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加藤 悟司 院長の独自取材記事

竹中医院

(大垣市/大垣駅)

最終更新日:2021/10/12

加藤悟司院長 竹中医院 main

大垣駅から車で約7分。タイル状のモダンな外壁が印象的な「竹内医院」。先代から同院を引き継ぎ、地域のかかりつけ医としてまい進する加藤悟司院長は、包み込むような優しさと親しみやすさが印象的だ。パステル調の優しい緑色で統一された院内は整理整頓が行き届いており、清潔感であふれている。穏やかな加藤院長の言葉の端々には、地域医療への熱い思いがにじみ出る。わかりやすい説明をすることを心がけ、目の前の患者の話にじっくりと耳を傾けることを大切にしている加藤院長に、地域のかかりつけ医としての思いをたっぷりと聞いた。

(取材日2019年9月25日)

患者に寄り添い、地域のかかりつけ医として力を尽くす

医師を志したきっかけを教えてください。

加藤悟司院長 竹中医院1

中学生の頃、うおの目の治療で手術をした病院の待合室に、ペンギンと一緒に写っている先生の姿があったんです。その写真は南極で撮影されたもので、おそらくその先生が旅行で行ったのでしょう。先生とその家族がペンギンの横でほほ笑んでいるのですが、その写真がとてもすてきだったんです。それを見て漠然と、良いなと思ったんですよね。医者になったらペンギンに会えるんだと、単純にそう思った記憶があります。ペンギンには医者にならなくても会いに行けたと後で気づいたんですけれどね(笑)。そのペンギンの写真が、医者という職業を強く意識した最初の瞬間だったと思います。医学部への進学が決まり、自分に何ができるかと考えたときには、「町医者になりたい」という思いがすでにありました。患者との距離が近い町医者になりたいと、その一心でしたね。

診療において大切にしていることは何ですか?

わかりやすく説明するということを大切にしています。同院では電子カルテを導入していますが、それによって患者の検査データを時系列で追うことが容易になりました。ですので、患者が飲んでいる薬や治療の結果を、一緒に経過をたどりながら説明することができます。また、薬の処方内容や添付文書も必要に応じて見せることもできますし、使用中の薬の写真を一覧で表示することもできるので、「この前のあの薬」と言われたときに、「この薬のこと?」と写真で見せて聞くこともできます。電子カルテから得られる情報を有効活用して、言葉だけでなく視覚的にも理解しやすい工夫を心がけています。また、クリニックにかかった時に、説明の中で専門用語などが使われていると、わかりづらいと感じることがあると思います。そのため、内容をかみ砕いて、わかりやすい優しい言葉で伝えることも意識しています。

患者の目線に立った診療を心がけていることが感じられます。

加藤悟司院長 竹中医院2

そうですね。同院では高齢者の患者も多いので、ゆっくりと説明し、患者がリラックスできるよう心がけています。患者に楽に話してもらえるようにしたいですね。今何に困っているのか、患者の胸の内を吐き出してもらうためにはどうしたらいいか、患者の訴えがあって初めて診療がスタートするわけですから、話してもらえる環境づくりは大切だと考えます。そのために、「他に何かないですか」という声かけはするようにしています。ただ、かえって話が弾みすぎてしまうことも多々ありますが(笑)。患者の訴えを聞くこと、そこからがスタートだと考えています。

さまざまな面から、地域医療に貢献を

訪問診療をしているとのことですが、いつから行っていますか?

加藤悟司院長 竹中医院3

当院を継承した頃から行っています。訪問診療では家で最期を迎えたいという思いをもつ末期がんの患者を診療することもありますが、患者の希望や思いを大切にしたいと考えたとき、その患者の家族は、家で何かあったらどうしよう、という不安を抱えていることも多いんですね。患者とその家族の不安や苦痛をできる限り取り除いて、穏やかに過ごせるよう支えていきたいと考えていますし、家で暮らしたいという患者の意思を支えていきたいと考えています。そういった思いで、役割を全うすべく、訪問診療にあたっています。

