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三角 和雄 院長の独自取材記事

千葉西総合病院

(松戸市/常盤平駅)

最終更新日:2019/08/28

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常盤平駅北口から6分ほど歩くと、白く勇壮たる建物が現れる。それが三角和雄院長率いる「社会医療法人木下会 千葉西総合病院」だ。2013年に開設された新館は、命を守るために戦う場として先進設備を多数導入し、救急はじめ先端的な医療を提供。一方、2014年に開設されたアネックス館は、中に入れば、新しい命を育む場としてラグジュアリーな雰囲気に包まれる。三角院長は心臓カテーテル治療の世界的権威として知られ、同病院の心臓カテーテル件数は2015年1~12月では3145例を数え、国内でも有数の実績を誇る。「当たり前のことを普通にやる。奇をてらわず過信せず、自身のベストを尽くす。その連続です」と話す三角院長。治療で忙しい合間を縫って、同病院ならではの強い戦力について聞いた。
(取材日2016年1月8日)

迅速かつ確実に命を守るために戦う新館

最初に病院の理念について教えてください。

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「生命だけは平等だ」を基本理念に、「迅速、安全、確実に一人でも多く救命する」「常に最先端最高度の医療をめざす」「常に治療に最善を尽くす」といった基本方針のもと運営しています。救急医療では、救急は絶対に断らない、をモットーに年中無休24時間で患者を受け入れ。救急の迅速さを求め、新館の屋上にはエレベーターで手術室に直結できるヘリポートを設置。また循環器内科医として、カテーテル治療を推進している立場として、心臓の血管だけでなく、全身の血管疾患に対応する。というのも、動脈硬化は心臓の血管だけに起こるのではなく、全身の血管に起こるからです。実際、心臓の血管に動脈硬化が起きている人は他の血管に起きている場合も多いのです。心臓の血管の治療はできますが足の動脈硬化は別の病院で、という事にはならないように、当病院では心臓だけでなく手足の血管、顎の血管、腎臓の血管など全身の血管疾患の治療にも力を入れています。

新館のモチーフはイージス艦と伺いました。

患者の命を守る、防御する。これが病院の使命ですから、新館のイメージは、防御に重きを置き、高性能の最新機器を搭載したイージス艦にしました。私が考えたコンセプトやアイデアが随所に組み込まれています。そのポイントは迅速さと効率です。例えば集中治療室は、看護の死角を作って動線を妨げる柱をすべて取り除き、ベッドを一列に並列させていますので、対面にあるスタッフステーションからすべてのベッドが見渡せて、何かあれば迅速に対処できます。病棟はゆるやかなカーブのR壁を採用して、死角がなく遠くまで視認できます。また医療のスピードと精度を高めるため、より新しい医療機器も多数導入し、素早く正確に検査・診断できるようにしています。

専門医療部門も数多く設置してありますね。

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医療の高度化に伴って専門領域も細かくなり、それぞれに特化した治療チームが必要になります。血管疾患関連ですと、1995年に心臓病部門が設立されたのを皮切りに2004年に大動脈部門、2005年に糖尿病性壊疽(えそ)、閉塞性動脈硬化症の治療を専門に行うASO治療部門、2008年に頸動脈部門を開設し、最も新しいのが2015年に開設された脳卒中部門です。当病院は、松戸脳卒中ネットワークの中核病院にもなっていて、脳卒中から市民を守ろうというスローガンのもと、的確で効率のよい脳卒中診療を提供しています。この脳卒中部門によって、頭から足先まで体全体の血管の動脈硬化に対応できる理想的な病院に一歩近づいたと考えています。

治療室の一元管理と先進技術で国内有数の実績を実現

カテーテル治療の実績を実現している誘因は何とお考えですか。

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第一に挙げられるのが、私が考案したカテーテルスタジオです。ここを見た人は、空港の管制塔とか宇宙船のコックピットをイメージするかもしれませんね。実は、SF映画が大好きなんです。で、ここは扇状に並ぶ6つのカテーテル室を中央の司令塔のような場所で一括管理するシステムです。中央部にあるモニターには、カテーテル室の治療の様子が映されており、治療室のカメラやモニターを切り替えながら、私が随時、治療について指示します。室内の医師とは特別の無線で会話して、その時の血管の状況に応じて治療方法を変更したり、私自身が治療にあたったりと、臨機応変に対応します。このようにカテーテル治療を一元管理することで、複数の治療を同時に素早く行うことができるわけです。もう一つは当院が治療に使用する先進治療機器と技術を複数有していることです。

具体的にはどんな治療機器ですか?

