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高田 丈 院長の独自取材記事

高田外科胃腸内科

(松戸市/松戸駅)

最終更新日:2021/10/12

高田丈院長 高田外科胃腸内科 main

JR常磐線・新京成電鉄の2つの路線を利用できる松戸駅周辺は、都内からも千葉県内からもアクセスのいい地域だ。駅前はにぎわっているが、徒歩5分ほどの距離から少しずつ静かなエリアに入る。その中にある「高田外科胃腸内科」は、現院長の高田丈(たけし)先生の父が1970年に開業したクリニックだ。院名の通り、中心となっているのは外科・胃腸科だが、AGAや睡眠時無呼吸症候群、禁煙についてなど、近年増えてきたさまざまな症状を相談することもできる。「総合診療科のように、困ったときにまず相談できるような医院でありたいですね」とにこやかに話してくださる院長先生へ、特に注力されている内視鏡検査や、在宅診療なども含めてさまざまな話を伺った。

(取材日2015年5月21日)

地域に根付いた、多彩な診療科を持つ医院

こちらの病院は、先生のお父様が始められたそうですね。

高田丈院長 高田外科胃腸内科1

私の家は祖父と父も医師でして、祖父が松戸駅近辺で開業していたんです。祖父は若くして亡くなったので、直接この医院とつながってはいません。現在の場所で開業したのは父で、その後を継いだという形ですね。ですので、ずっとこの近辺にお住まいの方は、祖父や父をご存じの方もいらっしゃいます。松戸周辺は都心へ通勤しやすいエリアなので、新しく移って来られる方と昔から住んでいらっしゃる方と、入り交じったような印象があります。

こちらに来る患者さんの症状や、年齢層などに傾向はありますか?

比較的多いのは、シニア層の女性ですね。腰痛や関節痛のお悩みでよくいらっしゃいます。他には、働き盛りの方が神経性の胃炎や過敏性腸症候群などで来院されることが多いですね。最近はストレスなど、メンタル的な理由で体調を崩して相談に来られる方も増えました。うつ病の一歩手前といった段階でいらっしゃる方もいらっしゃいます。私の専門は消化器外科なのですが、外科医長時代にお世話になった病院で、循環器科や脳神経外科、整形外科など他の科もいろいろ勉強させていただきましたので、他の科にかかるような部分も診療しています。

AGAやED、禁煙、睡眠時無呼吸症候群などにも対応されていらっしゃいますね。

はい。このような疾患の専門外来病院もありますが、まだまだ数が少なく、通いにくく感じていらっしゃる方もいるのではと思って始めました。一般の医院でも相談できれば心強いだろうと。特に睡眠時無呼吸症候群については、運送業の方が多く、会社から「一度診てもらうように」といわれていらっしゃることも多いようです。禁煙外来は、テレビなどで取り上げられた直後に「禁煙した方がいいかな?」と相談にいらっしゃる方が増えることもあります。治療を続けられるかどうかは、ご本人の意志の強さによる面もありますが……。

医師になられてからの印象深いエピソードをお聞かせください。

高田丈院長 高田外科胃腸内科2

研修医時代に小児外科で勉強させていただいていた頃に、肺機能が不完全なまま生まれてきたお子さんを担当した時のことですね。二酸化炭素の排出と酸素の取り込みをサポートしてあげなければいけないという状態だったのですが、ご両親が毎日毎日お見舞いに来られていて、そのうちレントゲン写真などを細かく説明しなくても、ご両親がレントゲン写真をみただけで、その日のお子さんの状態がわかるようになられました。そのお子さんは、しばらくして亡くなられたのですが、親の子どもに対する愛情の深さを思い知らされました。私も5年前に自分の母を自宅で看取ったのですが、医療に携わっている者でも、肉親の死というのはこたえます。まして一般の方が……と考えると、覚悟のほどは量りしれません。この地域では「ご自宅で看取りたい」という方が多い印象なのですが、すごいことだと思います。そのようなご家族に全力でサポートさせていただければと思っています。

早めの対処と継続的な治療が大切

こちらでは、内視鏡検査にも力を入れていらっしゃるとお伺いしました。

高田丈院長 高田外科胃腸内科3

いわゆる胃カメラ、大腸カメラですね。内視鏡検査はとてもつらい検査だという先入観をお持ちの方が多く、検査することに抵抗のある方もいらっしゃるかと思いますが、当院では鎮静剤を使用して、寝ている間に検査をいたしますので、つらさを感じることはほとんどありません。おかげさまで、「これならまた受けてもいいかも」とおっしゃってくださる方が多いですね。大学病院の関連施設で行われていた、鎮静剤を用いたこの検査方法を導入したのですが、もちろん強制ではありませんので、ご希望があれば鎮静剤を使用せずに検査をすることもできます。最近は「検査中の様子を見てみたい」とおっしゃる方もいらっしゃいますので。

