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原因不明のあばらや肩、足腰の痛みに
整形外科で行う神経痛の治療

こばなわ神田整形外科

(千代田区/神田駅)

最終更新日:2023/01/13

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  • 保険診療

神経の炎症やさまざまな疾患が原因で起こる神経痛。代表的な神経痛として、肋間神経痛・坐骨神経痛・三叉神経痛などがある。あばら、背中、胸部、顔面、太腿、脛など、神経痛の種類や原因となる疾患によって痛みが発生する箇所や頻度はさまざま。神経痛は痛みの原因を見極めると同時に、間違った行動で悪化することを防ぐのが重要となる。そのためにも専門の医師に相談して、原因や適切な対処法を知ることが大切だ。「原因がわからないため受診を迷っている」という人は、一度専門のクリニックを受診してみてはどうだろうか。今回は神経痛の治療に精通した「こばなわ神田整形外科」の小塙幸司院長に、神経痛の原因や診断方法、予防方法について詳しく聞いた。

(取材日2022年4月13日)

間違った行動で悪化する可能性も。まずは専門の医師に相談して痛みの原因や適切な対処法を知ることが大切

Q神経痛にはどのような痛みがあるのでしょうか?
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▲原因も痛み方も人それぞれと語る小塙院長

神経痛の代表的なものとして、肋間神経痛、坐骨神経痛、三叉神経痛などがあります。肋間神経痛はあばらや背中、胸などにびりびり・じくじくとした痛みが走ったり、電気が走ったような鋭い痛みを感じたりすることもあります。原因となる疾患はいくつかあり、それによって痛みの出る頻度や症状は異なります。坐骨神経痛は右のお尻から太腿の裏、もしくは脛から足までに痛みとしびれが走る症状です。三叉神経痛は顔面に電気が走ったような強い痛みを感じるもので、一瞬または長くても数秒ほど痛みが続くという特徴があります。

Q神経痛はどんなことが原因で起こるのですか?
A
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▲神経痛の原因は腫瘍などの可能性もあるという

肋間神経痛の最も多い原因は肋骨骨折ですが、帯状疱疹、胸椎椎間板ヘルニア、腫瘍などの疾患が潜んでいる可能性もあります。動いた時に痛みを感じる場合は肋骨骨折、じっとしていても強い痛みを感じる場合は帯状疱疹が原因の可能性が高くなります。そのほかにも、胸椎椎間板ヘルニアや腫瘍による神経の圧迫が原因となっていることも。坐骨神経痛の原因として代表的なのが、腰痛椎間板ヘルニアです。腰痛椎間板ヘルニアにより「神経根」が炎症を起こすと、炎症物質=痛みやしびれのもととなる疼痛物質が発生し、より坐骨神経痛が生じるとされます。三叉神経通は、顔の触覚や痛覚などの感覚を脳に伝える三叉神経に異常が生じることで起こります。

Q神経痛の診断はどのように行うのでしょうか?
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▲正確な診断ができるように角度を変えて撮影をしている

肋間神経痛は、肋骨に痛みを感じたらエックス線検査で肋骨骨折の有無を確認します。当院では診察をした医師がエックス線撮影を行い、原因を見逃さないよう努めています。胸の辺りに痛みを感じたら、気胸、心筋梗塞、狭心症などの病気が潜んでいる可能性があるので、胸のエックス線も一緒に撮ります。坐骨神経痛の場合は変形性股関節症のように、坐骨神経痛と似た症状が出る疾患があり診断が難しいことから、専門の医師に診断してもらうことをお勧めします。また三叉神経痛も副鼻腔炎などと似た症状が現れるので、これらの疾患との見極めを慎重に行う必要があります。エックス線やMRIはあくまでも補助的役割で、問診・視診・触診が基本です。

Q具体的な治療法を教えてください。
A
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▲幅広い治療に対応している

原因となる疾患がわかれば、その疾患を治療していきます。例えば肋間神経痛の原因が肋骨骨折なら、肋骨骨折は安静にすれば自然治癒していきますので、それまで痛みを我慢できるようにアシストする処置を行います。胸部をバンドで固定するだけでも、症状緩和につながる可能性もありますよ。原因がはっきりしない場合や神経の炎症がなかなか治まらない場合でも、消炎鎮痛剤や神経痛の内服薬、湿布、リハビリテーションで痛みの緩和を図ります。それでも痛みが治まらなければ、当院では神経ブロック療法を行う場合もあります。神経ブロック療法は、痛みを引き起こす神経やその近くに麻酔薬や炎症を抑えるためのステロイド剤を注射する治療です。

Q発症や悪化を予防する方法はありますか?
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▲日常生活にもリスクが隠れている

当院では痛みに対する処置に加え、神経痛を予防するための生活習慣改善や体操のアドバイスも行っています。坐骨神経痛は長時間のデスクワークや立ち仕事が原因になるので、浅く腰かけて膝を下げて座るとか、足腰に負担をかけにくい姿勢を指導します。肋間神経痛の原因が肋骨骨折の場合は、骨折が治りかけの時に気分転換で体をねじって、再度骨が折れてしまうケースもあるので注意する必要があります。そして神経痛の再発・悪化予防のためには「冷やさない・ねじらない・無理しない」ことも大切です。何日も続けて長距離を歩いたり、重いものを運んだりするのはよくありませんし、間違ったマッサージやストレッチで悪化することもあります。

ドクターからのメッセージ

小塙 幸司院長

肋間神経痛は悪化しないように患部を冷やさないことが重要ですが、原因が骨折であれば、骨折から48時間は入浴もシャワーで済ませて患部を温めないようにします。そういうことを自分で判断するのは難しいと思いますので、まずは受診して医師に相談してください。あと、神経痛の症状を予防するためにも、適切な体の使い方を学ぶことも大切です。体の使い方を間違えたまま局所の痛みの治療を行っていても、根本的な解決には至りません。そういった患者さんへの指導は、当院ではできる限り私が直接行うようにしています。3週間以上経過しても痛みが続く場合や、1週間以上経過しても痛みのピークが治まらない場合は医療機関を受診しましょう。

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