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真野 寿雄 院長の独自取材記事

まのレディースクリニック

(名古屋市港区/港北駅)

最終更新日:2023/09/26

真野寿雄院長 まのレディースクリニック main

近隣住民から「本当に真野先生は良い人。近所で評判だよ」との話を聞く「まのレディースクリニック」。ロビーに入ると、サーモンピンクとベージュで彩られた壁に、落ち着いた色合いの布張りの椅子が並ぶ。天井の模様にも柱にも丸みが生かされ、建物全体で来院した人を包み込むようだ。「思いやりのある診療で、やさしい自然分娩を」をモットーとする同院では、4D超音波診断など高度な医療と、広い入院室、おいしい食事など安らぎのホスピタリティーが共存。数年前から始めた助産師の外来も妊婦にとっては心強い存在だ。「丁寧に話を聞き妊婦さんの意思に沿うお産をしたい」と話す真野寿雄院長は評判どおり、優しく穏やかな笑顔で何でも話せそうな雰囲気。普段心がけていること、めざすところなどを聞いた。

(取材日2016年3月29日/情報更新日2023年9月21日)

高度な医療とともにホスピタリティーを重視

全体的に女性らしいイメージのクリニックですね。

真野寿雄院長 まのレディースクリニック1

このクリニックは1993年に開院しました。実はクリニックを手がけたことのない設計者がデザインのコンセプトを考えたんですよ。当時はバブルが終わりの頃で、クリニックにおいても、高度な医療はもちろん食事や入院室の面で高いホスピタリティーが重要視されていたんです。最近は、インフォームドコンセントがありそうではないかもしれませんが、通常、病気ですと、患者が医師の言うことを聞くという形になりがちです。お産は基本的には病気ではないので、医師と患者の関係においては、対等という形がより強くなるのではないかと感じます。そういう意味でも、産婦人科では特に、医療に加えホスピタリティーやアメニティーということがより求められていたのではないかと思います。

ホスピタリティーということでは、ほかにどんなことがありますか。

食事はホテル出身のシェフが患者さんの健康管理に気をつけて腕をふるっており、退院の際には、ステーキディナーをお出ししています。赤ちゃんが生まれると、ゆっくりフルコースを味わう機会はなかなかありませんからね。また分娩後には、肌のお手入れということでエステのサービスをしています。それとやはりマタニティービクス・ソフロロジー・ベビーマッサージなど、専用のプログラムがあることですね。ソフロロジーは、体のみならず精神的なケアも含めトータルでお母さんをサポートするものです。フランスに留学した時にソフロロジーを知りました。開業して少し余裕ができてから講習を受けて、ソフロロジーを始めました。今は取り入れているところが増えましたね。最近は、こうした取り組みの内容や質の充実を求めるお母さん方が増えていると感じます。

クリニックで注力していらっしゃることとは?

真野寿雄院長 まのレディースクリニック2

当院では、婦人科系疾患や簡単な不妊治療も行いますが、医療の機能分化ということもあり、6~7割は妊娠分娩に関連した方です。それで医師による診療のほか、2010年からは助産師が担当する外来を始めました。毎週2回、予約制で、助産師が妊婦健診やおっぱいの手入れ法の説明などを行い、悩みなどもお聞きしています。以前は助産師は母親教室のときにアドバイスをするだけで、分娩の時にお世話になるイメージが強かったと思うのですが、先ほど言った対等の関係でいうと、やはり外来の時から顔の見える親しい関係を築いていただくのが一番です。当院では妊婦さんご自身がどういうお産を望まれるかというバース・プランを立てていただくのですが、助産師が外来で妊婦さんの話を聞いて、オーダーメイドとまではいかなくても、なるべくその方に合ったお産をしていくことを心がけています。

助産師はケアを、医師はキュアを。両輪で妊婦サポート

助産師は何人いるのですか。

真野寿雄院長 まのレディースクリニック3

7人です。年齢は30~50代までさまざまです。助産師の中で情報共有し、妊婦さんそれぞれの注意点や大切なことなどを理解して、よりホスピタリティーの高いお産に結びつけることができるようにしています。助産婦には医師とは違った視点で、妊婦さんのケアや精神的なフォローをしてもらう。それで私たちは安心してキュア(医療)に力を入れることができます。妊婦さんには必ず1回、できたら2回は助産師の外来を受けていただけるような体制をとっています。医師には直接聞きづらいことも、女性同士、経験豊富な助産師さんになら聞きやすいこともあるのではないでしょうか。当院では助産師も24時間、夜も当直の医師とともに助産師がいますから、いつでも何かあればアドバイスはできますよ。

