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清水 晃 院長の独自取材記事

大洲記念病院

(大洲市/新谷駅)

最終更新日:2021/10/12

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大洲インターから車で約3分。2016年の新館増築と本館大幅改築で生まれ変わった「医療法人恕風会 大洲記念病院」は、整形外科の関節手術で豊富な経験を有する病院だ。今年4月には、人工関節手術専門に開発されたロボティックアーム手術システムを使用した先進的な手術も開始。充実した医療スタッフ、リハビリテーションスタッフが協力して質の高い温かい医療の提供に努めている。「医師として何よりうれしいのは、患者さんの笑顔が見られたとき」と話す清水晃院長に、同院の診療の特徴を聞いた。

(取材日2021年4月8日)

整形外科の手術とリハビリテーション体制の充実を

とてもきれいな病院ですね。病院の概要を教えてください。

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ありがとうございます。2016年に新館の増築と本館の大幅改装を行って入院も外来も快適な環境を整えました。当院の前身は父である理事長が1980年に開院した清水内科胃腸科医院ですが、現在の当院は整形外科が中心で、骨折などで入院した高齢の患者さんはすぐにご自宅に戻れないことが多いため、一般病棟だけでなく、少し長く入院してリハビリを行う地域包括ケア病棟も備えています。恕風会が運営する2つの介護老人保健施設、訪問看護ステーションや介護ヘルパーを派遣する事業所、サービスつき高齢者住宅などとも連携し、高齢者や障害のある方の生活を、病院から在宅まで支え続ける地域包括ケアの体制を築いています。

介護施設などを展開したのは先生が戻られてからですか。

超高齢化社会の到来を見越して介護に力を入れてきたのは理事長です。私は滋賀医科大学を卒業した後、愛媛大学の整形外科に入り、愛媛県立中央病院で勤務していましたが、12年前に当院に戻り、特に整形外科とリハビリテーションの充実に力を注ぎました。今では、リハビリテーションの専門スタッフを50人ほど配置しています。当院では、例えば骨折などで入院してきた患者さんの場合、できるだけ骨折する前の生活に戻してあげることを目標にします。家で家事や仕事をしていた人であれば、それができるようになるまでには手術もきちんとできなければなりませんし、リハビリも十分に行う必要があるのです。

整形外科では、非常に多くの手術を実施しているそうですね。

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整形外科の医師3人は、いずれも日本整形外科学会整形外科専門医で、肩関節、下肢関節、スポーツ整形、外傷などそれぞれの専門性を生かした診療を行っています。ここに研修医が加わることもあります。関節や骨折の手術がメインですが、整形外科手術の件数は年間1000例(2019年4月~2020年3月)を超えています。整形外科には、大洲市内にとどまらず、宇和島市、八幡浜市、西予市など南予全域、さらには県境を越えて高知県の梼原町などからも患者さんが来院されます。70歳代から90歳代のご高齢の患者さんが中心ですが、スポーツで外傷を負った若い患者さんも多いですね。スポーツ整形外科も得意分野の一つです。実は私も走ることが好きで、毎年、愛媛マラソンにも参加し、タイムは3時間を切ります。アスリートの気持ちもわかるので、できるだけ早く競技に復帰できるようサポートすることを心がけています。

人工関節のロボティックアーム手術を開始

新規導入した整形外科専用の手術支援ロボットについて教えてください。

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2021年3月にロボティックアーム手術支援システムを導入し、4月からこのロボットを使用して手術を開始しました。これは整形外科の人工関節手術専門に開発されたロボットで、膝関節と股関節の人工関節全置換術で保険適用されています。医師がコンピューター制御されたロボットの腕を操作することで、極めて精密に手術を行うことができます。例えば、股関節の人工関節置換手術の場合、少しでも設置する位置がずれたり、周囲の筋肉を傷つけてしまったりすると術後に脱臼してしまうことがありますが、このロボットを用いることで脱臼するリスクの低減も見込めます。また、手術時間が短縮できますので、麻酔をかける時間も短くなり、患者さんの体にかかる負担も減ります。いろいろな意味で、術後の満足度を高めることができると考えています。

