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内川 智浩 院長の独自取材記事

滝の水クリニック

(名古屋市緑区/鳴海駅)

最終更新日:2021/10/12

内川智浩院長 滝の水クリニック main

鳴海駅から車で10分ほどの住宅街にある「滝の水クリニック」は、1991年に前院長の内川厚司先生が開院し、25年以上にわたって診療を続けてきた内科・小児科クリニックだ。町のかかりつけ医として着実に歩んできたこのクリニックは、2017年から息子である内川智浩先生を迎え、新たな歴史を刻み始めた。循環器を専門に学んできた智浩先生が加わったことで、さらに診療の幅を広げた同クリニック。2020年10月からは、院長に就任した智浩先生。「めざすのは父のような医師」と語る院長に、地域医療にかける思いとこれからのクリニックの姿について話を聞いた。

(取材日2018年5月16日/情報更新日2020年10月1日)

このクリニックが医師としての自分の原点

医師をめざしたきっかけを教えてください。

内川智浩院長 滝の水クリニック1

医師として働く父の姿を見て、というのが大きいでしょうね。幼い頃、おなかが痛くなったり風邪をひいたりしても、小児科に行ったことがなかったんですよ。大体、家で父に診てもらっていたのですが、手を当ててもらうだけでも安心して症状も楽になるような気がして。子ども心に、医師の力はすごいな、と思いました。そういう経験が、医師を志す最初のきっかけになっていると思います。その後は人並みにスポーツ選手に憧れたり、ということもありましたが、ずっと頭の片隅に医師という選択肢はあったんでしょうね。実際に進学を考える時期になった時、自然と医師の道に進もうと思いました。

循環器内科を選んだのはなぜでしょうか?

循環器内科自体は優秀な方が進むものだと思っていたので、漠然とした憧れはありつつも、自分には難しいのではないのかと最初は考えていました。しかし、研修などで実際に循環器内科を経験した際に、ハートと体力が重要なのではないか。それならば自分にもできるのではないか、と思いまして。また、進度の早い病気が多く、治療に対する患者さんの反応も早い。症状が劇的に良くなる可能性も期待でき、結果が目に見えてわかりやすいんです。特に心筋梗塞は心臓の血管が詰まり、その先の血管が壊死してしまう病気なのですが、その詰まりをいかに早く取り除くか、というのが重要です。詰まっている間は患者さんも非常に苦しそうなのですが、詰まりを取り除いて数分、数時間たつと、患者さんから感謝していただけます。そういう点に面白さを感じて循環器内科を選びました。

最初からこちらを継ぐつもりでいらしたのですか?

内川智浩院長 滝の水クリニック2

このクリニックは僕の原点なんです。早い段階から医師の世界を見せてもらい、魅力を感じていたので、自身のキャリアの最後にしたい、とは考えていましたね。僕自身、医師として20年以上経ち、循環器に関してはやりがいを持ってその道を追求してきました。しかし、地域に根差した医療については勉強しなくてはいけないことがたくさんあります。後輩も育ってきたので病院はそちらに任せ、父がまだ元気なうちに一緒に診療をしながら吸収をしたいな、と。ただ、今も週に2回は安城更生病院に顔を出しています。病院で先端の治療を学びながら、地域医療についてもここで勉強をさせてもらっている、非常に恵まれた環境ですね。患者さんからも学ばせていただくことがたくさんありますし、成長させていただく過程で僕が今まで経験したことや、病院で学んできたことを還元できれば、という思いはあります。

患者に安心を与えることも医師の大切な仕事

お二人になり、クリニックで何か変化したことはありますか?

