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児島 康浩 院長の独自取材記事

こじま内科小児科クリニック

(名古屋市瑞穂区/桜山駅)

最終更新日:2023/06/14

児島康浩院長 こじま内科小児科クリニック main

名古屋市営地下鉄桜通線の桜山駅から徒歩5分。住宅街の一角にある「こじま内科小児科クリニック」。同院は地域のかかりつけ医として風邪や腹痛、子どもの感染症など患者の身近な悩みに応えているという。児島康浩院長は日本大学医学部を卒業後、地元の愛知県に戻り、名古屋市立大学病院などに勤務、呼吸器の疾患を専門に診療を重ねた。「時間の許す限り、患者さんの訴えをよく聞くこと」がモットー。問診で得た情報をもとに、正確な診断につなげていく。肩肘張らずに取材に答える姿は自然体。「先生だと子どもが怖がらなくて来たがるんですよ」と話す患者がいるのもうなずける。「つらかったら我慢せずに早く来てくださいね」と話す児島院長に診療への思いや子を持つ親へのアドバイス、在宅医療への考えなどを聞いた。

(取材日2016年5月25日/情報更新日2023年5月17日)

時間の許す限り、患者の訴えをよく聞く

まずは桜山に開業された理由からお聞かせください。

児島康浩院長 こじま内科小児科クリニック1

桜山が地元なんです。当院の裏に3階建ての建物がありますが、父が以前、そこでクリニックを運営していました。当時は自宅を兼ねていて、私が生まれたのも自宅。産婆さんに手伝ってもらって産声を上げました。私が小さな頃は桜山は割と栄えていて、路面電車が走り映画館や市場がありました。近くの滝子町にはなんと映画館が2つもあったんですよ。最近は住宅地の趣が強くなってきましたね。お年寄りが減り、マンションがたくさん建った分若い人が増えてきました。小さな子どものいる家族層が目立ちます。

小児科にかかる患者が多いのでしょうか。

そうですね、内科と小児科の患者さんがちょうど半々くらい。内科の患者さんは風邪や腹痛などの身近な症状を中心に主訴は幅広く、小児科の患者さんはインフルエンザなどの感染症が多いです。小学校の高学年になると病気にかかりにくくなるので、免疫力の弱い幼稚園児ぐらいのお子さんがよく来院されます。

診療する上で大切にしていることを教えてください。

児島康浩院長 こじま内科小児科クリニック2

時間の許す限り、患者さんの訴えをよく聞くことです。内科、小児科では患者さんのお話から病気を絞り込んでいくので問診が大切。糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病の疑いがあれば、普段食べているものは何か、喫煙などの生活習慣はどうかといったことまで踏み込んで聞いていきます。治療にあたり怒ったりはしませんよ。本当はもっと厳しくしたほうがいいのかなと思う場面もあるんですが、怒ってもいいことはないかなと。特に生活習慣病は患者さんが主体的に生活習慣を改善しないと良くならないので、正直もどかしいこともありますが。患者さんと膝を突き合わせて話し合い、一つ一つできることを増やしていくことが必要。じっくりと患者さんに向き合って関係を築き、良くなっていけばいいですよね。

小児科標榜のきっかけは「先生だと怖がらない」

先生は長く内科を専門にされてきました。小児科を標榜するに至った経緯は?

児島康浩院長 こじま内科小児科クリニック3

開業したての頃に患者さんがお子さんを連れて来たんですね。「子どもが先生を怖がらないので、来たがるんですよ」とうれしい言葉を頂きました。それで私は小児科に向いているのかもしれないと思って、標榜することにしました。父のほか母も医師で、2人とも小児科を診ていたので、教えてもらいながら勉強と診療を重ねていきました。やってみるとやっぱり子どもを診療するのは合っているなと感じました。小児科ではじっくりと治療に取り組むこともある一方で、適切な診断ができればすぐに治癒につながる疾患も多いのです。その分、患者さんを治療した手応えが得やすいのは魅力的ですね。

子どもを診る中で心がけていることはありますか?

