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重光 剛志 院長の独自取材記事

重光クリニック

(中野区/中野新橋駅)

最終更新日:2021/10/12

重光剛志院長 重光クリニック main

中野新橋駅から徒歩1分の場所にある「重光クリニック」は、2007年開業の胃腸科・肛門科クリニック。2021年4月に中野区本町から中野区弥生町へと移転したばかりで、バリアフリーの院内は暖かな色調で統一され、落ち着いた雰囲気と清潔感ある空間が広がる。院長の重光剛志先生は、大腸・肛門の疾患や内視鏡検査を得意とする消化器疾患のスペシャリスト。痔の日帰り手術を行っており、メスを使わない注射による治療「ALTA(アルタ)療法」を取り入れるなど、痔に悩む患者のニーズに対応している。「痔に悩みながらも、恥ずかしいからと治療せずに放置している方のために」と、なるべく恥ずかしさを感じないよう独自の診察方法を採用している重光院長に、診療の内容や診療方針について話を聞いた。

(取材日2021年5月7日)

痔の日帰り手術では注射による治療も提供

2021年4月に移転されたそうですね。

重光剛志院長 重光クリニック1

はい。同じ中野区内での移動で、最寄り駅も同じ中野新橋駅で変わりありませんが、駅からの距離は以前よりも近くなりました。以前と同じく1階にあり、院内もバリアフリーですので、車いすの方や歩行障害のある方でも通いやすいかと思います。内装は木目調とアイボリーなど温かみのある色調で統一し、落ち着いた雰囲気と清潔感のある環境を整えました。また、患者さんに安心して来院していただけるよう、換気のほか、診察室は診察ごとに、待合室や受付カウンターなどは定期的にアルコール消毒液での除菌を行うなど、感染症対策も徹底しています。

クリニックの特徴をお聞かせください。

当院は、2007年に開業した胃腸科・肛門科のクリニックです。私の専門は消化器外科で、日本医科大学武蔵小杉病院の消化器病部門などで研鑽を積みました。大腸・肛門の疾患や内視鏡検査を得意としており、当院では痔の日帰り手術を中心に行っています。従来の肛門手術はほとんどが脊椎麻酔で、手術後約半日は下半身が動かないため、1~2泊の入院が必要でした。しかし、当院は肛門周囲のみを対象とする「仙骨硬膜外麻酔」で行うため、手術後1時間ほど院内の回復室で休んでいただければ帰宅することができます。会社や学校を休むことなく手術を受けられるメリットはとても大きいと思います。また、メスを使わない痔治療「ALTA療法」を保険診療で行っているのも、当院の大きな特徴です。

「ALTA療法」とは、どのような治療法ですか?

重光剛志院長 重光クリニック2

メスで切ることなく、薬剤を注射する治療法で、痔の中でも特に頻度の高い痔核(イボ痔)に対して行います。この治療には四段階注射法という投与技術が必要なため、どの医療機関でも受けられる治療ではありませんが、従来のメスを使った切除術と比べて痛みや出血が少なく、治療期間も短いので患者さんへの負担が軽減されます。ただし、すべての痔核に効果があるわけではありません。まずは診察をし、患者さんの病態やご希望を伺い、その方に合った治療法をご提案しています。

術後は排便習慣の改善を指導、再発防止に力を入れる

どのような患者さんが多いのでしょうか。

重光剛志院長 重光クリニック3

若い方からご高齢の方まで幅広い年齢層の方が受診されていますが、多いのは40代の働き盛りの方ですね。また、6:4ぐらいで女性患者さんが多いこともあり、診察中はなるべく恥ずかしいと感じさせないように、患者さんは左下に横になり、お尻は向けていただきますが顔は壁側に向け、医師と直接顔を合わせない状況で診察しています。また、診察後はゆっくり準備していただき、患者さんが落ち着いてから詳しい説明に入るようにしています。インターネットで検索して、最初から手術を希望して受診される方もおられますが、ほとんどの方はお尻から出血する、痛みがあるといった症状を主訴に来院されます。初診でいきなり手術をお勧めすることはほとんどなく、まずは塗り薬や飲み薬などで保存的な治療を行い、それでも改善されない場合に手術やALTA療法などの外科的治療が選択肢になります。

外科的治療を受けた後に、気をつけることはありますか?