2020年4月にリウマチセンターも開設されました。

これまで関節リウマチは整形外科で診療していましたが、昨年からリウマチ内科の日本リウマチ学会リウマチ専門医が常勤で勤務するようになりましたので、2020年4月にリウマチセンターを立ち上げ、内科と整形外科が協力して診療する体制をスタートしました。今では関節リウマチの治療は内科的な薬物療法が中心になっていますが、関節の痛みを正しく診断して病気を早期発見したり、関節の変形から病気の進行抑制ができているかを調べるのに整形外科的なアプローチも欠かせないのです。南予にはリウマチ専門医が少なく、松山まで通院する患者さんが多いのですが、「高齢になって通院がつらくなった」という声を聞いていましたから、地域の皆さんに貢献できると思います。

整形外科がメインではあるけれど、内科にも力を入れているのですか。

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高齢になると、いろいろな病気を同時に抱えることも珍しくないので、内科の診療体制充実にも取り組んできました。手足や関節の痛みで受診される方でも、内科的な病気がある可能性はあります。膝の手術で術前に検査したら糖尿病が見つかったなどというのは、よくある話です。MRIやCTを撮ってみたら、がんの転移だったというケースもあります。術後の全身管理にも内科医師が関わることが重要です。弟が日本糖尿病学会糖尿病専門医で、昨年、当院に帰ってきてくれました。また、副院長は日本循環器学会循環器専門医ですが、愛媛県立中央病院時代の同僚で、当院の考え方に共鳴して来てくれました。

元の生活に戻れるように、適切な手術を行う

医師としてのやりがいを、どんなところに感じますか。

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この地域はミカンの産地でもあり、農家の患者さんが多いのですが、高齢になって膝や肩、股関節に痛みが出ると農作業ができなくなるというケースがあります。治療によってそういう方のお役に立てたときは本当にうれしく思います。膝が痛くて大根が抜けなかった方が、お礼にと大根を持ってきてくれたこともあります。ご高齢の方に多いのは、膝や股が痛くて道路の横断中に赤信号になって怖い思いをしてから外出しなくなったという話。そうなるとますます足の筋力が落ち、全身状態も悪化してしまいます。膝関節や股関節の治療では、ただ歩けるようにするだけでなく、早く歩けるようにすることをめざしています。30分歩くだけでも、2キロぐらいになりますので、筋力の回復にもつながるんです。

動けばおなかもすくから、食事もたくさん取るようになるでしょうね。

そのとおりです。筋肉は第二の心臓といわれるぐらいで、全身の状態と深く関わっています。筋力と栄養状態が低下したフレイルと呼ばれる状態になるのを防ぐには、まず、痛みなく歩ける状態にすることが重要です。一般的に膝、肩、股関節の手術は2時間ぐらいかかることが多いようですが、当院では体制を整えることで、だいたい1時間程度で終わるようにしています。手術翌日には食事を開始し、2日後には歩行リハビリを始めることが多いですね。私が執刀した患者さんでは94歳の女性が最高齢です。

院長として、今後の方針や展望をお聞かせください。

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当院だけですべての医療を行えるわけではありませんから、地域のクリニックの先生方との連携を大事にしています。その点ではかなり信頼していただけるようになり、紹介の数も増えてきました。また、病院を活性化させるためには、一部の分野でもよいから、先進的な治療に取り組んでいくことが大事だと考えています。患者さんの満足につながるだけでなく、優秀な医師を確保するためにも必要だと思うからです。2年前に来ていただいた整形外科の医師も当院の手術やリハビリの設備を見て、入職を決めてくれました。スキルや知識を磨くために、医師、看護師、リハビリスタッフには院外で行われる勉強会などに積極的に参加するように呼びかけています。

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