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磯辺 雄二 院長の独自取材記事

宇井内科クリニック

(千葉市稲毛区/稲毛駅)

最終更新日:2021/11/15

磯辺雄二院長 宇井内科クリニック main

稲毛駅から歩いて3分の場所にある「宇井内科クリニック」。2代目院長の磯辺雄二先生は、コミュニケーションを大切にし、一人ひとりの患者にしっかりと向き合っている。特に消化器内科と各種検診に力を入れている同院。子宮がん・乳がん・歯科を除いた検診に幅広く対応している。研究からキャリアをスタートさせ、その後診療の道に進んだ磯辺院長。体の仕組みや病気や老い、生と死と向き合うことで「自分の一生を医師の仕事に捧げよう」と心に決めたという。「普段から自分の体を大切にしていると、不調などの変化にも気づきやすいんです」と語る磯辺院長に、クリニックの歴史や、働き世代にも多いという大腸がんについて話を聞いた。

(取材日2021年5月28日)

医師の技術の中で一番大切なのはコミュニケーション

クリニックの歴史をお聞かせください。

磯辺雄二院長 宇井内科クリニック1

当院はもともと家内の父、つまり私の義父の医院でした。義父は1965年の開業以来、地域のプライマリケアを担うドクターとして活躍していたんです。義父が高齢になり、私が長年の研究を経て臨床医としてやっていく自信を得たタイミングで、1995年に義父から院長を引き継ぐと決めました。当院の名称は義父の時代のまま「宇井内科クリニック」とし、診療科目に私の専門である「消化器内科」を加えました。もちろん、消化器系統に限らず体の不調があれば、なんでも相談に来ていただきたいと思っています。

先生は研究にも従事されていたそうですね。

そうですね。旭川医科大学卒業後は千葉大学の大学院に進んで筋肉の仕組みについての研究をしました。ニューヨーク州立大学への留学も経験しています。実際の診療にあたったのは留学後のことです。病院で担当した患者さんの中には、老齢や末期の疾患で亡くなる方もいらっしゃいました。生物が生きていく仕組みの研究から始まって、病気や老い、そして誰もが避けることのできない死と向き合うことができたと感じています。これらのすべての経験を通じて「自分ができる最善のことに全力で努めよう」と心に誓ったのです。こうして、医師という仕事に一生を捧げようと思うようになりました。

診療の際に心がけていることを教えてください。

磯辺雄二院長 宇井内科クリニック2

医師の技術の中で一番大切なのは、患者さんへの説明だと思っています。ですから、どんなことをどのように説明すれば納得し、また安心していただけるかを日々考えています。もちろん、患者さんが抱える症状によっては、望んでいることばかりを伝えられないときもあります。そのような場合は「今は難しい状況ですが、この部分に関しては全力で取り組みます」「ここを乗り切れば、次はこうした治療を受けられます」などとお伝えしています。結果として感謝され、患者さんからの「ありがとうございます」という言葉を聞くと、医師冥利に尽きますね。いずれにしても薬の力や技術力より、丁寧に説明すること、コミュニケーションが大切です。医師とのやりとりから「病気を乗り越えよう」という力が患者さんの心の中に湧き上がったり、気持ちが変わって快方に向かうこともあるのです。

働き世代にも多い、命に関わる「大腸がん」

検診に力を入れていると伺いました。

磯辺雄二院長 宇井内科クリニック3

私は医師会で長年検診の事業を担当し、検診技術や内容の向上に力を注いできました。当院でももちろん各種検診に力を入れ、子宮がん・乳がん・歯科を除くさまざまな検診に対応しています。毎年必ず受けに来られている患者さんもいらっしゃいますよ。がんという病気は、いかに早期発見・早期治療ができるかでその後の経過が大きく変わってきます。日頃の診療でも検診の大切さを感じます。

