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野坂 俊壽 病院長の独自取材記事

柏市立柏病院

(柏市/北柏駅)

最終更新日:2019/08/28

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豊かな緑に囲まれて建つ「柏市立柏病院」は、柏市北部の地域医療を支える中核病院としての役割と40万都市・柏市全体のニーズに応え専門性の高い治療を提供していく公立病院としての役割の2つを担う病院だ。前者においては、広範な疾患に対する急性期医療への対応や在宅診療を手がける地域の開業医の支援に注力。2016年の地域包括ケア病棟開設や地域医療支援センターを通じた支援など、在宅医療からの入院・治療・退院をスムーズに行う体制を整え、毎月の症例検討会を通じて地域の医師とも密な連携を築いている。一方後者では、糖尿病部門と不整脈部門を設立し、ニーズの高い両疾患についてより専門性の高い医療を提供。将来的には、小児救急・小児の入院治療への対応もめざし、準備を進めている最中だ。患者は地域住民が多く、待合室や受け付けを覗いてもどこかアットホームな雰囲気が漂っている。「若い人が成長し、病院の診療レベルが徐々に上がってきたなと感じられるのが院長としての一つのやりがいです」と話してくれた院長・野坂俊壽先生に、診療の特徴から今後の展望まで幅広く話を聞いた。
(取材日2017年5月19日)

地域と柏市全体、双方への貢献を使命とする

とても歴史のある病院だと伺いました。

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当院は、もともとは1939年に陸軍病院として創設されたものです。戦後、国立療養所、国立柏病院を経て、1993年に柏市立柏病院として新たに開院しました。公設民営病院で当初は柏市医師会が、4年目からは柏市医療公社が運営を行っています。開院当時は内科、外科、整形外科、理学診療科の4科のみでしたが、患者さんのニーズに応えて徐々に診療範囲も広がり、今は眼科や小児科を含めた16科に検診部門、2つの専門治療部門などが加わり病床数200という構成になりました。柏市は人口42万人と大きな都市ですし、市内には同規模の病院がいくつもあるので、患者さんは柏市北部にお住まいの方がほとんどですね。初代院長・山田隆司先生が掲げられた「『基礎』『進歩』『安全』『患者さんへの思いやり』を大切にする」ことを原則とし、その理念を胸に日々の診療に取り組んでいます。

病院の地域での位置づけ、役割についてどうお考えでしょうか?

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市立病院なので、当院の役割には2つの側面があると考えています。一つ目は柏市北部地域の急性期医療を確実に行うこと。この地域は高齢の方が多く、心臓や消化器などにさまざまな疾患を持っておられる方がたくさんいらっしゃるため、1人の患者さんのいろいろな症状に対応できる体制でなくてはいけません。当院は常勤医師が37人、医局も1つという小さな病院ですから、医師同士・診療科同士の連携はうまくできていると思います。二つ目は、市立病院として柏市全体の医療に貢献することで、具体的には特化した分野でよりレベルの高い治療を提供して市全体のニーズに応えていくこと、感染症や災害時の初動に対応できる病院であることです。そのために、2014年に開院以来力を入れてきた糖尿病治療を専門とする糖尿病部門を、2015年に不整脈部門を設立しました。どちらも患者さんのニーズが高いところですし、しっかりやっていきたいです。

在宅医療の支援にも力を入れているそうですね。

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そうですね。高齢者が増えて在宅医療を必要としている人は増加しています。もちろん診療は開業医の先生がされているのですが、熱が出た、食事が食べられない、骨折したなどで入院が必要になった時はすぐ受け入れられるよう、バックアップ体制作りに力を入れてきました。2016年10月に地域包括ケア病棟を作ったのもその一環です。51床のみですが、在宅医療の方の入退院がよりスムーズにできるようになったかなと思います。入退院は地域医療支援センターが窓口となり、そこから各診療科に情報を回して外来か入院で治療していくことになります。退院後のケアが必要な患者さんは、入院時からセンターのソーシャルワーカーがチェックして、治療の状況を見ながら退院時期や場所を考えていきます。自宅に帰ることができれば一番いいのですが、家庭の事情などで施設へ移る場合もあるので、そこはご本人・ご家族と相談しながら調整しています。

他の病院や地域のクリニックとの連携についても教えてください。

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病病連携に関しては、当院で治療できない重症の患者さんは東京慈恵会医科大学附属柏病院や国立がん研究センター東病院などにお願いしています。脳外科や小児外科など、当院にはない診療科の場合も同様で、近隣の別の病院に紹介しています。クリニックとの連携については、先にお話した通り在宅医療の患者さんの入退院・治療での連携のほか、当院は放射線科が「常勤医3人にCT、MRIも完備」と比較的充実していますので、周りの先生方にご利用いただいています。連絡していただければすぐ検査を行い、当日中に画像と読影所見をお返しして、各院の診療のお役に立ててもらっています。また開院の翌年から続けている、一月に一度近隣の先生方と一緒に行う症例検討会は既に200回を超えました。毎回、ご紹介いただいた患者さんか当院の患者さんの中から興味深い症例を取り上げて検討するもので、情報の共有と新しい医療技術の紹介に役立っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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現在病院の建て替えの是非が柏市の審議会で検討されているところで、結論はまだ出ていません。ただ、古くて狭い建物で患者さんに対して非常に申し訳ない状態ですし、スタッフも窮屈な思いをしているので、ぜひ建て替えを実現できればと思っています。そして、よりレベルの高い病院をめざしていきたいですね。柏市には小児の入院治療ができる病院が少ないので、まずは小児の入院治療・救急対応をできる限り早く整えたいと考えています。ニーズはあると思いますし、少子化対策の意味でも安心して子育てができる環境は必要ですから。柏市は大学病院、民間病院、公立病院とさまざまな病院があることで、患者さんは病院を選べ、医療機関はお互いに連携したり切磋琢磨したりして全体のレベルを上げていくことができる、医療環境的には恵まれた地域です。当院は市立病院としての自覚を持ち、その大きなネットワークの中で今後も役割を果たしていきたいと思います。

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