高血圧について知ってほしい
第一歩は生活習慣の見直し
はやせ希望クリニック
(名古屋市中川区/小本駅)
最終更新日:2018/08/09


- 保険診療
「最近、血圧が高くなって気になっている」。高齢者の間ではしばしば交わされる会話だろう。しかし、これといった自覚症状が他にないため、そのまま放置している人が多いともいわれている。高血圧は「サイレントキラー」の1つともいわれ、患者が気づかないうちに病状が進んで危険な状態になることがある病気だ。また、今まで元気だと思っていた人が突然倒れ、その原因が高血圧によるものである場合も考えられる。「はやせ希望クリニック」の早瀬修平院長は、そういう患者に対し、高血圧の基礎知識や高血圧の治療法の正しい知識を持ってほしいと、日々尽力している。高血圧とはどういう病気なのか、治療方法や日常生活の中で気をつけるべきことは何かなど、詳しく語ってもらった。 (取材日2018年7月11日)
目次
サイレントキラーといわれる高血圧だからこそ、日々の生活習慣に気をつけてほしい
- Q高血圧とはどういう状態を言うのでしょうか?
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A
▲中川区松葉町で長年地域に貢献している「はやせ希望クリニック」
高血圧には本態性高血圧といわれる一次性高血圧と、二次性高血圧の2種類あります。二次性高血圧というのは、もともと血圧が上がるような病気を持っていて、それによって起こる高血圧を言います。一般的に多いのは本態性高血圧なんですが、特に大切なのは高血圧の患者さんが来院した時に、この高血圧が二次性高血圧ではないかを見逃さず判断することです。そのため当院ではさまざまな検査を行っています。血圧が高いからといってすぐに薬を出すのではなく、胸の写真、心電図、尿検査、血液検査を行い、起因する病気がないかを見極めます。二次性高血圧と本態性高血圧では使う薬も異なる場合が多いので、この見極めがポイントになるわけです。
- Qどういう症状があったら受診すれば良いのでしょうか?
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A
▲緑に囲まれた、上品で閉塞感のない待合空間
高血圧が続きそれを放置すると、脳出血や脳梗塞、狭心症、心筋梗塞など危険な病気になることがあります。しかし、高血圧は「サイレントキラー」ともいわれるように、自覚症状が少なく、気づかないうちに病気が進行してしまい、患者さん自身が違和感を持ったときには病状が進行してしまっていることが少なくありません。日本高血圧学会では、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上で高血圧であると定義されています。治療は心血管疾患の発症を防いで、寿命を一般の人と同じにすることが目的です。健診でこの値を超えていたり、自宅や医療機関で血圧を測ったときに高血圧かもと疑われるときには、受診をお勧めします。
- Q普段から自分の血圧を知っておくことが大切ですね。
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A
▲院内発行される『きぼう通信』からも幅広い医療知識が得られる
そうです。薬局で購入できる家庭血圧計で良いので、普段から自分の血圧を測る習慣をつけてほしいです。ただ、指や手首での計測数値は不安定で信頼できないと私は考えているので、きちんと上腕で測るものを使っていただきたいです。血圧は1日のうちで変化していて、起床時は高く、日中だんだん下がります。また夕方になると少し上がり寝る前には下がるんですね。それから季節によっても変わります。夏は低めで冬は高めになります。このように時間や季節や日によって変化するので、本来なら一日中血圧計をつけて測ると良いのですが、それはなかなか難しいと思うので、毎日自分で決めた時間に継続して、ご家庭でも測ってほしいと思います。
- Q具体的にはどのような治療をするのでしょうか?
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A
▲わかりやすく解説をしてくれる早瀬院長
基本は運動療法と食事療法を行います。適度な運動と塩分を控えた食事をし、生活習慣を見直すことで血圧を下げることができる場合もあります。高血圧というと、すぐに「薬を飲まなければいけないんじゃないか」「薬を飲みだしたらやめられないんじゃないか」と思っている方がいるかもしれませんが、まずは生活習慣を改善することが大切です。それでも、血圧に変化が見られない場合は薬を併用し、血圧が安定するように治療します。ただ薬を飲んでいるからといって、それに頼るのではなく、運動療法や食事療法は並行して行うことが大切ですね。