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今津 浩喜 院長の独自取材記事

いまず外科

(名古屋市西区/国際センター駅)

最終更新日:2023/06/20

今津浩喜院長 いまず外科 main

国際センター駅から徒歩5分。大通りから一本入った落ち着いた場所にあるのが「いまず外科」だ。院長の今津浩喜先生は、外科の医師として腕を磨きながら研究活動を行い、博士を取得。母校で教鞭を取って7年目に、実家の継承を決意したという。当時、医療現場では大きな変化が続いていたそうだ。その波に乗りながらの開業後は、鼠径ヘルニアや下肢静脈瘤などを中心とした日帰り手術に注力している。日帰り手術は、働き盛りの世代や子どもの面倒を自宅で見なくてはいけない人などには大きなメリットがあると今津先生。論理的な会話にクールな印象を抱くも、取材中は気遣いにあふれており「治したいと強い思いを持つ患者さんの力になりたい」という力強い言葉に、真摯に患者と向き合う医療人としての強い意志を感じた。

(再取材日2019年10月10日)

的確な診断と、それを具現化するための診療をめざす

開業のきっかけを教えていただけますか?

今津浩喜院長 いまず外科1

この場所に父親が営んでいた病院があったんです。兄弟4人、誰が継ぐとは決まっていなかったのですが、2004年に父が倒れてしまいまして。その時、僕は大学講師をしていました。当時の医療現場は変化の多い時代で、手術のための入院期間短縮や、術前術後の管理方法の変化、手術技術の変革などが重なっていて、ちょうど開業する友人や医師仲間がいたので、このタイミングなら自分がやってみてもいいかな、と思って開業に踏み切ったのです。結果として現在日帰り手術が多くなりましたが、それ以外の地域診療や在宅診療もしっかり継続しています。

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

親は医師でしたが、実は僕自身は高校3年生まで、歴史の教師か絵描きになりたいと思っていたんです。中学まで周りの同級生は運動も勉強もできる子が多く大変でしたが、高校では逆で、一つのことが極端に秀でている子がすごく多いクラスだったんです。一つのことを追求することは得意な性格でしたので、だんだんと気持ちに余裕ができて「医師になったほうが親も助かるかな」と考えるようになり、医学部を受験しました。外科を選んだのは、好き嫌いではなく「技術を磨くという点なら、どこにいても太刀打ちできるはず」と考えたからです。僕に才能があるとしたら、勉強でも技術でも、身につくまで飽きずに繰り返してやれるということでしょうね。

日々、医療についてどのような考えで取り組まれていますか?

今津浩喜院長 いまず外科2

医師は的確な診断ができて、それを具現化するための診療ができなくてはいけないと考えています。そのためには工夫が大切で、同じことを繰り返すだけでは一定のところまでしか届かず、進歩に置いていかれてしまいます。だからといって思うがままに行っていいのではなく、方法から変える必要があります。技術や道具、もちろん考え方も。新しいものは余力と採算性のバランスを考えた上でできるだけ導入すべきだと思いますが、例えば麻酔の新しい薬などは、発売当日に製薬会社に納入してもらうこともよくあります。宣伝が始まる頃には論文を仕上げて情報提供をします。医療技術の向上には、これくらいのスピード感が必要だと思っています。

男女ともに幅広い年齢層にメリットのある日帰り手術

こちらの日帰り手術はどんな患者さんが利用されますか?

今津浩喜院長 いまず外科3

働き盛りの40代、50代の男性の方は、連休を取ることが難しいからと鼠径ヘルニアなどの日帰り手術を希望される方が多いです。現在は愛知・岐阜・三重の東海3県の患者さんがほとんどですが、九州や東北からもいらっしゃいます。また女性の方は、下肢静脈瘤の日帰り手術をご希望の方が多いですね。日帰り手術は、働き盛りの忙しい方にはもちろん、おうちで子どもや高齢者の面倒を見ないといけないので泊まりがけて家を空けられない、という方にも大きなメリットがあります。

鼠径ヘルニアについて教えてください。

年代は働き盛りの40代、50代の方で男性に多い病気です。鼠径ヘルニア手術はご希望が多いですが、昔の医学の教科書では「痛みがなければヘルニアがあっても手術はすべきでない」と書かれていたんです。ヘルニアは、治ったとしても痛みだけ残ってしまう場合がありますし、少ないですがどうしても治りきらないことが一定の割合で出るからです。また、昔は「手術をするなら入院が必要」というルールの病院が多く、外来の当日入院・当日帰宅という仕組み自体がなかったということもありました。今はそういうわけではなくなっています。

下肢静脈瘤とはどのような病気なのでしょうか?

