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笠置 康 病院長の独自取材記事

松山笠置記念心臓血管病院

(松山市/松山市駅)

最終更新日:2020/04/01

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松山市内の中心部、松山市駅から徒歩2分のところにある「松山笠置記念心臓血管病院」。曾祖父が1889年に開業してから、祖父、父と続く同病院を4代目院長として1991年に引き継いだのは、笠置康(かさぎ・やすし)先生。平成の時代とともに地域医療を支えてきた。早期発見・早期治療・早期離床を掲げ、胸部心臓血管外科、救命救急に長年携わってきた笠置院長の代名詞とも言えるのが、この道40年以上にもなる漏斗胸の治療。代表的な術式であるNuss(ナス)法をさらに進化させ、手術が難しいとされる大人の漏斗胸治療を確立した。「完璧な治療のためには手術後のケアが大切」と話す笠置院長に、漏斗胸治療への思い、そして医師としてのやりがいについて話を聞いた。
(取材日2019年4月3日)

世代を超えて地域医療に貢献、4代続く歴史ある病院

病院の歴史と地域での役割について教えてください。

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当院は1889年、曽祖父である笠置達道が松山市木屋町に内科を開業したのが始まりです。当時、医師はまれな職業で、松山市内に6人ほどしかいなかったと聞いていますから、あらゆる症状の患者さんを診ていたようです。1951年、父の代で末広町に移転し、内科・小児科の「カサギ医院」、そして「カサギ胃腸病院」として展開していましたが、私が帰松後、1989年に「松山笠置記念心臓血管病院」と改称しました。外来は一般内科、心臓血管外科、胸部外科、心臓内科、呼吸器内科など症状に合わせて診療・検査を行っており、さらに私が院長に就任した1991年より救急病院としてさまざなま症状の患者さんを受け入れています。

地域の救急医療に対する想いを聞かせてください。

東京女子医科大学でも長年救急の現場に携わってきたので、救急医療は当院でもやりたいことの1つでした。当院では1991年より救急病院としての受け入れを開始。私も、日本救急医学会の救急科専門医として、救命に取り組んでいます。救急医療で求められるのは、瞬時の判断。そこを誤らないため、そして迅速に進めるために、当院では最初にする治療を簡潔に決めています。まずはバイタルチェックをしてから、血液検査、そしてCTや超音波、心電図などの検査機器を使った検査を行います。そうすると、だいたいの治療方針も見えてきます。当院ではCTやエックス線撮影、心電図などの検査機器をそろえて、早期発見・早期治療を心がけています。

診療において大切にしていることを教えてください。

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精密な検査機器を用いての検査はもちろんですが、まずは患者さんの顔色を見ることを大切にしています。そして、早期発見・早期治療とともに大切なのが、早期離床。高齢化が進む現代ですから、救急で運ばれてくる患者さんも高齢者の方が多いのですが、入院生活が続くと寝たきりになる可能性は高まります。ですから、私はなるべく早く離床し、元気になって自分の足で歩いて退院していただくことを大切にしています。そのため、歩行訓練のためのリハビリテーション室も整えています。当院に運ばれてくる救急患者さんの多くは、脱水が原因。冬場は関係ないと思われがちですが、実は乾燥により皮膚などから脱水しているので注意が必要です。

地域を越えて、患者の不安を取り除く漏斗胸治療

病院として力を入れている疾患治療は?

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私は40年以上にわたり漏斗胸手術に取り組んできました。漏斗胸は、前胸部が陥凹する病気のことをいいます。心臓や肺が圧迫されることにより呼吸器疾患、また胃や肝臓が圧迫されることで消化不良を起こす場合もあり、その治療には手術が必要です。その代表的な術式がNuss法と言われるもので、当院では保険適応1年後の2000年より採用しています。開始時にDr.Nussの論文を読んで、Nuss法原法の合併症の多さにビックリして、筋層下に漏斗胸矯正の体内固定用プレートを植え込む治療法を考案し、現在はほぼこの術式で手術を行っています。また、下肢静脈瘤のレーザー治療も積極的に行っています。

