全国のドクター9,201人の想いを取材
クリニック・病院 158,634件の情報を掲載(2024年4月24日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 世田谷区
  4. 千歳烏山駅
  5. 烏山耳鼻咽喉科
  6. 若山 仁久 院長

若山 仁久 院長の独自取材記事

烏山耳鼻咽喉科

(世田谷区/千歳烏山駅)

最終更新日:2021/10/12

若山仁久院長 烏山耳鼻咽喉科 main

2014年に「烏山耳鼻咽喉科」を開院した若山仁久(のりひさ)院長はこの地域の出身で、特に千歳烏山駅周辺は父親が営む医院もあったなじみ深いエリアだという。「父が40年近く診療を続けてきたこの場所で、私もお子さんから高齢の方まで、幅広い患者さんを長く支えたいと考えています」と話す。同院は大学病院で長く経験を積んだ若山院長が、中耳炎、花粉症、急な喉の痛み、急性副鼻腔炎など多様な症状に対応。特に子どもの診療に力を入れ、現在は4割ほどが0歳から10歳くらいまでの小児だという。「常に本当のことを正直にお伝えし、信頼関係を築いていきたい」と語る若山院長に、診療の特色や地域医療への思いなどを聞いた。

(取材日2019年8月14日)

自らの子育て経験から小児の耳鼻咽喉科にも注力

こちらは小児の診療に力を入れていると聞きました。

若山仁久院長 烏山耳鼻咽喉科1

当院を受診される患者さんは年齢を問わず幅広いのですが、その中でも今は4割ほどが0歳から10歳くらいまでのお子さんになっています。実は数年前に私にも子どもができ、改めて小児を診てくれる耳鼻咽喉科が少ないことに気づきました。小児科の先生も「子どもの耳や鼻、喉などはやはり専門家に診てほしい」と言われる方が多いように感じます。鼻水を吸い出すのもご家庭では限界がありますし、子育てで大変な親御さんを少しでもサポートできればと考えて、お子さんの診療に力を入れています。基本的にはインターネットや電話で予約された患者さんを優先して診ていますが、ご予約がなくても診療時間内に来院していただければ、お子さんに限って当日中に全員診療するよう心がけています。診療時間ギリギリという場合でも事前に電話をいただければ対応も可能です。

小児はどんな症状での受診が多いのでしょうか?

鼻水が止まらない、痰が絡んで咳が出る、この2つの症状がとても多いですね。小児科でしばらく診てもらっても症状が治まらないため、当院を紹介されたという方もいらっしゃいます。お子さんは自分でうまく鼻をかめませんから、風邪やアレルギーなどで鼻水が出始めると、その一部は鼻の奥から喉に落ちて痰になります。お子さんの咳が続くときは、肺炎をはじめとする呼吸器の病気よりも、こうした鼻水が原因のことが多いんですよ。この場合はまず鼻の中をきれいにすることが大切。当院では鼻の奥にスプレーをして、鼻水を十分にやわらかくして吸い出し、その後に鼻や喉の奥をしっかりと診察して、問題がなければ鼻水を抑えることを目的にお薬をお出しします。鼻の中をきれいにしたほうが薬の作用も実感しやすいと思います。

しかし風邪がいつまでも続き、鼻水も止まらないと心配になります。

若山仁久院長 烏山耳鼻咽喉科2

保育園・小学校のほかに児童館や学童クラブなどお子さんが集まる場所は多く、そこで風邪がうつることはよくあります。特に小さなお子さんでは、風邪が治りきる前に別の風邪をひいてしまい、いつも風邪気味で鼻水が出ているようなことも珍しくありません。あまり心配されなくても、成長して免疫がしっかりしてくると落ち着いてくるでしょう。もちろん症状はきちんとケアしたほうが良いので、遠慮なく当院を受診してください。免疫の問題はすぐには解決しませんが、「昨日まで苦しそうで眠れなかった子がぐっすり眠れるようになりました」など、お子さんが少しの間でも楽になってくれたら、親御さんも安心されると思いますから。

患者や家族の希望を踏まえ一人ひとりに適した診療を

こちらの診療の特色を教えてください。

若山仁久院長 烏山耳鼻咽喉科3

耳、鼻、喉はすべてつながっているので、患者さんが訴えている症状の原因がどこにあるのかを見極めて治療する、あるいは適切な病院に紹介することを重視しています。患者さんの話を注意深く伺うことで本当にお困りのことを見つけ、たとえ「鼻が詰まる」と受診された方でも耳や喉の状態まで丁寧に調べていきます。めまいでお困りの方もおみえになりますが、実は耳に起因するめまいは受診された方の1割程度。脳が原因と疑われるものが約1割で、残りは疲れや寝不足、加齢、スマートフォンの使いすぎによる肩こりなどさまざまな要因が考えられるものです。このため来院された時の歩き方、腰かけた時の姿勢なども観察し、診断の参考にしています。

