もも こころの診療所

百瀬直大 院長

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正しい薬の出し方は「患者にどう治ってほしいか」考えること

―精神科医になったきっかけを教えてください。

父が循環器の医師だったため、僕が医師になるというのは現実的な選択肢でした。ただ、僕は父の医療分野にまったく興味が持てなかったんですよ。幼いころから哲学書や小説を読むのが好きで、人間って何だろう、世界って何だろうと考える人間でしたから。なので、そういったものを自分なりに突き詰めていきたい、そんな気持ちを強く持っていました。その一方で、突き詰めるにしても、独りよがりな突き詰め方をしてはいけないという気持ちがあり、精神科医という道を選択したんです。心理学というのは、哲学や文学と密接な関わりがありつつ、実践的に「人を治し、人を助ける」学問だと思っています。そういう部分に強く惹かれたんです。今思うと、志望の動機がすごく若くて、ちょっと恥ずかしいんですけどね。

―治療にあたって、一番に心がけていることは何でしょうか?

言葉にすると当たり前なんですが、適切な薬物療法を心がけています。最近減ってきたとはいえ、いわゆる薬漬けになってしまうような医療は、まだまだ多いのが現状です。その背景には、患者さんが症状を訴えたら、その症状に合わせた薬を出さなければいけないと、思ってしまう医師が多いことが挙げられます。患者さんの症状に合わせて出す薬というのは、依存性のある薬が多いんです。また医師が薬を出しすぎると、患者さんにも「薬を飲まなければいけない」という強迫観念を植え付けてしまう原因にもなるでしょう。だから僕は、患者さんの今の症状に焦点を当てすぎないことを基本方針としています。一時的に症状が改善されることではなく、一ヶ月後、二ヶ月後の患者さんにどうなっていてほしいかを考えるんです。それが正しい薬の出し方だと思っています。だから僕は、患者さんの体の負担を極力減らすため、一日に飲む薬の回数や出す薬の粒の数まで、かなりのこだわりを持って処方していますよ。

―先生の診療スタイルは、どんなものから影響を受けているのでしょうか?

「ACT」の本は言うに及ばず、アメリカの精神科医ジュディス・L・ハーマンの本には、強く影響を受けています。この本は、トラウマについて、世界で初めて広く世に訴えかけた本なんです。トラウマという症状は、1970年代前後にベトナム戦争の帰還兵たちがPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったことから、注目されるようになりました。そして同じ時代、世界ではフェミニズムが隆盛。女性の権利が主張されていく中で、一見平和な世界に生きる女性たちも、心の中に壮絶なトラウマを潜ませていることがわかってきたんです。ジュディス・L・ハーマンは、そんな今まで注目されていなかった、トラウマという事柄を問題視し、無理解な社会と戦った女性だったんですね。途方もない戦いだったと思います。本の内容にはもちろん勉強させられましたが、それ以上に医師として、彼女の気概に感銘を受けました。

記事更新日:2016/01/24


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