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原田 容治 院長の独自取材記事

戸田中央総合病院

(戸田市/戸田公園駅)

最終更新日:2019/08/28

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埼玉県南部地域の急性期医療の一翼を担う「戸田中央総合病院」。理念は「愛し愛される病院」で、「そのためには、まず患者さんから信頼されることが何よりも大切」と語るのが院長の原田容治先生だ。地域に密着した医療、24時間の救急体制、先進的な医療機器の導入による高度な医療提供などを実践し、2015年には厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」の認定も受けた。今回は救急患者の受け入れ率や2015年のがん治療実績などから、導入した先進の医療機器などについて詳しく語ってもらった。
(取材日2016年9月9日)

救急病院として、2016年8月の受け入れ率は9割

まず病院の概要から伺います。

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1962年に開設された病院で、来年で55周年を迎えます。戸田市を中心に、蕨市・川口市など埼玉県南部地域の救急医療と、がんをはじめとする重度疾患への対応が当院の特色です。地域に根差した救急病院としては、主に心臓疾患、脳梗塞などの頭部疾患、消化器、そして小児救急にも力を入れてまいりました。一方、病床は29床からスタートし現在は492床です。建物も順次増築を重ね、一番古いC館に始まり、2013年に最も新しいD館が完成して、いまでは東館・西館を有するB館・C館、総合受付のあるA館までの計6棟に加え、乳がん検査などに対応するブレストケア部門の別棟を含めた総合医療施設群となっています。

救急医療の受け入れ実績は?

2015年度は約5100件を受け入れています。県が定めた6号基準(搬送困難受入病院)というものがありまして、わかりやすく言えば、このエリアの重症患者であれば他の病院で3回断られた方を当院が受け入れるというものです。この6号基準もありまして、2015年の急患受け入れ率は85%、直近の2016年8月は約90%となっていますね。ただ、6号基準の精神をいかに現場の医師に理解・浸透させるかが重要でして、現場の状況と地域から期待された役割を果たすことのバランスをうまく取りながら体制づくりを進めています。また特に夜間での受け入れ率を高めるため、ER(救急救命室)の隣に救急病床を5床作り、直接ICU(集中治療室)とCCU(冠疾患集中治療室)などに運ぶ患者さん以外は、そこに1度入ってもらって、翌日の午前中までには各診療科の病棟に移し、救急病床を1度空にするというオペレーションもおこなっていますよ。

当直体制についてはいかがでしょうか?

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救急科には3名の専属の医師が在籍しています。また、通常の救急当直体制は、内科2名、外科1名、小児科2名(1次・2次)、ICU・CCUに各1名という体制です。現在は脳外科の医師も週に約4回の当直をおこなっています。さらに、オンコール体制もとっており、院内に専門医が不在でも、適切な治療をおこなうことができる画像参照システムを活用し、専門医師のアドバイスも交えながら治療を進めていく方法も取り入れています。このシステムはクラウドを利用するものですから、セキュリティーにも十分配慮しています。心臓血管センター内科では心臓カテーテル室を2室備え、消化器内科では吐血・下血に対してオンコール体制をとっています。

“地域がん診療連携拠点病院”としてがん治療に注力

もう一つの特色であるがん診療についても教えてください。

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昨年、国の「地域がん診療連携拠点病院」にも認定され、がん診療に対する高い評価を受けました。この認定を受けた当院は、数少ない民間病院の一つではないかと思います。認定には専門医の存在とチーム医療体制と、もちろん症例数も重要で、さらに緩和ケア病棟があることが必要と考えています。これは院長就任以来、達成すべきテーマの一つに掲げていましたので、認定を受けたときは実にうれしかったですね(笑)。例えば、前立腺がんについては手術支援ロボットを導入し、胃がんや大腸がんには、3D技術を応用した腹腔鏡下手術をおこなっています。また、今年は新型256列のマルチスライスCTと、3.0テスラのMRIも導入し、それぞれ2台で稼働しています。放射線治療においても、近い将来には健常組織への放射を可能な限り避けながら、がん細胞に集中照射するIMRT(強度変調放射線治療)の導入を検討しているところです。

がん診療の実績数は?

がんに対する手術件数(内視鏡的治療を含む)は、2015年4月~翌年3月は胃がん84件、大腸がん165件、乳がん74件、肺がんが36件、前立腺がんが60件などです。また、現在は、通院での化学療法を求めるニーズもあり、昨年には外来化学療法室を15床に増床しました。外来化学療法室では現場で薬剤を調合し、がん治療を有効に行うため、医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリテーションスタッフでのチーム医療で取り組んでいます。同年実績としては、胃がん166件、大腸がん777件、乳がん485件、肺がんが271件等を含め症例数ではなくのべ件数では2000件を超えています。その一方で、乳がん専門のブレストケア部門を独立した棟にしているのは、女性患者さんに安心感を持って受診・治療をしていただこうという配慮からです。また2009年にできた緩和ケア病棟では、専門の医師と認定看護師がチームを組んで治療にあたっています。

医療機器の導入も積極的に図られていますね。

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ええ、現在は前立腺がんと腎がんにおいて保険適用されましたので、手術支援ロボットを使用した治療ニーズも今後は増えていくと思います。もう少し色々な重度疾患に対応できればと思いますが、患者さんからのニーズがなければ、あるいはより優れた成績が報告されない限りは、いかんともしがたいところはありますね。さらに256列のマルチスライスCTにより、ミリ単位の早期の病変を発見できるようになったことや、3.0テスラのMRIは従来の工事現場のような大きな騒音がなくなり、患者さんの不安も少なく検査を受けていただけるのではないかと自負していますね。

地域のクリニックとの包括的な連携を進めていきたい

退院後の地域連携については?

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地域には慢性期の患者さんに対応した病院が不足しているので、そこは課題ですが、当院ではリハビリ室を設けて、術後に自宅で生活ができる態勢となってから退院していただくように計らっています。また副院長がリーダーとなって退院支援室も設け、地域のソーシャルワーカーにも協力してもらって、エリアの医療支援マップをもとに「在宅でどこから支援を受け、往診はどのクリニックに?」というような環境づくりを進めているところです。加えて、地域のクリニックとの交流と個別の取り組みを報告し合う目的で地域連携会も年1回開催していますし、診療科ごとに勉強・交流会も積極的に実施していますね。

ところで院長先生はいまでも外来の診察を行っていらっしゃいますね。

週に2コマですが診察を担当していますよ。そもそも僕は大学時代に消化器内視鏡をやりたくて消化器を専門分野に選びました。大学病院で10年以上勤務した後に当院に移って、一人で1日30件の内視鏡検査・治療を担当していた時期もあります。それだけに、今でも時には上部消化器内視鏡検査をおこなっています。内視鏡施行の技術は手先の感覚も重要な世界で、離れれば衰えますので院長業務が忙しくなければ努力したい気持ちはあります。

地域の皆さまへのメッセージをお願いします。

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これからも地域住民の方々に、緊急の際にはいつでも頼っていただけるような救急病院としての役割を果たしていきたいと思います。そしてがん診療においても、質の高い安心・安全な医療を提供する病院であることをお伝えしたいですね。さらに地域の医療連携においても、スムーズで患者さん本位の体制づくりをすることで地域に貢献していければと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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