さいたま市立病院

窪地 淳院長

41817

首都圏近郊の埼玉県が「医療過疎地」であると聞けば、驚く人も多いのではないだろうか。人口増加に対し医師・看護師の確保が追い付いていないことから、医療現場の人手不足も慢性化しているという。そんな中、自治体が運営する総合病院の役割は大きい。人口126万人のさいたま市にある市立病院である「さいたま市立病院」はその重責を担う病院だ。2008年に東京医療センターから同院に副院長として赴任、2014年から院長を務める窪地淳先生に、老朽化の進んだ建物や設備、効率の低下する現場、そして人材不足をいかに解決してきたか、また今後、どのように医療体制充実をめざすのか、それらの取り組みをわかりやすく語ってもらった。
(取材日2016年3月15日/情報更新日2018年7月13日)

「医療過疎地」で、地域医療の要の役割を

―病院の歴史と地域における役割を教えてください。

当院は自治体病院として60年以上の歴史があります。開設当初は結核病院でしたが、1989年に総合病院となり、4市合併で「さいたま市立病院」に名称変更しました。新病棟の開設や増床、標榜科目の追加、災害拠点病院の認定など、地域のニーズに応じて規模を拡大し、現在、27の診療科となっています。埼玉県は人口流入増大に病院の設立が追い付かず、10万人あたりの医師・看護師数が全国的にみても少なく、「医療過疎地」とまで言われています。現在、県内の医師も看護師も医療機関も増えてはいますが、それをしのぐ人口増が続く中、当院はさいたま市の市立病院として地域医療の要になる役割があります。2018年10月25日に地域医療支援病院として承認され、急性期医療をはじめ、救急、周産期母子、がん医療を積極的に推進するとともに、政策医療にさらに力を入れていきます。

―急性期、救急、周産期母子、がんなどの医療における特色は?

急性期は特に循環器、血管外科、脳神経外科において血管内治療に力を入れています。周産期母子医療は、現在NICU(新生児集中治療室)、GCU(新生児治療回復室)などを整備し、周産期母子医療センターとして稼働しています。救急についてはさいたま市の輪番制に参加し、三次救急も引き受けていますが、二次救急を主とした役割を担っています。救急車の受入数は多く、年間6000台以上を受け入れています。2020年の1月には新病院が開院する予定ですが、そこで救命救急センターを設置し、機能強化を図ります。がん医療では、手術はもちろん、放射線治療を強化し、化学療法、緩和ケアの体制を整えます。抗がん剤のミキシング設備や2つのトイレを配置するなど化学療法室を再整備して、外来で積極的に化学療法を行っています。また多職種で構成する緩和ケアチームが痛みの解消や、精神的ケアに取り組んでいます。

標榜の診療科目を同じ行政区・駅で探す



Access