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石川 範和 院長の独自取材記事

善行団地石川医院

(藤沢市/善行駅)

最終更新日:2024/03/21

石川範和院長 善行団地石川医院 main

子育て世代から高齢者まで幅広い世代が暮らす善行団地の一角で、1977年に診療を始めた「善行団地石川医院」。勤務医時代は主に循環器を専門とし、心疾患の治療に携わってきた同院の2代目院長、石川範和先生は、地域のかかりつけ医として患者のさまざまな相談に乗り、子どもから高齢者まで丁寧に向き合っている。患者にプラスになると思うことは診療以外でも積極的に取り組むのが、石川院長の基本姿勢。「今年8月に待合室の増設など院内の改装をしました。先進の技術や治療法も積極的に導入しています。発熱の患者さんが急激に増えたのはここ数年の大きな変化。不測の事態への対応力も磨かれました」とほほ笑む石川院長に、今後の展望などじっくり話を聞いた。

(取材日2023年11月13日)

高度な専門性を生かし、幅広い疾患に柔軟に対応

まずはクリニックの特徴から教えてください。

石川範和院長 善行団地石川医院1

当院は父の代から続く地域密着型のクリニックです。患者さんは0歳から100歳までと幅広く、一般内科から小児科、循環器内科、禁煙治療、生活習慣病、特定健診など幅広く対応しています。多くは近隣の方ですが、中には遠方からわざわざ電車に乗って来てくださる勤務医時代の患者さんもいて、本当にありがたいですね。風邪やインフルエンザなど一般内科的な内容のほか、胸の痛みや動悸など循環器症状でいらっしゃる方も多いです。何か困った時に気軽に相談できる最初の医療窓口として適切な診断を心がけ、必要に応じて大きな病院や他のクリニックと連携しながら、患者さんが最善の医療を受けられるように努めています。

先生ご自身は循環器がご専門だそうですね。

医療の分野で、すべての治療は“心臓が動いている”ことが大前提となっています。もともと急性期医療、特に心臓の病気に携わりたかったこともあり、迷わず循環器を専門に選びました。大学病院では心筋梗塞や狭心症など、まさに命に関わる現場で多くの症例に携わってきました。病院へ運ばれてきた患者さんが一命を取り留め、無事に社会復帰できるよう、全力を尽くす日々でした。責任もありますがやりがいも大きかったですね。その後、総合病院で内科一般に携わり、風邪や腹痛で来られた患者さんの中に、胸痛や不整脈などの疾患が紛れていることが多いことを学びました。このような経験から、どのタイミングで病院に紹介するべきかの見極めや診断力が鍛えられたと思っています。

先進の治療や検査なども積極的に導入しているそうですね。

石川範和院長 善行団地石川医院2

循環器疾患は命に関わることもあり、病気に至る前の段階で介入できるよう動脈硬化などの早期発見に努めています。その一環として実施しているのが、クリニックレベルではまだあまり導入が進んでいない、FMD(血流依存性血管拡張反応検査)です。これは「血管の健康診断」ともいわれ、超音波検査機によって初期の動脈硬化の発見に有用な検査として近年注目を集めています。そのほか、心臓・頸動脈の超音波検査、心電図、24時間記録するホルター心電図、脈波検査なども必要に応じて行います。また、超音波検査機も設備を更新したばかりです。鮮明な画質で多様な臓器に対してより詳しい検査に役立てられるようになっただけでなく、専門の知識を持った臨床検査技師が検査を行いますので、これまでは検査施設に依頼していたような症例にも対応できるようになりました。

先進の治療法や機器を積極的に取り入れ地域医療に貢献

他にもさまざまな検査に対応しているのですね。

石川範和院長 善行団地石川医院3

例えば、別の主訴で来られた患者さんの胸から心雑音が聞こえてきたときは、弁膜症など心疾患の可能性もありますので超音波検査を行います。そして、重度の疾患が見つかった場合はすぐに病院に紹介するなど、循環器の専門性を生かした診療と近隣の病院とのスムーズな連携で、患者さんのお役に立てればと思っています。また、当院では呼気NO(一酸化窒素)検査にも対応しています。これは呼気に含まれる一酸化窒素の濃度を測定することで、喘息の有無を診断するための検査です。これまで喘息と言われたことがないという患者さんが実は喘息だったケースもあり得るので、長引く咳でお悩みの方はご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群について教えてください。

