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二宮 克仁 副院長の独自取材記事

二宮メディカルクリニック

(四日市市/近鉄四日市駅)

最終更新日:2021/10/12

二宮克仁副院長 二宮メディカルクリニック main

近鉄四日市駅から車で5分ほどの、市の中心部に位置する「二宮メディカルクリニック」。以前は入院施設もある病院として機能していた歴史あるクリニックで、建物はほぼ当時のままの5階建てのビルである。現在クリニックとして使用しているのは1・2階のみ。待合室はまさに病院のように広く、多目的に使えそうな畳スペースがあり、温かみが感じられる。スタッフの患者への接遇も良く居心地が良い。父親が院長を務めるクリニックに副院長として加わった二宮克仁先生は、大学病院などで研鑽を積んだ消化器内科の医師で、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医でもある。穏やかで優しい印象の二宮副院長に、めざす地域医療のあり方や、介護や病児保育分野への進出について、その想いをじっくり聞いた。

(取材日2019年7月31日)

内視鏡手術に魅力を感じ、消化器内科を専攻

四日市市で開業され長きにわたり続く医療施設だそうですね。まず、その歴史についてお聞かせください。

二宮克仁副院長 二宮メディカルクリニック1

四日市で開業し、私で5代目になります。開院当時は入院患者も多く、地元では「二宮病院」として知られていて、結核病棟があったり、外科の先生も常勤されており手術も多くしていたようです。その後、時代の流れとともに病院の半分を介護老人保健施設へと形態を変え、残りのベッドも慢性期の療養病床としておりました。現在は病棟をなくし、外来診療や健康診断に力を注いでいます。

消化器内科を専門にされたのは、どうしてですか?

学生時代から興味はありましたが、三重大学附属病院での臨床研修で内視鏡検査を指導していただき、この技術を身につけたいと強く思いました。もともと機械いじりや細かい作業が好きで外科にも興味があったのですが、将来はこの病院に戻ることが決まっていたので院長である父に習い、内科を専攻することに決めました。消化器内科は内科系の中でも、ERCPと呼ばれる胆膵領域の内視鏡的逆行性胆道膵管造影やEUSと呼ばれる超音波内視鏡検査、食道・胃・大腸などのポリープやがんを切除する目的の、EMRと呼ばれる内視鏡的粘膜切除術、ESDと呼ばれる内視鏡的粘膜下層剥離術など外科に似た要素があります。「自分の技術でがんを治療することができる」ということにも魅力を感じ、内視鏡の診療を中心にした消化器内科の専門家になろうと思いました。

勤務医時代はどのように過ごされましたか?

二宮克仁副院長 二宮メディカルクリニック2

三重大学医学部で研修し、その後、三重中央医療センターでの勤務を経て、大学病院に戻り勤務しました。先輩上司の先生と一緒になって、汗だくになりながら検査や手術をするのが楽しくて充実した日々でした。現在では大学病院の先生方が内視鏡を手伝ってくれていて、常に情報交換ができる環境にいることはすごくありがたいです。四日市での胃がん検診の二重読影も三重大学附属病院の内視鏡専門の先生方が見てくれています。予定より早く開業しましたが、大学病院時代に培った技術と知識、そして人間関係もすべて現在に生かすことができていると思っています。

介護・病児保育に着手し、地域に貢献

クリニックの診療方針を聞かせてください。

二宮克仁副院長 二宮メディカルクリニック3

「患者さんの信頼に応えられる、そして気軽に来院していただけるクリニック」をコンセプトに、主訴をしっかり聞き、正確な診断をし、質の高い医療を提供することを診療方針にしています。患者さんは医師に言いにくいこともあるかもしれないですが、「いつでも来てください」というスタンスで接し、何でも話していただけるような関係性を築いていきたいと思います。腰を据えて聞かなくてはいけない場合は時間をかけることもあります。勤務医時代に深刻な病状の方をたくさん診てきたので、患者さんの気持ちに寄り添う医療を心がけています。

副院長に就任され、クリニックに変化はありましたか?

