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低侵襲心臓手術で負担を軽減
手術跡の小さい小切開大動脈弁置換術

ニューハート・ワタナベ国際病院

(杉並区/浜田山駅)

最終更新日:2021/11/16

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  • 保険診療

血液を全身に送るポンプの働きをする心臓。その内部は、右心房・右心室・左心房・左心室と呼ばれる4つの部屋に分かれ、血液が各部屋を逆流しないよう、部屋と部屋の間に「弁」と呼ばれる4つの扉がついている。このうち全身に血液を送る役割をしている左心室と大動脈の間にあるのが「大動脈弁」だ。この大動脈弁が硬化して血流が阻害されたり、大動脈から心臓に血液が逆流したりするのが大動脈弁疾患で、手術治療が必要となるが、心臓手術の進歩によって、小さい傷口で行える低侵襲手術が可能になった。2014年よりこの低侵襲手術「小切開大動脈弁置換術」を行い、豊富な症例実績を持つ循環器・心臓血管疾患の専門病院「ニューハート・ワタナベ国際病院」の富田重之副院長に、同院が取り組む小切開大動脈弁置換術について解説してもらった。

(取材日2021年10月25日)

心臓手術の大きな進歩で低侵襲心臓外科手術が可能に。先進の小切開大動脈弁置換術にチーム医療で臨む

Qまず大動脈弁疾患と、その治療法について解説をお願いします。
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▲大動脈弁疾患の手術法について語る富田重之副院長

大動脈弁の疾患は、「大動脈弁狭窄症」と「大動脈弁閉鎖不全」の2種類に大きく分けられます。高齢の患者さんのように大きな手術に耐えられないような場合を除けば、現在、大動脈弁の治療は大動脈弁人工弁置換術(AVR)が第一選択肢となっています。従来の大動脈弁人工弁置換術は胸部の真ん中を大きく切開して、胸骨を離断して行う胸骨正中切開が基本でしたが、非常に侵襲が大きいことから、当院では2014年より、大動脈弁人工弁置換術においても胸骨正中切開を行わず、右前胸部の肋骨と肋骨の間を数cmほど切開して行う低侵襲心臓外科手術「小切開大動脈弁置換術(MI-AVR)」を導入し、これまで数多くの実績を積んでまいりました。

Q小切開大動脈弁置換術とはどのような手術ですか?
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▲低侵襲の治療で患者の負担を抑える

当院で行っている小切開大動脈弁置換術は、右前胸部の第3肋間を5cm程度切開して行います。当院がこの術式を開始したのは2014年で、導入初期の切開創は7.8cmでしたが、近年の手術器具の進歩と内視鏡の導入、そして症例経験数を積み重ねていった結果、現在では5cmほどの小さな切開創で手術が行えるようになりました。手術創が小さいため、人工心肺の回路も上行大動脈から送血して上下大静脈から脱血する胸骨正中切開の設定ではなく、鼠径部の大腿動脈から送血し、頸静脈と大腿静脈より脱血させる経皮的心肺回路設定で行っています。手術時間も短縮化され、2時間30分以内で行えるようになりました。

Q小切開大動脈弁置換術におけるメリットを教えてください。
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▲患者の早期回復が見込めるという

小切開大動脈弁置換術のメリットは、やはり何といっても切開創が小さいことです。この術式は患者さんの皮膚を5cm程度の幅で1ヵ所切開するだけで行えるので、美容的なダメージが少ない点が大きな特徴と言えるのでしょう。また、切開する部分が小さいと出血量も当然少なくなるため、無輸血、もしくは少ない輸血量で手術を行うことができます。加えて、胸を大きく開いたり、骨を切ったりすることなく、小さな傷口で手術を行うことは、術後の疼痛軽減と手術創の早期回復につながっており、退院後すぐに自転車・自動車の運転もできるなど日常生活への影響も少なく、早期の社会復帰も期待できます。

Q手術におけるリスクと術前検査、手術の適応について伺います。
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▲精密な検査を行い、手術におけるリスクを把握

手術を行う際に特に注意すべき点は、大動脈の状態、大動脈弁と胸郭の位置関係、冠動脈の起始部の確認です。特に大動脈の粥状硬化や石灰化が強い場合は、先ほどお話しした人工心肺回路の血流が大腿動脈から逆行性に流れることとなり、脳梗塞などの合併症リスクが高くなるため、しっかり把握しておく必要があります。また、手術の視野に影響する大動脈弁と胸郭の位置関係は、手術の難しさを計る判断基準となります。大動脈の性状を評価する術前検査として行うのが造影3DCT検査で、検査の結果、全身の動脈硬化が強い人、呼吸機能が悪い人、心機能が低下している人、ほかの疾患で心臓手術が必要な人などは、この手術ができない場合があります。

Qこちらでは手術時のチーム連携を重視されているそうですね。
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▲チーム医療で患者をトータルサポート

当院では外科医、麻酔科医、コメディカルによるチーム医療を実践しています。小切開大動脈弁置換術は高度な技術を要する手術なので、2時間程度の手術時間で終わらせることができる技量と、大動脈基部置換術の経験も併せ持を持つ外科医が執刀しています。また、大動脈弁疾患の手術でも重要なポイントである麻酔は、心臓麻酔の経験が豊富な麻酔科医が術中の経食道心エコーによる心機能評価から術後の創痛緩和までトータルにサポートします。手術カンファレンスでは、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師も参加し、検査データや画像、動画を見ながら最終手術法を決定します。このチームワークが、正確で速い手術を行うための基盤となっています。

ドクターからのメッセージ

富田 重之副院長

当院は、44床の入院施設と先進のロボット手術が可能なオペ室を備えた心臓血管外科・循環器内科の専門医療機関です。低侵襲治療から緊急性を要する大血管手術まで対応しており、開業医の先生からのご紹介も多いのですが、大学病院のように紹介状は必要なく、どなたでも受診していただけます。それでも「いきなり受診するのはハードルが高い」という方のために、SNSやメールによる無料相談にも対応していますのでお気軽にお問い合わせください。当院では治療や手術をお受けになった患者さんが、かかりつけの先生に引き続き予後を診ていただけるよう逆紹介までフォローするなど、お一人お一人に寄り添ったきめ細かな医療の提供に努めています。

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