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蓮見 謙司 院長の独自取材記事

蓮見ペインクリニック医院

(さいたま市北区/土呂駅)

最終更新日:2021/11/05

蓮見謙司院長 蓮見ペインクリニック医院 main

ペインクリニックを専門に診療を行う「蓮見ペインクリニック医院」は、頭痛や腰痛、肩凝りなどの幅広い痛みに向き合う。神経ブロック療法を中心にさまざまな方法や薬を、患者それぞれの話をじっくりと聞きながら組み合わせて、つらい痛みの改善をめざす。院内には蓮見謙司(はすみ・けんじ)院長の家族が制作した作品や旅先で入手した絵画、蓮見院長自身がライフワークとするマラソン大会で勝ち取ったメダルなどが飾られている。日本麻酔科学会麻酔科専門医・日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医であり、専門性の高い治療を提供する蓮見院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2019年10月3日/更新日2021年9月27日)

つらい痛みを改善に導くための、神経ブロック療法

こちらでは、どんな疾患を扱っているのですか?

蓮見謙司院長 蓮見ペインクリニック医院1

例えば腰痛や頭痛、肩凝り、腱鞘炎、腕や足の痛みなど、全身のさまざまな痛みが対象です。初診では具体的な痛みの内容を伺います。どんな痛みなのか、いつから痛いのか、どんなきっかけで痛み出したのかなどを細かく問診し痛みの原因を診断していきます。そして神経ブロック療法という方法で、その原因となる神経に麻酔をしていくことで痛みにアプローチします。麻酔というと多くの方は手術の際などに「眠らせるためのもの」というイメージがあるかと思いますが、麻酔科の担う役割は大きく3つあり、一つが手術で麻酔をかけること、もう一つが救急蘇生処置、そして手術に用いるものと同じ麻酔薬で行う神経ブロック療法があります。神経ブロックはもちろん眠ることなどはありません。痛みの原因に合わせた箇所に麻酔注射を打つことで、痛みの緩和をめざします。また顔面神経まひや突発性難聴など痛みのない疾患の治療にも役立ちます。

注射が苦手な方もいらっしゃると思いますが。

多くの患者さんは、主に注射を打つことをご存じで来院されますが、中にはよくご存じない方や、どうしても注射が苦手だという患者さんもいらっしゃいます。そんな場合には、何が何でも神経ブロック療法をお勧めするようなことはしていません。当院では、星状神経節近傍照射療法という、近赤外線照射を利用したケアも行っており、これは、頭痛や肩凝り、腱鞘炎などの痛み、さらには抜歯後痛や舌痛症などのお口の症状など、幅広く全身的な疾患に対応できます。また、認知行動療法を取り入れ、痛みとうまく付き合う方法を考えていくこともあります。

どんな患者が来院していますか?

蓮見謙司院長 蓮見ペインクリニック医院2

やはり体各所の痛みを訴える高齢の方が多いですが、部活などのスポーツで何らかの痛みを感じた高校生などの若い方もよくいらっしゃいます。柔道、空手、ウェイトリフティングなどその種目はさまざまですが、結構遠方からも来てくれています。一人来院されるとクチコミで広がるのか、同じ学校の部活動の方がたくさん来てくれたりします。私もマラソンをやっているので、スポーツをする子どもの気持ちはよくわかるんです。もうすぐ引退ならこの大会は出たいよな、とか。学生でもドーピングの問題などがあります。学生本人は認識が甘いことがありますので、こちらで気をつけてあげないと、と気を使いますね。時々はメンタルの相談を受けることもあるんですよ。

治療を受けて喜ぶ患者の姿を見て、麻酔科医師の道へ

ペインクリニックを始められたきっかけは?

蓮見謙司院長 蓮見ペインクリニック医院3

順天堂大学在学中、当時の麻酔科の教授が早くからペインクリニックを始めた方でした。麻酔科の臨床実習を受けた際に、ぎっくり腰で歩くことも困難になった患者さんに教授が神経ブロック注射を打つところに立ち会いました。施術後の患者さんが本当にうれしそうで、私もその姿を見てペインクリニックに興味を持ちました。この近隣で開業し27年。現在の場所に移転してきたのが8年前。幼い頃から育った地域の皆さんに貢献したいという思いが強いです。神経ブロック療法は注射後1、2時間はベッドで休んでいただくことが多いので、移転時に処置室を広くしました。また遠方からの患者さんも多いので、車で通いやすいよう駐車場8台分も用意。近隣の小学校の学校医も担当していますが、今後も地域の皆さんのお役に立つ存在でありたいですね。

開業して良かったと感じる瞬間はどんな時ですか?