今津浩喜院長 いまず外科4

男女関係なくかかる病気なのですが、統計上では女性のほうが多いといわれています。よく「血管が浮いている」と言いますよね。足の静脈が異常に太く浮き出ている状態を「下肢静脈瘤」といいます。中にはまったく症状がない方もいますが、足がむくむ、だるい、重い、痛い、つる……などの症状を訴えられる方が多いですね。加齢や妊娠、立ち仕事などが主な原因になります。ある日突然血管が浮き出るわけではなく、少しずつ浮き出るので気づかない人も多いんです。治療は手術など複数の方法がありますが、日常生活でも守っていただきたいことがあります。例えば、長時間の立ち仕事を避けることや、足を常に清潔にしてしっかり保護することで、色素沈着や傷を作らないようにすることも大事です。

日帰り手術は受けた翌日から仕事に行けるのでしょうか?手術前後の流れを教えてください。

はい。翌日から仕事や日常生活に戻ることができます。全体の流れとして、少なくとも3回は来院いただいています。他院からの紹介や電話での手術依頼もあるのですが、実際に診せていただくと異なる診断になることも多いものです。責任を持って手術をさせていただきたいので、超音波検査など術前検査をした上で、どういう手術を行って術後管理はどうするかなど、きちんと相談する必要もありますから。決して、「日帰り手術=簡単な手術」ではありません。短い時間で良い治療をするためには、準備や術後の対応の一つ一つのクオリティーを上げることが重要。そこをいい加減にすると、患者さんご自身に負担が残ってしまいますから。私たちは事前に何度もお話をさせていただいて、患者さんにしっかり理解していただけるようにしています。

より良い治療には患者自身の理解が必須

先生は麻酔科にも精通していらっしゃいますが、術後の疼痛管理についてはどうお考えでしょうか。

今津浩喜院長 いまず外科5

手術をすれば傷ができるので、当然、痛みを感じます。でも、疾患によっては症状が出ても痛くないということもあるんです。ですから、手術が本当に患者さんにとって必要なのかよく考えなくてはいけません。術後の管理が大変であれば、手術をするメリットが少ないとも言えます。また、術後痛みが出やすい手術を行うという際には、麻酔が切れて痛くなってから痛み止めを飲んでくださいと言うのではなくて、痛みが出る前にお薬を飲んでくださいねとアドバイスをしています。

患者さんに適切な医療を提供するため、スタッフさんにはどのような指導をされていますか?

手術前後には、看護師から患者さんに説明をしてもらうことも多いので、以前は私から看護師にいろいろなお願いをしていました。でも、最近では勤続10年以上になる看護師さんもいますし、私から細かいことを伝えることはなくなりました。新しく入ってきた看護師には1〜2年は別の看護師がついてできるようになるまで見守ります。手術の対応などには時間や経験が大切なので。また手術だけでなく、当院で働く上では私を含め、一つの失敗をしたら必ず対策をしっかり立てて、あとはもう引きずらないということを大切にしています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

今津浩喜院長 いまず外科6

医療は進歩していますし、僕たちも少しずつですが技術を磨いて、患者さんの期待に応える努力をしています。手術に不安はあるでしょうが、ご説明するとおりに術後管理をしていただければ、多くの問題が解決できると思っています。そのためにも、治療はクリニックや医師にお任せではなく、患者さんご自身が理解し了解した上で進める方針です。そして再診にもきちんと来ていただきたいですね。治したいという気持ちにはわれわれもしっかりと応えたいですが、そのためには患者さんの理解や努力が必要な場面もあります。時々、術後の通院や連絡がなく、こちらから電話をかけても通じないこともあるんです。手術だけをするのではなく、再診までが当院の責任と考えていますので、信頼して通い続けていただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

内視鏡検査/胃:1万4000円~、大腸:1万8000円~
※費用は目安です。こちらは検査のみの費用となっております。

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