クリニックや医師のことを嫌いにならないようにしてあげたいです。注射など、治療によっては痛みを伴うこともありますから、トラウマになってその後の人生で医療機関を避けることがないようにと。子どもの目線になって、なるべく優しく接することに尽きるのではないでしょうか。看護師などのスタッフと意識を共有して、お子さんが怖がらない医療を提供したいと考えています。治療面では現在、子どもの感染症における検査キットが充実しているので、キットを利用して診断力の向上に取り組んでいます。診断できれば、抗生物質を必要としないケースも多々あり、患者さんの負担軽減につながると思います。

子どものいる親に何かアドバイスしたいことはありますか?

児島康浩院長 こじま内科小児科クリニック4

小さなお子さんは自分の体のことをうまく話せないことが多いので、頼りになるのはご両親からの情報になります。お父さん、お母さんにはお子さんの状態を正確に把握してもらえると助かりますね。例えばインフルエンザだといつから熱が出たか、咳に痰が絡んでいるか、鼻が詰まるかなど。お父さんが連れて来る時に、お子さんの症状をお母さんがメモして手渡していることがありますが、これは有効。いずれにしてもお子さんを連れて来た人がどれだけお子さんの情報を持っているかが肝心なので、胸にとどめてもらえると幸いです。それと、予防接種の時に「注射を怖がるから」とお子さんに何も知らせず医療機関を訪れるご家族がいますが、「注射をすると体が強くなるんだよ」などとご自身の言葉で説明した上で来院することをお勧めします。何も話さず、直前になって注射をすることがわかるとお子さんがショックを受けて、トラウマになる可能性がありますからね。

呼吸器専門を生かし、精度の高い診断に力を入れる

医師をめざしたのは、ご両親からの影響でしょうか。

児島康浩院長 こじま内科小児科クリニック5

結果的にはそうですね。実は子どもの頃は医師になりたいとは思っていなかったんです、長男でもないですし。「医者の子ども」と言われるのも何だか嫌な感じがしたものです。直接のきっかけは、大学受験が迫った時に両親から「医者にならないか」と勧められたことです。いろいろと考えましたが、自分にとって一番身近な職業はやはり医師だったので、医学部を受験し、日本大学医学部に進学しました。実際に医師になってみると、患者さんに喜ばれ、感謝されることがうれしくて、いい仕事だなと感じています。

呼吸器を専門にされてきたそうですね。

大学卒業後は地元に戻り、名古屋市立大学病院を皮切りに県内の病院に勤めました。病院で主に診ていたのは呼吸器の疾患。おかげで肺炎や結核、肺がんなどに詳しくなり、呼吸器感染症に関する診断や治療など、現在の診療にも生きています。診断しづらい病気をうまく発見できたケースでは、エコノミークラス症候群が挙げられます。これは長時間同じ姿勢をとっていることで静脈の流れが悪くなり、脚に血栓ができ、それが肺の血管に詰まる病気。胸のレントゲンを撮ってもあまり問題ないので診断がしづらい。患者さんへの問診や検査結果などから病気を特定できた時はうれしかったですね。エコノミークラス症候群は放置しておくと命に危険が及びますし、適切に診断して早期治療をめざすという医師の使命を果たせた実感もありました。当院では携帯型睡眠ポリグラフィーを用いた睡眠時無呼吸症候群の診断、また呼気NO測定を用いた喘息の診断と治療管理も行っています。

最後に、クリニックの今後の展望を教えてください。

児島康浩院長 こじま内科小児科クリニック6

コロナ禍を経て、長引く咳など呼吸器疾患に悩まれて来院する方が増えてきました。お子さんの呼吸器疾患に関する診断も難しいため、呼吸器疾患に関することに力を入れていきたいです。他にも、花粉症を根本から治すことが期待できる舌下免疫療法も行っていきたいですね。花粉症は多くの方が悩みますが、ほとんどが対症療法。舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質を含んだ薬を服用することで徐々に原因物質への免疫を高めて体質を改善することを目的とした治療法です。町のかかりつけ医として身近な悩みに応えつつ、先端的な医療も吸収して患者さんに提供していきたいです。

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