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田口 理史 院長の独自取材記事

田口皮膚科医院

(新座市/志木駅)

最終更新日:2021/10/12

田口理史院長 田口皮膚科医院 main

東武東上線志木駅南口から徒歩5分。オールバリアフリーの広い場所に「田口皮膚科医院」が移転、リニュアルオープンした。以前の場所では約40年にわたり、地域に根差した診療を続けてきた同院。田口理史(たぐち・まさひと)院長の母の代から、幅広く皮膚科疾患を診るかかりつけ医として数多くの患者を支えてきた。2015年に同院を引き継いだ田口院長は皮膚がんを専門とし、国立がん研究センターでの研究や、埼玉医科大学では准教授、深谷赤十字病院では皮膚科部長を務めてきた。その豊富な経験を生かし、同院では地域医療に貢献していこうと尽力している。一方で、休日にはマラソンをしたり、家庭菜園や子どもとの時間を楽しんだりするという気さくな一面もある田口院長に、さまざまに話を聞いた。

(取材日2020年9月10日)

より受診しやすい医院に。移転して再スタート

2020年に移転されたばかりと伺いました。医院の特徴を教えてください。

田口理史院長 田口皮膚科医院1

2020年5月にこちらに移転しましたが、その前は前理事長である母が40年近く前から志木市で診療を続けていました。地域に根差して築いてきた患者さんとの関係性を引き継ぎたいと思って、2015年に私が継承して理事長兼院長に就任。同じく医師である父に、医学部入学のとき「お前が医師になったら地域医療に貢献してくれ」と言われたことがずっと心に残っていて、地域の人に満足してもらえる医療を提供したいという思いが強いです。移転を考えたのも、以前の場所が地下で階段を使って下りないといけない場所だったので、ご高齢の方やベビーカー、車いすの方に便利にしたいというのが一番の理由でした。特に雨の日は階段が滑って危ないから、バリアフリーの医院にしたいとずっと思っていたところ、ちょうど1階の明るく広い場所に移転できて環境が整いました。

移転によってどんな変化がありましたか?

同じ最寄駅ですが少し離れて志木市から新座市に変わったので、新しい患者さんが増えました。もちろん以前の患者さんも来てくださっていますが、意外と西東京とか遠くの方も来てくださるようになりました。曜日によって異なる部分もありますが、基本的に午前中と夕方は私が、13時から16時は母が、他に非常勤の女性医師が担当することもあり、以前と変わらず診療時間を長くとっているので、受診してもらいやすいのではないでしょうか。順番予約システムも以前から取り入れていましたが、移転を見越して電子カルテも導入しました。そのため、診察が終わってから会計までの時間も短くなったことは患者さんにとってのメリットだと思います。

先生が皮膚科を専攻された理由をお聞かせください。

田口理史院長 田口皮膚科医院2

埼玉医科大学在学中の実習で皮膚科を訪れたときに出会った先輩の影響が大きいです。埼玉医科大学病院は皮膚がんに強いのですが、その先輩は国立がん研究センターで勤務して、ちょうど戻ってきたところでした。そこでの研修について話を聞き、自分も先輩のように同大学病院の皮膚科に入って経験を積み、国立がん研究センターで働きながらさらに学びたいと思いました。皮膚というのは肉眼で見ることのできる臓器です。患者も医師も、状態が良くなっても悪くなっても一目瞭然。わかりやすさに魅力を感じ皮膚科を専攻しました。

経験を生かして、幅広い症状に適切に対応していく

患者さんの主訴と、その治療内容を教えてください。

田口理史院長 田口皮膚科医院3

ちょっとした湿疹やかゆみ、アトピー性皮膚炎、ウイルス性のイボ、ニキビなどが多いですね。ただ、私の専門が皮膚がんということと、ダーモスコープという皮膚がんやほくろを見分ける専用の拡大鏡を入れていることで、その診察を希望して遠方から来られる患者さんもいらっしゃいます。ダーモスコープは3台あって、ほくろや老人性のイボ、血管腫などの保険適用となる治療の際に用いています。例えば、明らかな皮膚がんは肉眼でわかるけれど、血管の形が違っていたり色素に異常があったりする場合に、ダーモスコープを活用するんです。また、湿疹や毛穴の炎症、イボの種類など、昔は虫眼鏡で見ていたのをダーモスコープで見ることもあります。