愛媛県外からも先生を訪ねて漏斗胸の患者さんが診察に来るそうですね。

北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から漏斗胸の治療に訪れる患者さんがいらっしゃいますが、大人の方や、再発してしまった患者さんの割合が多いですね。従来のNuss法は子どもなら骨が柔らかく処置しやすいのですが、骨が硬い大人にはかなりの負担がかかりますし、手術後にプレートがずれて再発してしまうリスクがあるため、なかなか手術ができないとされてきました。そこで当院では、プレートがずれないように筋層下にプレートを入れて、バーを肋骨に固定する術式を行うことで、患者さんにかかる負担と再発の問題を解決し、大人の漏斗胸手術に対応できるようになりました。また、遠方から来られている方にはできるだけその日のうちに診察、検査をして、スピーディーに治療方針を決定するようにしています。

漏斗胸の治療について先生が大切にしていることは何ですか?

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これまで数多く漏斗胸の手術を手がけてきましたが、ふと、まだ完璧じゃないなと思ったのです。漏斗胸の患者さんは数年間にわたり定期的に経過観察をしていくのですが、矯正期間を終えて無事に金属バーを外すに至ったにも関わらず、その方の立ち姿を見た時、何か違和感を覚えることがあったのです。その原因は、骨盤にありました。長年猫背で生活してきたために、背骨が曲がり、骨盤が前向きになっていたのです。手術をして終わりではなく、本当に健やかな生活を取り戻すためには、術後のフォローこそ大切だと、改めて感じました。ですから、漏斗胸の患者さんには骨盤を正しい位置に直す方法や姿勢の正し方などをアドバイスしています。

患者のQOLを支えることがライフワーク

医師としてやりがいを感じる瞬間は?

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やはり、目に見えて良くなっていく姿を目の当たりにしたときですね。そして「楽になりました」と言っていただけること、それが何よりの醍醐味です。どんな病気でも、元気になって自宅へ帰っていただき、健康を維持していただくことが一番。ですから、普段の生活から少しずつ見直すことをお勧めしています。まず、食事は腹五分目。そして早食いはご法度です。ゆっくり時間をかけてよく噛むことにより血糖値の上昇を抑えられ、消化も良くなり、ちょうどいいあんばいで満腹感が得られる、まさにいいことづくしです。また、何か新しく運動習慣を取り入れようとすると負担になってしまうので、日常生活の動きにストレッチ要素を取り入れるのもいいですね。階段を使う、立った状態で腕立て伏せをするように壁を押すなど、簡単な健康法を毎日継続することが大切です。

先生も実践されている健康法はありますか?

私は、時間があるときはピラティスに通っています。ピラティスはとてもいいですよ。横になった状態でやるものも多いため、高齢の方でもチャレンジしやすいかと思います。でも、楽な動きに見えて意外ときついので、続けていれば筋肉も鍛えられますよ。ピラティスの動きは、特にインナーマッスルにアプローチするものです。内腹斜筋や臀筋、腹横筋、大腿四頭筋などが鍛えられる上に、呼吸を整える方法も教えてもらえるので、ぜひ一度経験してみてほしいと思います。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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毎年、会社や自治体などで実施される健康診断を受けている方は多いと思いますが、その結果をほったらかしにしていませんか? 当院には健診の結果を持ってきてくださる方もいますが、それが大事なのです。特に高血圧は危険。血管の上昇が動脈硬化を引き起こし、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、心不全などにつながる危険性が高まります。高血圧も、早期発見・早期治療をすれば、症状の改善をめざしていけるようになります。また、漏斗胸に関しても、息苦しさや消化不良などの症状は、慣れてくるとそれが当たり前になり、つい見過ごしがちになってしまうものです。漏斗胸は大人でも治療の方法がある病気ですから、もし、気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。外来受付はもちろん、ホームページよりメールでのご相談も受けつけています。

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