働き世代にも大腸がんが増えているそうですね。

そのとおりです。実は国内において、がんによる年間死亡者数で見ると「大腸がん」は第2位なんですよ。さらに女性に限れば第1位です。男性では肺がんが多いのですが、喫煙率の低下から肺がんの患者数は年々減っています。しかし大腸がんの患者数が減ることはありません。原因の一つは食生活の欧米化だと考えられます。発症年齢はさまざまで、働き世代の30~50代の患者さんも少なくありません。大腸がんに初期症状はほぼなく、症状が現れる頃には症状はかなり進行しています。病気を発見する手段としてはやはり検診で、検便をきっかけに発見されるケースが多いですね。職場や自治体の検診をぜひ利用してください。小さなポリープならば院内で対応できますし、がんが見つかった場合は適切な医療機関をご紹介します。

内視鏡検査にも力を入れているそうですね。

磯辺雄二院長 宇井内科クリニック4

消化器疾患の診断において内視鏡検査は大きな役割を果たしています。当院では、経鼻内視鏡の設備もありますが、口から入れるタイプの経口内視鏡を主に使っています。経鼻内視鏡は鼻から入れるので「オエッ」という嘔吐反射が起こりにくいなどメリットもある一方、細いスコープのために視野が狭く、観察に多少時間がかかるといったマイナス点があります。検査を受ける時間はなるべく短いほうがいいという理由から、当院では経口内視鏡をメインにしています。経鼻内視鏡のほうがスコープは細めですが、経口内視鏡も十分な細さなのでご安心ください。現代では機器の性能自体が上がっており、よりスピーディーな検査が可能となり、病気の見落としも少なくなっています。私自身も1年に1回は必ず内視鏡検査を受けて、自分の健康管理に役立てているんですよ。

自分の体に関心を持ち、大切にしてほしい

待合室の水槽にとても癒やされます。

磯辺雄二院長 宇井内科クリニック5

ありがとうございます。もともと家で飼っていた魚をこの水槽に移したんです。高齢の患者さんがじっと魚たちに見入っていたり、子どもさんたちが喜んでいると、私もとてもうれしいです。私の趣味は魚釣りなんですよ。休みには東京湾などに繰り出し、釣ったタイなどをさばいて家族や友人たちに振る舞うこともあります。診察室にも小さな水槽がありますので、ご来院の際はぜひご覧くださいね。またエックス線撮影室では、天井を眺めるとプラネタリウムのように星空が描かれているんです。エックス線検査では、短時間とはいえ密閉された狭い部屋に入ります。その息苦しさを軽減しようと思い、設計士さんと相談して取り入れました。インテリア・設備・対応も含め、患者さんに喜ばれるクリニックづくりをこれからも心がけていきたいと思っています。

他院との連携も強化されているのですね。

当院にはさまざまな症状の方が来院されます。中には内科の病気に見えても、耳鼻科や婦人科などを受診したほうが良いケースもしばしば。また体はつながっていますから、不調の原因が1つではないこともあるんです。当院は近隣のクリニックとのネットワークを整えており「この症状であればこの病院のこの先生の所に行ってください」といったご紹介も可能です。例えば、身体症状を訴えて来院された方の中には「うつ傾向」にある方も少なからずいらっしゃいます。そんなときは、睡眠の状態や最近の出来事などを伺いながら、症状を把握していくんです。近隣にも心療内科を開業している先生がいらっしゃるので、必要な方には紹介することもあります。逆に他院からのご紹介で、各種検診や消化器内科の受診にいらっしゃる患者さんも多いですね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

磯辺雄二院長 宇井内科クリニック6

ご自身の体に関心を持ち、定期的なチェック・メンテナンスを心がけてください。普段から自分の体を大切にしていると、不調などの変化にも気づきやすいと思います。その方法の一つが検診です。当院でも胃・大腸・肺・前立腺などの「がん検診」を行っており、早期がんが見つかった場合は迅速に専門の病院に紹介しています。内科はあらゆる病気発見の入り口としての役割を持っている科でもあるので、どんなことでも相談しに来てください。会話の中から不調の原因を見つけ、必要に応じて専門の医療機関をご紹介しますし、外来迅速検査システムも備え、採血後10分程度で白血球やリンパ球の数、炎症反応も確認できます。これからも患者さんたちからの「ありがとう」を原動力に、ますます研鑽を積んでいきたいと思います。

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