アトピー性皮膚炎の新しい治療法に注目されているそうですね。

新しい注射薬と外用薬に注目しています。注射のほうは、既存の治療で治りにくい人や温泉にも行けないという状態の重症型の方に用いるのがいいようです。完全に服用薬も塗り薬もいらなくなるわけではなく、この注射を併用するような使い方ですね。外用薬の軟膏は、炎症を起こしているシグナルを抑えるためのものです。今までのステロイド剤や免疫抑制剤は反応全体を抑える目的のものでしたけれど、新しいものは患部に塗ってピンポイントで抑えていくものとなり、副作用が少ないのがメリットです。免疫に作用する薬は、がん治療にも積極的に使われており最近の医療の中心になっています。

ご専門の皮膚がんの治療はどのようになさっているのですか?

田口理史院長 田口皮膚科医院4

小さなものはここで切除手術をすることもありますが、全身麻酔が必要な手術やメラノーマ、大きな皮膚がんは大きな病院を紹介します。出身の埼玉医科大学病院や埼玉病院、国立がん研究センター中央病院など、患者さんの利便性や専門分野などを考慮しています。転移の心配や化学療法の必要性を考えると、専門的に治療を行える病院で受けていただくことをお勧めします。ただ、ご高齢の方など、状況によってはこちらでの施術を選択することもあります。どちらにせよ、患者さんの状態に合わせた方法を提示し、よくお話を伺った上で納得して受けていただけるように対応しています。

ほくろを心配して受診される方もいらっしゃるのでは?

ほくろは良性か悪性かをきちんと診断し、除去の必要性を見極めないといけません。除去する際、今まではほくろを切り取って縫っていたのですが、高周波メスで削り取る方法が治療痕が目立ちにくくなります。平らなほくろも麻酔薬で膨らませてから削り取るようにしています。この方法により痕があまり気にならなくなるメリットもありますし、患者さんの体への負担も少なく、時間的にも早くできるようになりました。

ネットワークをつくり地域医療に貢献する

美容皮膚科の診療も行っておられるそうですね。

田口理史院長 田口皮膚科医院5

保険適応外になりますが、しみやあざに対するレーザーを用いた治療を行っています。あざは4~5回の照射が必要になることが多いですが、しみは1回の照射で済むことが多く、患者さんにとってインパクトが強いようです。医療機関で「きれいになりたい」とは言いにくいかもしれませんが、湿疹などの受診のついでに相談してくだされば、費用面を含めてご説明します。どこまで何回行うかは患者さんの判断ですので安心してご相談ください。また、尋常性乾癬や尋常性白斑、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症などには、保険適応でエキシマライトを用いた紫外線治療も行っています。

地域の中で先生が積極的に取り組んでおられるのはどんなことですか?

この近辺の開業医の先生や大きな病院の先生にも声をかけ勉強会を開いています。皮膚科の先生だけでなく、皮膚疾患に関心を持っておられる内科の先生や製薬会社の方や薬剤師さんも来てくださっていて、新しい治療法についての情報などさまざまな意見交換をしています。講師の方を呼んで話を聞くこともありますし、最新の治療法を知る機会にもなっています。また、普段診ている患者さんを他の病院に紹介をするときに、そこで知り合った顔見知りの先生だとこちらも安心できますからね。交流を通じ、お互いの患者さんのために役立っていると思います。医師会の関係では、介護認定に関する仕事をしています。その知識を以て患者さんに介護サービスの導入などの説明ができるのが利点ですね。高齢の方は自分で「まだ大丈夫」と頑張ってしまうことが多いのですが、いつの間にか不便になっていることを介護で頼んでみては? とアドバイスすることもあります。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

田口理史院長 田口皮膚科医院6

移転と同じ時期から新型コロナウィルス感染症への対策が必要になり、現在は消毒に時間をかけたり、密を避けるためインターネットによる順番予約システムの利用を勧めたりしています。幸い院内が広くなったので感染リスクは少ないと思いますし、移転前から変わらない気心の知れたスタッフが患者さんに寄り添った対応をしてくれています。今後もスタッフ一丸となって患者さんが気持ちよく受診していただける環境を守っていきたいと思います。そして、同じ疾患であっても一人ひとり状態は異なるため、その方に合わせた治療を行っていきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

炭酸ガスレーザー(しみ、あざ、ほくろに対して)/1shot 2000円(税抜)
※詳細はクリニックにお問い合わせください。

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