診療の時に心がけていることをお聞かせください。

患者さんの症状や適した治療法など、本当のことを正直にお伝えするようにしています。当院では耳の中など患部を写真で撮り、毎回その画像を見ていただいて説明するのですが、「以前はこういう状態でしたがここまで回復しました」「ここはまだ治療が必要です」など、ありのままをお話しして信頼関係を築きたいと考えています。お子さんを診る時は親御さんと二人三脚での治療になるため、なおさら信頼関係は大切です。また、受診時の説明だけではすべてを覚えきれなかったり、ご家族への説明が難しかったりすることから、当院自作の説明書もご用意しました。内容は中耳炎や夏風邪などよくある症状とその対策などで、片ページは専門の論文をもとにした詳しい説明、片ページはそれを簡単な表現にまとめたものという見開き構成です。簡単なものは30秒ほどで読み終わる程度ですから、まずは目を通していただければと思います。

中耳炎の治療などでは何度も通う必要がありますか?

若山仁久院長 烏山耳鼻咽喉科4

理想は3日おきに数回受診していただくことですが、仕事などで忙しい親御さんが頻繁にお子さんを連れて来院されるのはとても大変だと思います。そのため当院では理想を振りかざすのでなく、可能な範囲でベターな診療をめざし、3日おきの受診が難しければお薬を少し多めにお出しして、1日に3回の服薬が難しければ1日2回か1回で済むようなお薬に変えるなど工夫しています。明日も保育園に預けられるようにといったご希望もありますから、患者さんやご家族の暮らしも伺いながら、それぞれの状況に合った治療を心がけています。私は東京慈恵会医科大学附属第三病院でも勤務していますが、そこの理念である「病気を診ずして 病人を診よ」を実践したいと考えているんです。

地域の中で患者とともに成長するクリニック

医師をめざされたきっかけは何でしたか?

若山仁久院長 烏山耳鼻咽喉科5

父も耳鼻咽喉科の医師で、今は亡くなりましたが、千歳烏山駅のすぐそばにある医院で40年近く診療を続けていました。私は子どもの頃からそこで掃除などを手伝って医療関係になじみがあったこと、父を尊敬していたことなどから、自然と同じ道をめざすようになったのだと思います。東京医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学の耳鼻咽喉科教室に入局し、大学の附属病院や第三病院、関連病院などの耳鼻咽喉科で経験を積みました。副鼻腔炎の手術を専門にしていたほか、めまいを専門に診る外来も担当していたのですが、父のような地域に根差した医療に魅力を感じるようになり、当院を開院したんです。父のところに通っておられた患者さんが受診されることもあって、最初は「若山先生のところの子がこんなに大きくなって!」と驚かれました(笑)。

クリニック以外に大学病院でも診療されているそうですね。

当院の休診日にあたる水曜日は東京慈恵会医科大学附属第三病院で診療しています。大学病院でお子さんを診ることはほとんどありませんが、難易度の高い症例や専門性の高い治療に携わることができ、アップデートした知識・技術を当院での診断や紹介先の検討などに生かせるのも利点と考えています。今すぐ治療できるものは当院で対応し、難しい病気は適切な病院にご紹介するといったように、身近なクリニックと専門性の高い診療を行う病院との橋渡しとなる診療をめざしています。特に急に痛み出したような急性疾患は、その裏に重大な病気が隠れていないかも十分に注意して診ています。

最後に今のお気持ちとこれからの目標を教えてください。

若山仁久院長 烏山耳鼻咽喉科6

開院して5年ほどたち、小さかったお子さんが小学生になり、高校生が成人するなど、地域の中で患者さんを長く支える実感を少しずつ得ています。以前診ていたお子さんの弟さんが受診するようになり、「お兄ちゃんも風邪をひきやすくてよく中耳炎になったけど、今はほとんどかからないでしょう。この子も大丈夫ですよ」といった話もできるようになりました。父に比べたらまだまだですが。これからも地域に根差した診療を続け、どなたでも気軽に受診していただけるクリニックを目標にしたいと思っています。特に小さなお子さんが自分の体調を親御さんや周囲の大人に的確に伝えるのはとても難しいこと。少しでもおかしいなと思ったらすぐにご相談ください。

Access