社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院

服部 智任病院長

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求められている医療を提供する

―日頃からスタッフに伝えている心がけはありますか?

自分がやりたいことではなく、「求められていること」を行うように伝えています。行政や国の方針、他の病院の役割を理解した上で、当院の役割や当院でしかできないことを考える必要があるのです。例えば、救急医療や手術は当院の役割ですね。さらに、入職者には当院の理念である「仁愛精神のもとに、皆さまと共に考える医療をめざします」を理解してもらいます。これは、「一人の患者さんを中心に、患者さんが望んでいる医療を、患者さんや、そのご家族も含めて一緒に考えた上で提供することが大事」という意味。望みは、世代別に見ても違うんですよ。団塊世代の方はインテリジェンスが高く、主張はするけれど話も理解してくださる方が多い。それより上の世代の方は「先生にお任せします」とおっしゃる分、こちらが推測しなくてはいけないことも多い。世代でも違いが生じるのだから、個人はもっと違う。それをしっかり把握することが大事なのです。

―院長が医師をめざした理由を教えてください。

それほどの理由はないのですが(笑)、親戚に歯科医師がいたことかな。治療が痛かったということと、常に「やりがいがある仕事だよ」と言っていたことを覚えています。小学6年生の時の文集には医師になると書きましたね。滋賀医科大学卒業後、日本医科大学の医局に入り、選んだ専門は泌尿器科。内科よりも、手術がある外科が適性だと思ったし、こういう立場で言うのも変ですが、指示に従うだけでなく早い段階で自立した診療をしたいと思ったので、人数が少ないところがいいなと思ったんです(笑)。そしたら泌尿器科になりました。医師になってからは、相手をどれだけリスペクトできるかを大事にしています。知識を知っているのはプロとして大前提。その上で、患者さんをきちんと知って向き合うことが求められるんじゃないかな。その結果、人生のすべてを背負えるわけではないですが、関わったからにはお互いハッピーになれたらと思っています。

―印象に残っているエピソードはありますか?

以前、精巣がんを患った30歳前の男性を担当したことがありました。転移していたものの抗がん剤で治り、患者さんが結婚することになりました。私も結婚式に招待していただいたんですよ。ところが、結婚式直前の定期検査で再発が判明。相手の親に病気のことを伝えていなかったようで、ちゃんと伝えるようにとのアドバイスもしました。すると、相手の親は結婚に反対。でも最終的には二人は結婚しました。私も「おめでとう」と伝えました。でも、結局、30代で亡くなってしまったんです。今でも、あの時に「おめでとう」と言ったことが良かったのかなと思うことがあります。結婚は二人の人生だけでなく、お互いのご両親にとっても大きく関わることですから、結婚したほうが良かったのか、しないほうがいい時間を過ごせたのか。でも「当初は反対したけれど、これで良かったと思います」と相手の親御さんに言ってもらえたのは、少し救いですかね。



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