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中根 茂雄 院長の独自取材記事

中根産婦人科

(名古屋市緑区/相生山駅)

最終更新日:2021/10/12

中根茂雄院長 中根産婦人科 main

相生山駅から徒歩5分。春は桜の名所となる公園の向かいに「中根産婦人科」はある。一部れんが張りの建物は樹木に囲まれ、重厚な趣を醸し出す。中根茂雄院長は緑区で30年以上にわたり、地域の女性たちの健康、出産を支えてきた。「患者さんにとって大事なのは安全と快適性。これは開業以来ずっと変わりません」ときっぱり。同院は高度な医療技術とともに、食事やマッサージなどリラックスのサービスが充実しているのも魅力。患者の要望で始めた日曜診療も続け、近年は助産師を中心とした外来や分娩の実施、血管外科を新設するなど、女性が安心して通える環境づくりが整っている。また、外国人患者のために通訳をおいての診療も積極的に行っている。そんな患者への温かみ溢れるクリニックについて院長に聞いた。

(取材日2016年4月27日)

30年以上お産に関わり、地域の女性の健康を支える

緑に囲まれたすてきな医院ですね。開業までの経緯を教えてください。

中根茂雄院長 中根産婦人科1

私は1968年に名古屋市立大学医学部を卒業して同大産婦人科に入局し、1980年に緑区にある名古屋市立緑市民病院産婦人科部長として赴きました。今から30年以上前で、多くのお産がありましたね。忙しくもやりがいがある日々でしたね。そして1986年に自宅を兼ねて当院を開業しました。この場所を選んだのは、自分がいた緑市民病院の患者さんとのつながりも考えて、近い所が良いということと、今ではすっかり住宅街になりましたが、ここが緑に囲まれ自然豊かな環境だった、ということがあります。駐車場の樹木も含め、緑は妻が管理しています。

こちらではやはり、お産をされる方が多いのでしょうか。

来院される方の8割が妊娠、分娩ですね。当院は開業以来30年、1万2000件以上のお産に関わってきました。私自身は男女産み分けについて興味があるので、それを知ってご相談にいらっしゃる方もあります。2003年からは娘の浅野順子副院長との親子2人体制です。3人の子どもの母親で、お産も診られる女医ということもあって、妊婦さんにも喜ばれています。婦人科のほうは、月経の異常、不妊症、不育症、習慣性流産など、女性の悩みはいろいろありますので、すべてについて診ています。高齢の方は、お産が原因で、子宮が下降してくる子宮下垂や子宮脱などの症状が出ることがありますので、そういった方々の来院もあります。

産科、婦人科のほか小児科、そして血管外科も標榜されていますね。

中根茂雄院長 中根産婦人科2

開業当初は産科、婦人科だけでしたが、その後増築して、生まれた赤ちゃんも診てあげたいと小児科を立ち上げました。今は専門医が週3回診療にあたっています。血管外科は、2015年に新設しました。お産した人を診ていると、足に静脈瘤がある人が結構いらっしゃいます。足の静脈がボコボコと、瘤(こぶ)のようにふくらむ病気で、妊娠や出産が原因になることもあり、悪性ではないのですが、自然に治ることはありません。なかには50歳ぐらいになって出てくる方も。そこで当院では、心臓血管外科専門医である娘の夫が週に4回の診療と手術をしています。手術は、症状によってご相談して治療方針を決めますが、日帰り、入院いずれも可能です。女性よりは低い確率で男性もなる病気ですが、うちは産婦人科ですので、現在のところ患者さんは女性に限定しています。

外来に分娩、助産師を中心としたサポートが強み

先生は自然分娩を推奨されていますね。

中根茂雄院長 中根産婦人科3

はい。ただ自然分娩が良いといっても、お産が長引いたり、あるいは予定日を越えてしまったりしたときには、赤ちゃんに異常が出ることが心配なので、陣痛促進のお薬を使用することも。たまに薬は使いたくないという方もいらっしゃいますが、赤ちゃんのためです。子宮や赤ちゃんの状態を見ながら慎重に調整して行いますので、ご理解いただければと思います。もちろん緊急時には、大学病院などと密接に連携しています。自然分娩ということの前に、安全第一であることは言うまでもありません。今の妊婦さんは自分の考えをしっかり持っている方が多く、本を読んだりして、「私はこういうお産がしたい」と話されます。問題があるときには、それはこうだと、こちらが断定的に話すのではなく、このほうがいいですよと優しく適正なアドバイスするよう心がけています。