例えば、ロータブレーターと呼ばれる治療機器は、先端にダイヤモンド粒子が埋め込まれており高速回転により石灰化してカチカチになった血管壁を削り取るのに効果的です。ただ使用する際には高い技術が求められるため、カテーテル治療年間200件以上、心臓手術30件以上行う施設に限られています。その他、柔らかい血栓を溶かすのに有効なエキシマレーザーというレーザー治療器具は、血栓でつまった冠動脈だけでなく、膝下や足首の先の血管まで治療できるので、足先が壊疽してしまう糖尿病性壊疽などの閉塞性動脈硬化の治療にも威力を発揮します。また、キツツキのように先端が高速振動する振動式末梢血管貫通用カテーテルシステム(クロッサー)は、完全につまってしまった下肢の動脈の治療に効果的です。こういった先進治療機器を、患者の血管狭窄の状態に合わせて臨機応変に使用することで、数多くのカテーテル治療が実現しているのです。

アメリカで最初にカテーテル治療に出会ったときはどのように感じられましたか?

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従来の手術に比べると、患者に優しい治療法だと感じました。カテーテル治療の利点を簡単に言えば、痛くない、怖くない、費用が安く済む、仕事を長く休む必要がない、といったことです。つまり身体的、精神的、経済的、社会的なメリットがあるわけですね。日本人は親からもらった体を傷つけたくないと考えるメンタリティがありますので、それにも合っていると思います。日本人は手先が器用でいろいろな物作りにも貢献していますが、カテーテル治療においても、器用さ、丁寧さ、取り組み方、繊細さにおいて世界一のレベルです。カテーテル治療が手先の器用な日本人に向いていることは、私だけでなくカテーテル治療に携わる他の医師も感じていると思います。

産後ケア施設では地域の育児を応援

若い医師たちを指導する際はどんなことを心がけていますか。

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指導するときは、まず教える、やってみせる、やらせてみる、そしてフィードバック、うまくいけば褒める、うまくいかなかったら助言する。その繰り返しです。大切なのは基本を繰り返すことです。基本を繰り返すことでおのずと技術も上がっていきます。私はよく言うのですが、当たり前のことを普通に当たり前にやる。決して奇をてらわず、過信せず、自分の持てる力を使ってベストを尽くすこと。これが最も大切だと思っています。でもこれが実は意外と難しいのですが。

アネックス館について教えてください。

新館とは異なり、健康な方にもくつろいでいただけるような雰囲気になっています。産婦人科や小児科病棟、健診施設などが入っていますが、中でも注力しているのが産婦人科です。陣痛から分娩、産後まで妊婦が移動することなく、ずっと同じ部屋で過ごせるLDR室は3部屋用意しました。畳のスペースもありますので、ゆっくりくつろいでいただけます。また、産後ケア施設も開設。ここは他の病院で出産した方でも4ヵ月までの乳児がいるママなら入院できます。出産や育児に疲れた、育児に不安があるといった方などはぜひご利用ください。利用の際は松戸市と我孫子市から助成が受けられます。また、小児科の病室は乗り物をモチーフにしたデザインとなっていて、家族も一緒に泊まれる個室となっています。

では最後に今後の展望をお願いします。

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これからも一人でも多くの患者の命を迅速に確実に守れるよう、スタッフ一丸となって尽力していきたいと思います。そのために世界レベルの医療を導入していくとともに、医師や看護師などマンパワーもさらに充実させていきたいですね。実は、われわれが行っていることは対症療法にすぎません。病気にならないためにはどうすればよいか、一般の方々に向けて予防医学に対する啓蒙活動にも力をいれて入れていきたいと思います。また、メディカルツーリズムの推進や外国からの患者の受け入れ体制もさらに充実させて、地域だけでなく広く世界に貢献していきたいと思います。

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