内川智浩院長 滝の水クリニック3

今まで父1人で行っていた仕事が2人になったので、待ち時間は短縮されたと思います。また、それぞれ専門的に学んだ分野が違うので、今までよりさらに手厚く患者さんをカバーできるようになりました。僕は循環器を専門に勉強してきたのですが、父は内分泌で甲状腺や糖尿病を得意としていますし、消化器系についても勉強を重ねており、胃カメラからバリウム検査まで幅広く対応して診ることができます。こういうクリニックのメリットは、門戸を狭めず、まずは何でも相談してもらえることだと思うんです。例えば胸の痛みがあったとしても、それが心臓なのか食道なのか、心理的なことまで原因はさまざま。それをきちんと見立てるのがわれわれの仕事です。どこに行けばいいのかわからない悩みでも、患者さんにはどんどん相談していただければと思っています。1人の患者さんに対して2人の医師が意見を出し合って診断ができるということは、強みだと思います。

診療の際に心がけていることはありますか?

患者さんが話しやすい雰囲気づくりですね。病院に勤めていた頃は、一方的に専門的な説明をして「わかりますか?」と聞くような環境でしたし、患者さんもそれを求めて来院していました。しかし、地域医療では患者さんの背景やご家族のことなどを知った上で、どういう対応をするかが大切になってきます。雑談や世間話からいろいろな情報を得て、そこから患者さんの人となりを知り、その方に合う治療法がわかってきたり。そういう点は父を見て学びましたが、まだまだかないませんね。僕はまだ余裕がなく、病気を診ることに集中してしまうのですが、父の診察室からはいつも笑い声が聞こえてくるんですよ。この30年近くで積み重ねてきた信頼関係もあると思いますが、そういうところをめざしていきたいですね。

笑顔のある診療というのはすてきですね。

内川智浩院長 滝の水クリニック4

病院時代から、患者さんに安心感を与えることの大切さは実感してきました。例えば、手術の前に「頑張りましょうね」と握手をするだけでも、患者さんの反応が全然違うんですよ。あちらも「任せたぞ」という気持ちになり、こちらも「任せられたぞ」と気持ちを新たにすることができます。言葉も大切ですが、そういう体やアイコンタクト、ちょっとした表情を読み取ったりというコミュニケーションの大切さは地域医療でも同じ。適切に診断することも重要ですが、患者さんにいかに安心を提供できるかというのは、医師の仕事として非常に大事な部分だと改めて感じています。

体全体、人生全体を見守るトータルヘルスケア

今後はどのような点に力を入れていきたいですか?

内川智浩院長 滝の水クリニック5

クリニックでは以前から小児診療に力を入れています。このクリニックを開院するにあたり、父が小児科もかかりつけ医としてしっかり診ていきたい、という意向があったので、以前から藤田保健衛生大学の教授に週1回来ていただいているんですよ。ですので、不安のある方はその日にお越しいただくこともできます。父ももともとは専門外ですが、今では小児科を診る医師としても街の方から信頼を得られるほどになっていますので、僕もそこを守っていきたいですね。また、高齢化社会に向けての体制を整え始めています。今は2人になって人員に余裕も出てきたので、増えるであろうニーズにお応えできれば、と。地域に根差して、街の方々の生涯を見守っていけたらいいですね。

そこは、クリニックの掲げる「トータルヘルスケア」にもつながるのでしょうか。

そうですね。このクリニックでは開院当初から「トータルヘルスケア」を掲げて総合的な医療管理をめざして診療を行ってきました。それは、ある一つの専門分野だけでなく、患者さんを一つの体全体として診ていきたい、というものです。その本来の意味だけでなく、患者さんの人生全体を見守るヒューマンケアの視点からも「トータルヘルスケア」を実践していきたいと思います。

それでは最後にメッセージをお願いします。

内川智浩院長 滝の水クリニック6

当院は、町のかかりつけ医として「トータルヘルスケア」を掲げて診療を行っています。通院が困難になった患者さんへの往診の体制も整えていきたいと思っていますし、お子さんの診療についても専門の医師に来ていただくなど安心してお越しいただける環境を整えています。僕自身も3人の子どもがいるので、子育てのアドバイスとまではいかなくても、悩みを一緒に共有することもできます。できるだけ門戸を狭めずオープンなかたちで皆さんに対応して行きたいと思っているので、健康の不安や体調の悩みなど、何か抱えている問題があれば、気軽に相談に来ていただきたいと思います。

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