいかがでしょう。

幸い当院には、入り口を入ってすぐに隔離された処置室がありましたから、そこを発熱患者さんの診察室に充て、一般患者さんと動線が重なることなく発熱患者さんに対応することができます。新型コロナウイルス感染症は、5月から法律的には5類に分類されますが、5月になったら感染力が急に弱まるかといったらそうではないですよね。例えば、感染症の検査で鼻に綿棒を入れた時にくしゃみが出ることもありますが、同じ診察室でくしゃみをした患者さんの次に発熱以外の患者さんが診察を受けることにはまだ抵抗があると思います。しばらくは状況を見ながら対応していくつもりです。

医師としてのやりがいを教えてください。

近藤薫院長 こんどうクリニック4

自分が仕事をして人が喜んでくれる、さらに患者さんのご家族にも喜んでいただけることですね。どんな仕事でも人に喜ばれるのはうれしいと思いますが、他の仕事よりもそれが強いのではないかと思っています。それに若い頃は、自分の腕を磨いて、できなかった手術が少しずつできるようになっていくこともうれしかったです。患者さんが手術をさせてくださって、できるようになっていったので私が患者さんに感謝しないといけないくらいなのに、患者さんが私に感謝してくれるんですよね。おまけに報酬までもらえるなんて、なんて良い仕事なんだと思ったのを覚えています。今はまたちょっと違った気持ちで治療にあたっていますが、もし生まれ変わったとしてもまた医師になりたいですね。

育ててくれた地域の人々に感謝し、全力を尽くす

待合室にある大きなテーブルや、飾られた手作り品が印象的ですね。

近藤薫院長 こんどうクリニック5

テーブルは開業当初からのこだわりです。病院では受付のときに問診票を書きますが、立って書いたり、ボードに紙を貼りつけて書いたりするのは私自身、書きにくいと思っていたので、座って書けるようにテーブルと椅子を用意しました。お子さんが待ち時間の間にここで勉強したり、読書したりしていることもあるのでほほ笑ましいですね。待合室に飾っている作品は患者さんが作ってくれたものです。患者さんと仲良くなってくると、手作りの品を頂いたりするんですよ。待合室に飾ることにしたら他の患者さんも持ってきてくださるようになり、どんどん増えましたね。待合室の大きなテーブルと患者さんの作品の数々は当院の個性となっています。

この名東区で開業したきっかけは何だったのでしょうか。

実家が名東区で、出身の高校も名東区でしたから私にとってなじみが深い地域で、現在も近所に住んでいます。開業前にいろいろな候補地があったのですが、長く開業医をやるのであれば、何かあったときすぐに駆けつけることができるように、家の近くがいいと考え、この場所に決めました。名東区は全体的には新興住宅地で転勤族の方も多いですが、1本路地に入ると古い町並みもあり、長く暮らしている方々もいらっしゃるような土地柄です。開業当初も医療機関が充実している地域でしたが、この20年でもっと増えましたね。その中でも当院を選んで来てくださっている患者さんに感謝しています。

患者さんにメッセージをお願いします。

近藤薫院長 こんどうクリニック6

長く来てくれている方は患者さんではあるのですが、私にとっては友達みたいなもの。医師として病気を治すというのが本来あるべき姿なんですが、治りにくい病気というのはいっぱいあって、病気の患者さんに寄り添っているだけになってしまうこともあります。病気を治して長生きできればいいのですが、やはり寿命というものもありますからね。だから、今通ってくれている元気な方には、私も一生懸命診るから1年でも、2年でも、とにかく元気で長生きしてよね、と伝えたいです。

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