院長からは妊婦さんにどんなお話をされているのですか。

健診の時にお話しするのは、リラックスが大切ですよということ。自分に合ったリラックス方法を身につけて、おなかの赤ちゃんとともに過ごしてほしいですね。疑問や不安などストレスがかかると、ストレス性のホルモンが出て、胎盤、へその緒を介して赤ちゃんが不安定になることもあり得るので、まず自分に自信を持って、自分を信じて、リラックスした生活を送ることが赤ちゃんの発育には大切です。病気ですと、患者さんの意思には沿えないこともあるかもしれませんが、お産はなるべく医療介入をせずに自然な形で、それぞれの妊婦さんのバース・プランに沿うようにということを大切にしたい。それが私がモットーとしている「思いやりのある診療で、優しいお産」ということです。

院長のほかに医師3人、スタッフ40人という大所帯ですね。

真野寿雄院長 まのレディースクリニック4

30代、40代の女医2人と、50代の男性医師と私です。医師が常に2~3人いるので、外来の午前中は、予約と予約外のニ診体制です、お待たせしないよう迅速に診療したいと思ってのことです。私は、スタッフたちを自分の体の一部だと思っているんですよ。当然、自分の体は大切にするでしょう、そういう意味でスタッフが生き生きと働きやすい環境を確保することも院長の務めだと思っています。うちのスタッフの離職率は低いんですよ。開業以来勤めている人も含めてほとんどが10年以上のベテランぞろいです。症例も長年、毎日共有してきているわけですので、「先生、この検査が抜けてます」と言われたりすることも(笑)。今の規模が、私の考えとか理念をともに具現化できるちょうど良い単位かなと思います。

出産をした人の子どもが出産をしに来院、それが喜び

産婦人科医になられたのは、なぜでしょうか。

真野寿雄院長 まのレディースクリニック5

私は産婦人科医の次男なんです。祖父が愛知県佐屋町(現在の愛西市)で1923年に開業し、父は津島市で開業しました。当時、医院が自宅の隣にあり、私は365日24時間働く父を見て育ちましたから、産婦人科医になることは自然な流れであったように思います。あと、産婦人科は病床を持っているので、他の産婦人科医のご子息もそうだと思うんですが、それを継承していくのだという意識があるんですね。現在、兄が津島市で産婦人科医院を継いでいますが、当院からは、道がすいていると車で20分ほどなんです。緊急手術の場合もお互い連携して助け合ったりできますし、偶然妊婦さんの里帰りが津島だとか、その逆だったりとか、妊婦さんを紹介し合うこともありますね。

長年、診療されていて感じられていることは。

私たちと患者さんとの関係というのは、お産が終わったらいったん途切れるんです。内科の先生みたいに続けてお付き合いがないのはちょっと残念。ただ、生まれたお子さんを「大きくなりました」と連れてきてくださると、とてもうれしいですね。最近は、開業した頃にお産をされた方のお子さんが大きくなってお産でうちに来られる、ということがあり、感慨深いです。長くやってきてよかったなあと思える時ですね。またお産をされた方が更年期になって来院されることも多く、看護師たちも勤務が長いので、そういう方々は覚えているんですよ。

お忙しい中で、ご趣味や健康法はありますか。

真野寿雄院長 まのレディースクリニック6

趣味は旅行、と言えたらいいのですが、なかなか遠出ができなくて、車が趣味ですね。車のメカニズム、マニュアル車の運転が(笑)。あとは少し体を鍛えようと数年前から水泳をやっています。スタッフにも言うのですが、きちんとリフレッシュして心の余裕を持った状態で患者さんに接したいですからね。4D超音波測定診断など年々機械の性能が良くなってきており、そういうことも含めて毎日勉強が欠かせません。勉強を怠ったら第一線を退かなくてはいけない。お産は病気ではないけれども、病気でない分、良い結果が得られて当たり前と思われています。しかしお産は刻々と状況が変化するもの。産婦人科医はお母さんと赤ちゃん、命を2つお預かりしている責任の大きい仕事だと思っています。

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