機能強化型在宅支援診療所について、詳しく教えてください。

在宅療養支援診療所には機能強化型とそうでないものがあります。機能強化型の中でも他の医療機関と連携して行う場合と、独立して行う場合があります。機能強化型とは、わかりやすくいうと、3人以上の医師が情報を交換することによって、患者が困らないようにする仕組みの強化を図った体制のこと。1人の医師が動けない場合、他の医師が動ける体制を整えるということです。まずは患者の話を電話で聞いて、心配なければそのまま様子を見てもらいますが、診る必要がある場合は、訪問して診察をします。在宅療養支援診療所については各自治体ごとにマップがありますので、確認してみてください。病院の中には相談窓口があるはずなので、そこで聞いてもいいと思います。

大垣市医師会の活動も力を入れていると聞きました。

加藤悟司院長 竹中医院4

毎年秋に健康祭りが行われますが、そこで小さなブースを設けて健康相談に応じています。また、市民公開講座をしたり、認知症カフェに毎月交代で行っていたりといった活動もしています。認知症カフェは患者の家族も参加できますので、気軽に参加してほしいです。他には、悩み相談であったり、市が開催している催しもので個別に相談を受けたり、あるいは講演をしたりといったこともしています。マラソン大会での救急の初期治療にあたることもありますし、市民病院夜間の急患センターは大垣市医師会が主導でやっていますので、そこで診療にあたることもあります。地域の皆さんの健康を支える活動を担うという役割意識をもって、取り組んでいます。

患者にとってかかりやすい医師であるために

今後の展望を教えてください。

加藤悟司院長 竹中医院5

当院では今まで予約制を取り入れていませんでした。患者は高齢者が多いため、ウェブなどでの予約が難しいこともあり、どうしたらいいかとずっと考えていたのです。混むと患者の負担も増えるだけでなく、私自身の気持ちも焦り、一人ひとりの患者にゆっくりと腰を据えて対応するということが難しくなってしまいます。いろいろと思案し模索する中で、ウェブでも電話でも予約できるものが見つかったので、導入を予定しています。診療時間は患者によって違うため、時間予約ではなく順番予約になります。予約がうまくできないときは、従来どおり来院して順番を待つことももちろん可能です。一人ひとりの患者が混雑を避けられるような仕組みづくりは、今後も考えていきたいと思っています。

かかりつけ医としての加藤先生の思いを聞かせてください。

病院とかかりつけ医との違いは、「この病院にかかっているか、この先生にかかっているのか」の違いだと思うんです。病院の患者は退院したら、医師との付き合いは大抵そこで終わってしまうと思いますが、かかりつけ医は長い付き合いになります。それこそ人生の最期の瞬間まで付き合うこともありますよね。自分の家で最期を迎えたいという思いがあれば、かかりつけ医をもつということは大切ではないでしょうか。かかりつけ医は患者が何の薬をもらってるか基本的には知っていますし、かかりやすい病気など、その患者の情報はカルテを見れば一目瞭然です。信頼できるかかりつけ医をもつということは、人生においても大切だと考えます。相性もあるので、何回か通って見極めるというのもいいと思いますし、予防接種の時にクリニックの様子を見ることもできます。そうして、自分に合うかかりつけ医を見つけてほしいと思います。

最後に読者にメッセージをお願いします。

加藤悟司院長 竹中医院6

治療を継続してもらうために、かかりやすい医院でありたいと考えています。当院でなくてもいいので、治療は中断せず、継続してほしいです。例えば糖尿病は治療を中断すると、体への影響が大きく出てくることがあります。食事など生活習慣の改善を図って、3ヵ月、あるいは半年後にもう一度検査して、自分が思ったような結果が出ているのかという評価をする場にクリニックを使うというのも一つの利用法だと思います。病気と向き合うお手伝いができたらと考えています。また、子どもの予防接種はしっかり済ませてください。できればインフルエンザの時期だけでなく、受けられるものはすべて受けていただくのが望ましいと思います。それは大人も同様です。予防できるものは予防をして、元気に過ごしてもらいたいなと強く願っています。

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