胃がんの原因となるピロリ菌の発見にも、内視鏡が役立つそうですね。

はい。胃カメラの検査で、ピロリ菌がいるかどうか、かなりよく分かるようになってきました。特に潰瘍ができている方にはほとんどいますね。10〜20代くらいの若い層にはあまり見つからないのですが、40代くらいから保菌状態の方が多くなってきますので、内視鏡検査をされるときに「ピロリ菌もお調べしましょうか?」と声をかけるようにしています。60歳以上のいわゆるシニア層の方では、特に頻繁に見つかりますね。このような傾向は、近年、上下水道の整備により衛生状況が良くなってきたことなどが関係しているようです。

ピロリ菌を除菌するためには、どのような治療を行うのでしょうか?

内服薬で除菌できます。ですからそう身構えずに、もし「頻繁に胃痛が起きる」とか「家族にピロリ菌を持っている人がいる」ということがあれば、一度検査した方がいいですね。できるだけ早く除菌しておけば、胃がんになる確率も減ります。このことについて今、松戸市役所に「もう少し積極的にピロリ菌の検査を受けるよう、市民に呼びかけたほうがいいんじゃないか」とかけ合っているところです。自治体によってはもう既に取り組んでいるところもありますので。

こちらは「強化型在宅支援診療所」として訪問診療や往診にも取り組んでいらっしゃるとのことですが、これは開院当初から行っていらしたのでしょうか?

高田丈院長 高田外科胃腸内科4

父の代から往診はしていました。私が当院で診療を始めた頃から、世の中で「在宅診療」という考え方が浸透し始めまして、いろいろな理由で通院が難しいという方へもっと対応していこうということになりました。高齢化社会が進むにつれて、在宅診療を希望される方も増えてきています。最近は訪問診療のエキスパートである「あおぞら診療所」を核に在宅診療を行っている各診療所と連携して、学会などの参加で直接伺えないときに、代わりに診療していただくような連携を構築しています。訪問診療では1年365日24時間の対応をするべきであると考えています。

ちょっとした不調でも、気軽に相談しに来てほしい

患者さんに接する際、最も心がけていらっしゃることはどのようなことでしょうか?

高田丈院長 高田外科胃腸内科5

多くの患者さんが調子が悪くて不安な気持ちでいらっしゃいますので、患者さんのお話が終わるまで、ゆっくりお話を伺うようにしています。途中で口を挟んでしまうと、かえって、不安を強くしてしまったり、本当におっしゃりたいことが言えなくなってしまいますから。「大きな病院で検査を受けたけれども、結局何だったのかわからない」という相談を受けることもあります。ですから、当院で検査をしたときは、検査結果をきちんとご説明することも大切にしていますね。検査データの表や内視鏡検査の写真をお渡しして、分かりやすく丁寧にご説明するように心がけています。

大変お忙しいと思いますが、趣味やリフレッシュの時間はおありですか?

観葉植物が好きなので、その世話をよくしています。日頃の水やりや、時間があるときには植え換えや株分けをしたり。香りが強いので院内には持ち込めないのですけれども、今はシルクジャスミンという種類が好きですね。白い小さな花が咲いて、その後赤い実が実りますので、季節ごとの変化に富んでいて楽しい植物です。診察中はずっと喋りっぱなしですから、静かに取り組める趣味が良い気分転換になっているのかもしれません。

今後の展望についてお聞かせください。

在宅医療には引き続き力を入れていきたいですね。大きな病院ですと「人」というよりも「病気」をピンポイントで診療するという印象がありますが、在宅医療でご自宅にお伺いすると、普段どのように過ごしていらっしゃるか、ご家族との関係はどうなのかなど、大きな病院での診療でわからないこともいろいろわかってきます。また、先ほどもお話ししたとおり、松戸周辺の方は「ご家族をご自宅で看取りたい」とお考えになっていらっしゃる方が多い印象がありますので、患者さんご本人だけでなく、ご家族の方とも信頼関係を築けるよう、今後も誠実に診療していきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセ―ジをお願いいたします。

高田丈院長 高田外科胃腸内科6

「ちょっと調子が悪いんだけど、どの科に行ったらいいのかわからない」というようなとき、気軽に相談しにいらしていただきたいと思います。総合診療科のようなイメ―ジですね。たまに「職場の健康診断で引っかかったんだけど、何か重い病気だったらどうしよう」とご心配される方がいらっしゃいますが、再検査してみたら大丈夫だったということもあります。重い病気が見つかった場合は、信頼のある専門性に特化した、私が講師を務めている大学病院や提携病院などにご紹介いたしますので、安心していらしてください。

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