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よりよい医療の実現のために
「在宅医療」の現状とこれから

青葉ひろクリニック

(横浜市青葉区/あざみ野駅)

最終更新日:2021/10/12

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少子高齢化が加速し、今後ますますニーズが高まる在宅医療。自分または家族がいつ必要になるかわからないからこそ、正しい知識を身につけておきたい。そこで、在宅医療専門クリニックを開業し円滑な患者の受け入れのため、地域に向けてさまざまな取り組みを行う「青葉ひろクリニック」の澤井博典院長に話を伺った。

(取材日2015年6月5日)

在宅医療は未来に寄り添う医療。地域、病院、患者と明確なイメージを共有しスムーズな受け入れを

Q在宅医療の定義とは?
A
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▲在宅医療に注力する「青葉ひろクリニック」

自分で通院できなくなった患者さんのもとへ定期的に訪れて行う診療を訪問診療、何か問題が起こったときのみ訪問して行う診療を往診といい、これらを総合して在宅医療といいます。その中で、日中のみ往診を行う医師もいれば、24時間態勢で取り組む医師もいます。ただ、一人で往診を行うクリニックの医師が24時間コールを受けるということは、常に動ける状態でいなくてはならないので、気持ちを休める時間がほとんどありません。それを解消するために、複数の医師で往診できるよう地域のクリニック同士が連携を取るケースもあります。

Q在宅医療を受ける際、知っておくべきことや伝えるべき情報は?
A
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▲さまざまな機器を使用し、在宅でも適切な医療を受けられるように

実は僕たちが末期がんの緩和目的で在宅診療の依頼を受ける際、病名と年齢、家族構成程度の情報しかないことがあります。しかし重要なのは、今後どんな症状が起こりうるかを考え、在宅でどう対応していくかを家族で話し合っていくこと。どういう予後を過ごし最期を迎えるかによって方法も変わってきますから、ご家族にもトイレやお風呂はどうするか、点滴は必要なのか、介護用ベッドを入れるのかといった生活に即したイメージを持っていただく必要があります。僕たちもなるべく皆さんを受けいれたいのですが、情報がなく今後を描けないまま受け入れを決めるのには葛藤があります。そういった意味でも情報交換は重要です。在宅医療を受けるにあたっての情報については、ご本人や家族からも積極的に要望を伝えていただきたいと思います。

Q在宅医療を受ける人にはどのような人がいますか?
A
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▲人の輪を象徴するクリニックのロゴマーク

在宅の患者さんは3つカテゴリーに分けることができます。一つは若い末期がんの方。30代〜40代の人は、子どもが小さく、人によっては奥さんが20代の人もいますので、家族のフォローが大切です。また、この患者さんは病院での治療を継続しながら在宅を併用する場合と、もう病院ではなす術がなく在宅にと依頼をうける場合があります。二つ目は老衰など看取りを前提とした方です。この場合は積極的な治療は望まれず、自然に体力が落ちていくのを自宅で見守ることが多いですね。そして三つ目は通院が困難になった方です。膝が痛いなどの整形外科的要素の人、高血圧や糖尿病が原因で足腰が悪くなった人、認知症で来院できない人の治療を自宅で継続します。

Q具体的に患者とどのように接していくのですか?
A
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▲患者だけでなく家族の心にも寄り添う

末期がんの若い人の場合は、ある程度の方向性がつき納得していただくまでは、何度も足を運び信頼関係を作ります。必要に応じて病院と連携を取り、落ち着いたらまたこちらで診るというように、うまくバトンを渡し合えるようにしています。重要なのは、医師と訪問看護や介護ヘルパーさんと共通の認識でやり取りし皆で支え合うことです。患者さんの情報はITを駆使してリアルタイムで確認するようにしています。家の構造を考え、ベッドの向きや段差なども、リハビリのメンバーや訪問看護師などと相談しながら決めていきます。在宅医療は未来に寄り添うことが仕事です。残された家族がこれをやってよかったと思えるように、基本的にご本人の意志を尊重しています。残る側の先の生活を見据えて、後悔がないように接することが大切ですね。

Q在宅医療の今後の取り組みについて教えてください。
A
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▲熱い想いで在宅医療に向き合い続ける澤井院長

今、僕らがやっている在宅医療を患者さんだけでなく、病院のドクターたちにももっと知ってもらいたいですね。例えば在宅の医師が病院でカンファレンスするなど、在宅がどういうものかを説明するための方法を模索していきたいです。青葉区の医師会による訪問看護センターに青葉区在宅医療拠点事業所が設置されたので、今後は、病院で得た患者さんの情報を拠点でも把握し、ご希望に合う医師を紹介できるようにしていければと考えています。また、医学生のうちから在宅の講義をやっていくべきだと思います。そして、30代〜40代になったときに在宅医療に参加してくれればうれしいです。

ドクターからのメッセージ

澤井博典

病院や地域との顔の見える連携がうまくいけば、スムーズに患者さんを受け入れる態勢ができあがります。待っていても何も変わりませんから、自分から動いて色々な人や部署と話をしていきたいです。看取った最期に「在宅でよかった」と言ってもらったときは本当に嬉しいものです。皆さん感謝してくださいますし、残された家族も「やってあげられた」という思いで新しい生活を始められます。僕の中では、出身である東京慈恵会医科大学の教え、「病気を診ずして病人を診る」が絶対です。人と人との付き合いですから、人の心を診ていかないと。それが楽しかったりするんですよね。

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