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岡田 弘 病院長の独自取材記事

獨協医科大学埼玉医療センター

(熊谷市/南越谷駅)

最終更新日:2019/08/28

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東武伊勢崎線・新越谷駅、JR武蔵野線・南越谷駅から徒歩約3分の場所にある「獨協医科大学埼玉医療センター」。内科系11診療科、外科系18診療科を有し、地域のさまざまな医療機関との密な連携で、患者を切れ目なく診る地域医療体制の急性期病院だ。2018年4月に病院長に就任した岡田弘先生は、不妊治療を専門に行うリプロダクションセンターなど、先端医療における研究・臨床で長年貢献してきたが、病院長としてもスタッフの働き方改革と地域や患者への利便の両立を図りながら、すべての医師に救急蘇生処置研修を義務付けるなど、意識改革にも取り組んでいる。新棟開設に伴う医療設備の増強に加え、病院の運営体制にも風通しよく変化を巻き起こしている。病院の現況や今後について聞いた。
(取材日2018年7月31日)

地域連携・救急から先端医療で急性期を担う

2017年11月に新棟が完成しましたね。

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それにより新たに200床が加わり、許可病床923床となりました。そちらにはロボット支援手術専用の手術室や、血管内治療など低浸襲治療に重要な放射線透視装置と従来の手術室機能を併せ持つハイブリッド手術室、各2室も備えましたので、主に外科を移しました。それに伴い、病院内を少しずつリノベーション中で、病室もフル稼働まではもう少しかかります。それでも手術室は全22室と増強されました。また、バイオクリーンルームも新設して、腎移植なども開始しています。ロボット支援手術も、従来から泌尿器科において行ってきましたが、新たに保険適用となった中に、産婦人科、外科の上部下部消化管において始まっており、2019年度には2台目を稼動させる予定です。

救急体制について、教えてください。

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従来の、重篤な患者を特化して診る三次救急に加え、地域の要望に応えて数年前から、二次救急の輪番制に加わったり、搬送受け入れ困難な患者も状況に応じて受け入れたりと、対応を拡大させてきました。前述の手術体制に加え、集中治療室10床にハイケアおよび後方ベッドを24床まで増やし、救急患者の受け入れ体制も強化しています。また、小児救急を受け入れているのも特徴で、2018年4月には周産期母子医療センターも開設しました。この地域でハイリスク妊娠・分娩に対応できる医療機関として、地域の産科診療所とも連携を密にしています。MFICU(母体胎児集中治療室)3床とNICU(新生児集中治療室)3床、GCU(新生児治療回復室)6床が稼働中で、今後も増強する計画です。全体としてベッド稼働率、回転率ともに高く、これは地域のさまざまな医療機関との長年の連携の賜物ともいえるでしょう。

いわゆる紹介・逆紹介がスムーズに行われているのですね。

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当院はもともと、県東部の中規模病院10ヵ所と医師派遣を通じて連携し、高次医療が必要な方の受け入れや状態の落ち着いた患者さんの転院などを行ってきました。開業医の先生も、非常勤講師や助教としてお迎えするなどして、日頃から関係を構築しています。そして、今秋には当院にPFM(ペイシェント・フロー・マネジメント)センターという組織を設け、入院患者さんを一元管理いたします。入院予約が入ると、手術のための術前検査や必要なリハビリテーション、また全身麻酔・化学療法・心臓血管手術される方には歯科の口腔ケアなどが自動的に予約。薬剤部での服薬チェック、栄養部での入院食チェックもその流れで行われ、入院時にはすべて用意されているといった具合です。医療職が本来業務により専念できることとなり、入院時に看護師が聞き取らせていただく患者さんの情報も事前に病院内で共有されるため、同じことを何度もお話いただくこともありません。

継ぎ目のない医療提供という点では、訪問診療も行われています。

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大学病院では珍しいことかもしれませんが、むしろ医師教育のためにも家庭医療の現場を知ることは必要なのです。自分たちの医療が、大学病院を出られたら終わるわけではなく、地域で家庭でどのように診ていくかまでを理解しなければなりません。また、先進的な取り組みとしては、在宅医療に遠隔診療をすでに取り入れています。オンラインでの診療で、企業と協力して当院なりのシステムを開発中です。取り組みとしてはほかに、リプロダクションセンターなど先進医療を中心に、中国や東南アジアからの医療ツーリズムを積極的に受け入れています。今も毎週のように患者さんが訪れますが、2019年春にはさらにインバウンド専門部署を立ち上げて、多言語での治療・検査・健診などの医療提供を推進していく予定です。獨協医科大学自体は系列の日光医療センターで国際観光医療の素地がすでにありますが、埼玉医療センターでは先進医療を特長に打ち出していきます。

病院の医療や運営における、お考えをお聞かせください。

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自身のモットーは、自分の親や親族を任せたいと言ってもらえるような医師であること。その一言に尽きますね。また、私の専門である不妊治療を行ってきて思うのは、通常であれば病院には縁のないような若い方が来院されるわけですが、それを機に禁煙や食習慣の見直しなど、生活を改善いただき、ひいてはご自分の人生において、「あの時病院で、健康について意識できて良かった」と感じてもらいたいのです。お見舞いの方も同様で、病院というところにその方なりの「お得感」を感じてもらえるようにしようと、病院スタッフには常々言っています。もう一つ、病院運営で大事なのは、兆候を見過ごさないこと。ごみを認識しながら、拾わなければ罪です。そのため、全部署の主任と面談を進めていて、現場の声から改善点はすぐ実行します。変わる実感があれば声も上げやすく、好循環となるでしょう。患者さんにとっても、安全で居心地の良い病院づくりとなると思います。

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