当院は昔から地域に根差し、なじみのある病院として愛されてきました。立地も悪いほうではないので、新しい時代に向け、もっと地域に貢献できるような医療に力を注ごうと活動しています。3、4年前までは療養型病棟を設けていましたが、現在は外来診療と健診といった予防医学が主体となっているクリニックです。今は介護老人保健施設「ちゅうぶ」という看護、介護、リハビリテーションを中心にした療養が受けられる施設も併設しています。高齢になり通院が難しくなった場合でも、暮らし慣れた地域で生活していただけるようにと注力しています。また、歴史のあるクリニックですので、一般内科で受診される方がほとんどですが、私の専門である消化器内科の患者さんも少しずつ増えてきています。内視鏡の件数も4倍ほどに増えていますが、四日市市のがん検診の受診率を考えると、正直なところ、もう少し件数は増やしたいですね。

病児保育室「カンガルーム」も運営されていますね。

二宮克仁副院長 二宮メディカルクリニック4

病児保育については、四日市市の中でも早期に着手しました。保護者の方の子育てと就労の両立を支援するため、病気回復期にあるお子さんを一時的にお預りしています。運営にはスタッフの協力が欠かせませんが、市内でも数少ないといわれる病児保育専門の保育士が在籍し、食事も管理栄養士が作っているので心強いです。クリニックと同様、スタッフには利用者の気持ちに寄り添った対応をお願いしています。働く女性が増える中、安心できる保育環境を整えることで地域貢献の一端を担うことができるのではないかと思っています。

地域の医療スタッフと連携し、住民の健康を支えたい

地域医療に貢献するために、計画されていることはありますか?

二宮克仁副院長 二宮メディカルクリニック5

老健のスタッフ、栄養士、看護師、理学療法士など、私たち、医療スタッフが外部へ出向き、地域の医療スタッフが集まる機会を設けて相談会を開くなど、住民との交流を深めていきたいと思います。クリニックには空いている部屋がたくさんあるので、そんな目的に利用することができないかと考えています。また、住民の健康を予防の段階から支えることが、今後の地域医療の大きな役割になってきますので、病気の予防や健康について積極的に啓発していきたいと考えています。専門は消化器内科ですが、健康リスクとして注目されている生活習慣病の予防・改善にも乗り出したいですね。日常生活にあれこれ制限を加えるだけでなく、病気のリスクをお話しすると同時に改善策を提案し、治療のモチベーションを上げてもらうことが大切です。

内視鏡検査の体への負担や診断の不安で、検診に積極的になれない方にアドバイスをお願いします。

精度の高さにこだわり、総合病院が導入しているような機種を使っていますので、特殊光観察や拡大観察などにも対応しています。そして、体への負担が少ない検査ということも心がけており、以前よりたくさんの患者さんに検査を受けていただいています。内視鏡検査というのは基本的に麻酔をしなくても行えますが、不安な方や嘔吐反射の強い方、便秘がちの方、開腹手術などでの術後に癒着があり、疼痛を認める可能性のある方などさまざまな患者さんがいらっしゃるので、鎮静剤の注射や点滴をして不安を拭うこともしています。また、胃と大腸の検査を一日で済ませることも可能です。体の負担を少なくし時間を短縮する方法もご提案するので、早期発見、早期治療のために、ぜひ胃腸の定期検診を受けてください。結果的に、悪性の所見があったとしても、患者さんに伝わりやすい言葉で説明をし、前向きに早期治療を進めることが肝心だと考えています。

家族の健康管理を優先し、女性は自分のことを後回しにしがちです。そんな方へアドバイスをお願いします。

二宮克仁副院長 二宮メディカルクリニック6

確かに女性は検診を後回しにする方が多いですね。家族のためにも、日頃から自分の健康管理に気を配っていただいて、定期的に検診を受けるようにしていただきたいです。がんは若い方もかかります。「1年に1回は検診を」とこの場を借りて訴えたいですね。ピロリ菌があってもそのままにしている方、出血があっても「痔かな?」と自己判断している方、一人で考えて不安にならないで、まずは相談に来ていただければと思います。

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