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膝・股関節の人工関節手術
回復に重要なリハビリテーション

高遼会病院

(大阪市平野区/平野駅)

最終更新日:2020/11/27

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  • 保険診療

悪くなった関節を人工関節に置き換えることで、膝や股関節の痛みを軽減し、歩行や日常動作の回復をめざす人工関節手術。超高齢社会となった今、変形性膝関節症で歩行に障害を抱える高齢者は増加傾向にあり、人工関節手術を希望する患者も増えているという。「高遼会病院」の理事長飯田高広先生は、膝・股関節の人工関節手術に20年以上携わってきた豊富な経験を持つドクターで、同院では経験を積んだ医師、看護師、コメディカルスタッフをそろえ、侵襲の少ない人工関節手術に取り組む。術後の効果を最大限に発揮させるべく、術前・術後のリハビリテーションにも注力している。歩ける喜びを多くの患者に与え続けたいと話す飯田先生に、人工関節手術の内容について詳しく聞いた。 (取材日2020年8月7日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q人工関節手術はどのような症状に対して行われるのでしょうか?
A

代表的な疾患は変形性膝関節症です。これは加齢とともに膝の軟骨がすり減り、関節が変形する病気で、変形が進行すると膝を動かす度に痛みが起こり、膝の曲げ伸ばしがつらくなります。階段の上り下りや歩行に困難が生じるなど、日常動作に支障を来すようになることが多く、高齢者が寝たきりになる原因の一つとされています。ヒアルロン酸の関節内注射や関節にかかる負担を軽くするための装具をつけるなどの保存療法も行われますが、関節全体に重度の変形が見られ、日常生活が大きく制限されているような場合には、人工関節に置き換える手術が検討されます。ほかにも、変形性股関節症や関節リウマチに対して人工関節手術が適応となります。

Q手術のメリット・デメリットには、どのようなものがありますか?
A

最大のメリットは、動きに伴う痛みの軽減が期待できる点です。関節の動きが改善されれば、歩行や生活動作もスムーズになり、人によっては自転車に乗れたり、旅行に行けるようになったりと、痛みを理由に諦めていたことができるようになり、高い満足感が得られると思います。デメリットとしては、術後の膝屈曲角が120~135度と限られてしまうこと。それ以上の膝深屈曲を要する正座をするのは難しくなり、和式の生活から椅子を使う洋式の生活へ見直す人もおられます。手術に伴う傷の痛みは1~2週間ほどです。手術時の出血による貧血のリスクに備えて、手術前に自己血輸血の準備を行います。

Q術前・術後のリハビリにおいて、すべきことを教えてください。
A

人工関節の機能を最大限に引き出すには、リハビリテーションが重要になるため、術後のリハビリが円滑に進むよう、手術前にも外来リハビリを受けていただき、正しい歩行姿勢の訓練や筋力トレーニングを理学療法士がマンツーマンで指導していきます。術後は翌日から、起き上がり動作やトイレ動作などの練習を開始し、痛みに問題がなければ術後2~3日目から歩行訓練や筋トレを行います。歩き方が崩れていると膝以外の箇所が痛くなることもあるため姿勢の改善を図りながら、屋外でも歩行訓練を行い、実際の生活に踏み込んだ動きも練習します。退院後もリハビリが継続できるよう、当院では365日切れ目のないリハビリを提供しています。

検診・治療START!ステップで紹介します

1問診票に記入後、看護師による聞き取り

医師の診察を受ける前に、問診票に沿って症状の確認、既往歴、生活背景などについて看護師が聞き取りを行う。痛みの程度や歩ける距離、階段の昇降の様子のほか、生活での困り事があれば伝えておく。初期情報をもとに診察やエックス線検査を行い、関節の動きや角度を確認する。

2術前検査と説明

医師による診察と手術について説明があり、その後、術前検査を経て治療開始。手術の目的や手術によってめざすゴール、人工関節を使い続けるために行う術前・術後の筋力トレーニングや体重管理について情報を共有し、事務スタッフから入院までのスケジュールや入院生活に関する説明がなされる。同院では意思決定支援も行っており、患者が納得して手術を選択できるよう努めている。

3術前リハビリテーションを開始し、前日に入院

術後のスムーズな回復のためにも、術前リハビリで筋力をつけておくことが重要。少しでも筋肉をやわらかくしておくことで、術後の動きもスムーズになるという。手術日まで外来リハビリに通い、理学療法士により筋トレや歩行訓練を行い、手術前日に入院。食事などの制限はなく、下剤で排便をコントロールして手術に備える。手術当日のみ、尿道カテーテルが使用される。

4人工関節手術を実施

手術の準備が整えば手術室へ。手術室はクリーンルームと呼ばれる感染対策が十分に施された空間で行われ、全身麻酔をかけた後、手術開始となる。できるだけ皮膚切開を小さくする最小侵襲手技(MIS)という方法で行われ、それにより痛みが少なく術後の回復が早いという。手術は1時間半~2時間程度で終了。血圧や体温、足の動きなど、看護師が適宜チェックする。手術当日と翌日は、鎮痛薬で痛みの緩和を図る。

5術後のリハビリテーションで早期回復をめざす

入院時より早期離床や積極的な運動を行うことでスムーズな回復が期待できることから、手術翌日からベッドを離れ、車いすや歩行器を使った訓練を開始。回復状況に応じてメニューを変えながらリハビリを行い、日常動作に必要な筋肉をつけて身体機能の回復をめざす。退院までの期間は平均すると3週間~1ヵ月で、1日2~3時間の動作訓練を集中的に行う。同院では退院後も外来でリハビリを継続的に受けることができる。

ドクターからのメッセージ

飯田 高広理事長

一昔前なら術後1ヵ月間はベッドの上で安静に過ごさなければなりませんでしたが、今は手術をした翌日には体を動かすことができ、術後の痛みも少なくなりました。使われる金属製の人工関節は、20年程度の耐久性があるとされていますが、技術進歩によりさらに長期的に使用できるものも出てくると思われます。何歳になっても自分の足で歩ける自立した生活を送るためにも、ぜひ多くの人に人工関節手術が有用性の高い治療であることを知ってもらいたいと思います。これから先も痛みを我慢しながら暮らすのか、10年、20年後の生活をイメージして、治療の選択肢の一つとして人工関節手術を検討してみてください。

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