2013年から助産師による外来を始められたそうですね。

なるべく自然分娩に沿った形でのお産を助産師で実現したかったということと、妊婦さんには、医師には話しにくい悩みがいろいろあるだろうと感じていたので、週5日、「ママケア」という助産師による外来を始めました。また「院内助産」といって、順調な経過の妊婦さんでしたら、分娩時も助産師がメインとなる体制をとっています。もちろん何かあれば私たち医師がすぐ診ます。現在試行の段階なのですが、今後本格化していきます。また、妊娠初期はつわりや便秘など、後期には腰痛や育児用品についてなど、妊娠週数に応じた個別の保健指導をしており、出産後は母乳や育児の相談などに乗るなどのサポートを行う外来もあります。

とても頼りになりますね。助産師は何人いらっしゃるのでしょうか。

中根茂雄院長 中根産婦人科4

助産師は常勤とパートを合わせると10人以上います。それぞれの人が経験豊富で親しみやすく、たいへん喜ばれています。私だけでやっていた頃は、どうしても診察時間が短くなってしまうことがありましたが、助産師がいてくれるおかげで、以前は1人15分だったのが、今は30分とってゆっくりお話を聞くことができています。妊婦さんたちも助産師に小さな悩みまで気軽に話されているようです。私が全部やっていたら、今よりもっと大変だったかもしれません。バースプランのご相談についても、当院は助産師が担当しています。これはぜひご夫婦で来院して相談していただきたいですね。当院では10年以上いる助産師長がスタッフたちをしっかりまとめてくれていて、ありがたいと思っています。

安全第一はもちろん、産科は快適性も重要な要素

こちらでは、ほかにどのような特徴がありますか。

中根茂雄院長 中根産婦人科5

安全ということに加え、開業当時から言っているのは、産科は快適性が重要だということです。この二つは両立させないといけません。当院では増築のときに、病室はすべて個室化し、くつろいでいただけるようにしました。上のお子さんも一緒にご家族で泊まれる部屋もあります。また、退院時のアンケートによると、食事も評判がいいようです。2015年からはイタリアンシェフに監修してもらっています。当院では、セレブレーションディナーあるいはランチといって、出産のお祝いとして、ご家族を1人招待して、お2人で無料の食事を召し上がっていただいています。ご主人が多いですが、おじいさん、おばあさんも呼ばれてご家族一緒に楽しまれる方もありますね。3時のティータイムにはおやつもあります。また出産後、専門のセラピストによるリフレクソロジーも提供しています。オイルを使用してツボを刺激するマッサージで、リラックスしていただいています。

そもそも産婦人科の医師をめざされたのはなぜでしょうか。

私は、父も兄も内科の医師なんです。その影響もあるでしょうが、一番の理由は、妊婦さんはいろいろな病気や合併症を起こすこともありますから、産婦人科の医師は、全科のことを知っておく必要があり、非常にやりがいがある仕事だと感じていたことでしょうか。もともと病気ではない人を診ているのに、途中で何が起こるかわからず、そのときには確実な知識と行動力が必要です。一方で、経過が良ければ、「おめでとうございます」と言って喜びを分かち合える。特殊な仕事、そして大きな喜びのある仕事ですね。

そんな先生が、30年以上、女性たちを支えてこられて感じられることは。

中根茂雄院長 中根産婦人科6

「私はここで生まれました」と来られる方が多くいらっしゃいます。「赤ちゃんができました」と。2代にわたってご縁ができることはとてもうれしいです。「緑市民病院でお世話になりました」と言ってくださる方もあります。最近のことでは、血管外科ができたこともよかった。担当の先生は、心臓血管外科だけでなく循環器内科も詳しいですから、産科、婦人科と連携できて、患者さんにとってもメリットが増えたと思います。私も73歳になりましたので、体力が落ちないよう、自宅にランニングマシンを買って、それで歩いたり、自主トレーニングを行ったりしています。お産は好きですし、夜中に起こされても全然気になりません。これからも、地域の方々にとって頼っていただける医院であり続けられるよう、精進してまいります。

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