睡眠時無呼吸症候群という名前の認知度が高まってきたからか、家族にいびきを指摘されて相談に来られる患者さんは年々増えています。問診に基づき、まずは手の指や鼻の下にセンサーをつけてご自宅で簡易検査を受けていただきます。当院の場合は院内でデータを解析して、重症の場合はすぐに治療を開始し、軽症から中等症であれば近隣の専門病院へ紹介して脳波検査を依頼しています。重症と判断されたら、すぐに無呼吸を防ぐためのCPAPという装置をつけて治療を開始します。自覚症状がなく半信半疑で治療を開始する方も少なくありませんが、いざ開始してみると朝の目覚めや日中の眠気などで違いが感じられるようになるのではと思います。私も以前検査してみたところ、中度の睡眠時無呼吸症候群ということがわかって驚きました。仕事のパフォーマンスや集中力が下がったと感じている方は、年のせいだと諦める前にぜひ一度検査を受けてみてほしいです。

地域の医師会の活動にも取り組んでいらっしゃるとか。

石川範和院長 善行団地石川医院4

藤沢は私が生まれ育った地域なので、地元へ恩返ししたい思いが強く、今は藤沢市医師会の理事を務めています。ここ3年ほどは新型コロナウイルス感染症の流行で対応に心を砕く日々でした。今年8月には当初より発熱と慢性疾患の患者さんを分けていた待合室の増設など、院内の改装を実施しました。診療まで少しでもリラックスしてお待ちいただきたいという想いも、改装に至った理由の一つです。また、この地域は病診連携だけでなく診診連携も活発で、わざわざ病院まで行かなくても気軽に専門的な検査や治療を受けられる体制が整っています。例えば、当院の患者さんが下血した時は消化器内科の医師を、気管支喘息の管理が難しくなったら呼吸器内科の医師をご紹介することも可能です。地域のネットワークを活用しながら、常に患者さんが最短コースで適切な診療にたどりつけるようサポートしていきたいです。

丁寧な診療を積み重ね、心の通う医療で大きな安心を

診療で心がけていることは?

石川範和院長 善行団地石川医院5

患者さんは悩みや不安を抱えて来院されるので、その悩みを1つでも減らして帰れるよう、しっかりと患者さんの立場になって治療をすることです。ありがたいことに患者数が多く、お一人にたくさんの時間を割くことは難しいですが、だからこそかかりつけ医として、病歴や治療歴といった患者さん一人ひとりの状態を把握する努力を怠りません。今では患者さんの顔を見れば、だいたいのことがぱっと出てくるようになりました。慢性疾患の患者さんでも、何ヵ月分もの薬を渡して様子を見るのではなく、最低でも1ヵ月に1度は来ていただいて、顔色や全身の様子など小さな異変を見逃さないようサポートします。もう1つは、患者さんを真面目に診ること。これは先代院長である父からの教えで、データばかりに頼らず患者さんと向き合い問診、視診、聴診で判断する。医療に対して丁寧であり続けるという父の姿勢をなくさないよう心がけています。

今後の展望をお聞かせください。

専門の循環器分野のキャリアも地域に還元するとともに、今行っている講演会などで後進の育成にも貢献できたらと思っています。ここ数年、発熱しても診てもらえないと困って来られる遠方からの方も受け入れてきましたし、医師として根底にある「困っている方を助けたい」という想いはより一層強くなりました。その想いを全力で支えてくれるスタッフには感謝しかありません。日々の診療もスタッフがいなければ成り立ちませんから、この場を借りて感謝を伝えたいです。これからもスタッフと協力しながら、患者さんが気軽に頼れる町医者的なクリニックであり続けたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

石川範和院長 善行団地石川医院6

当院がめざすのは「コンビニのように気軽に立ち寄れるクリニック」です。胸の痛みや動悸といった循環器疾患だけでなく、健康のことで不安に思っていることがあれば何でもご相談ください。当院には、下校途中にけがをして1人で相談に来た小学生のお子さんや、急性心筋梗塞で駆け込んできた高齢の方など、毎日いろんな症状の患者さんが来られます。また、はるばる遠方から何本もの電車を乗り継いて来てくださる患者さんもいれば、自分で釣った魚や育てた野菜を届けに来てくれる患者さんもいます。アットホームな雰囲気の中、気さくなスタッフがお迎えしますので、気軽にお立ち寄りください。

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