患者さん一人ひとりと向き合い、親身になって診療する。それは、勤務医時代と変わりありません。しかし手術や研究なども行う勤務医時代に比べて、外来だけを行う開業医になったことで、より多くの患者さんの痛みを解消するためのお手伝いができるようになりました。中には痛みが強く、救急車でいらっしゃるような患者さんもいらっしゃいます。そのような方に処置を施し、喜んでいただく。それが何よりのやりがいですね。また、クリニックを支えてくれているスタッフの存在にも日々感謝しています。長く勤務しているスタッフが多く、連携を取りながらスムーズに診療を行うことができています。そのスタッフとの関係性が、患者さんとより良い信頼関係を築けている大きな理由になっていると考えています。

先生は麻酔科専門医とペインクリニック専門医の資格をお持ちですね。

蓮見謙司院長 蓮見ペインクリニック医院4

はい。麻酔科の仕事の中に手術麻酔、集中治療と並んでペインクリニックという仕事があります。麻酔科専門医とペインクリニック専門医の資格を併せ持つ医師はあまり多くはないのではないでしょうか。痛みというのは体が発している危険信号。しっかり原因にアプローチしていくことが大切です。麻酔科の医師はさまざまな疾患の手術に携わる経験から、幅広い科目の病気の知識を持ち併せています。だからこそ痛みの原因を見極め、適切な治療ができる科目へ患者さんを導くことが図れるのだと思います。私は麻酔科で信頼のおける医師をご紹介することもできます。痛み以外でもどこの医師にかかったら良いかお悩みの方はご相談いただければ幸いです。

心因性の痛みの症状にも対応していきたい

クリニック内にはたくさんのメダルがありますね。

蓮見謙司院長 蓮見ペインクリニック医院5

昔から勉強に息詰まるとマラソンで気分をリフレッシュしていたので、開業する頃からフルマラソンの大会に出場にするようになり、多い時には月に一度は大会に参加していました。クリニック内のメダルはその大会でいただいたもの。医師仲間が集う同好会にも所属しています。以前、マラソン大会の途中で心肺停止により倒れてしまった参加者の方に心肺蘇生法を施した経験があります。心肺蘇生法は麻酔科医師の領域であり、秒単位で処置を施さなければ後遺症が残ってしまうことも。お役に立てたのがうれしかったですね。

診療の際に心がけていることはありますか?

循環器系疾患の持病がある高齢の患者さんなどには、血液をさらさらにするための薬を服用されている方もいらっしゃいます。その場合は、受けられる神経ブロック療法に限りがあるため全身的な疾患も考慮しています。また症状だけでなく、患者さんの性格なども考えながら診療を進めていくことも大切です。こちらの意見を一方的に押しつけるのではなく、その患者さんにどのような治療が適しているのか? どういった治療の進め方を望まれているのか? と考えていくのです。そのためにも患者さんには笑顔で接し、世間話なども交えつつコミュニケーションを図っています。お互いに笑顔でいることができれば、おのずと信頼関係も築けると考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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例えば画像診断上ヘルニアをお持ちでも、実際に出る痛みの症状と病気が一致しない場合があります。ヘルニアがあるのに痛みがない。そんな疾患と症状が一致しない患者さんは、全体の半数以上いらっしゃるように感じます。それは体ではなく脳や心が感じているつらさや苦しさが痛みとなって体に現れることがあるからとも考えられます。だからこそ痛みの原因を全身的に診ることが大切です。当院では病気と一致する痛みはもちろん、心の問題から起きる痛み、生活習慣が要因の痛みなど、あらゆる痛みのお悩みにも応えられる診療を行いたいと思っています。さらに知識や技術は常に上をめざすことで、患者さんにより良い医療をご提供していきたいと思っています。

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