治療後しばらくは通院して、経過を確認する必要があります。また、日常生活に支障はありませんが、お尻に負荷がかからないよう、しばらくは運動しない、重いものを持たないなどの制限があります。ただ、外科的治療を受けても生活習慣や排便習慣が改善されなければ、痔は再発していまいます。ですから当院では、下痢や便秘をしないようにする、アルコールや刺激物の取りすぎに注意する、長時間の同一姿勢は避けるなど、再発予防のための生活・排便習慣の改善指導を行っています。特に若い方には、トイレにスマートフォンを持ち込まないようアドバイスしています。「事務職で座りっぱなしの生活だから痔になってしまった」という方が多いのですが、実は椅子よりも、便座に座っている姿勢のほうが肛門への負担は大きいのです。トイレでスマートフォンを見ているとつい長くなってしまいますが、トイレタイムは5分以内で済ませるよう気をつけましょう。

そのほか、力を入れている領域はありますか?

重光剛志院長 重光クリニック4

当院では胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を行っており、健康診断などで要精密検査となった方の再検査のほか、便通異常で薬を飲んでも改善しない方にも検査をお勧めしています。「大腸内視鏡検査はつらい」という先入観をお持ちの方もおられるかと思いますが、当院では苦痛が少なくなるよう、鎮静剤を点滴で少しずつ入れながら検査しています。ポリープを認めた場合、承諾があれば内視鏡的ポリープ切除術を行います。また、胃内視鏡では経口内視鏡のほか5cm以下の極細の経鼻内視鏡もご用意しています。便通異常を訴えていた患者さんを検査すると、ご高齢の方では大腸がんが、若い方でも潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患や、虚血性腸炎などの病気が見つかることもあります。異常があれば近隣の然るべき医療機関をご紹介していますので、大きな病気を見逃さないためにも、ぜひ定期的に検査を受けていただきたいと思います。

恥ずかしがらずに、早期受診することが大切

先生の診療方針をお聞かせください。

重光剛志院長 重光クリニック5

Smile(笑顔)、Safety(安全に)という2つのSを心がけ、患者さん一人ひとりと向き合い、時間をかけてわかりやすく説明し、治療に専念できる環境づくりをめざしています。痔の主な症状は排便時の出血ですが、排便時に毎回出血することは少なく、また痔の種類によっては痛みも出ないので、そのまま放置してしまう人が多いのが実情です。当院にもかなり腫れてから受診される方がおられますが、痔が複数できている場合など日帰り手術ができない事例もあります。どの病気でも同じですが、痔も受診が早ければ早いほど簡単な治療で早期改善が期待できます。恥ずかしい気持ちもあるかと思いますが、なるべく早めに受診していただけるよう、受診しやすい環境や雰囲気を心がけています。また、これまでの診療経験を生かし、消化器疾患を中心に、生活習慣病の治療・予防にも力を入れていきたいと思っています。

診療でお忙しいかと思いますが、どのようにリフレッシュされていますか?

ダイビングが好きで、サイパンやグアム、マレーシアによく行っています。新型コロナウイルス感染症が流行してからは行けなくなってしまいましたが、状況が落ち着いたらまた潜りに行きたいですね。今は、気分転換とストレス発散のために、スポーツジムで体を動かしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

重光剛志院長 重光クリニック6

痔だけでなく、下痢や便秘などのおなかの症状があっても、まずは市販薬を使って様子を見る方は多いのではないでしょうか。もちろん、それで構わないのですが、市販薬を使って数日たっても症状が改善しない場合は、医療機関を受診していただきたいと思います。それから、市販薬で症状が良くなったからといって、服薬をすぐにやめてしまうと症状がぶり返してしまう可能性があります。症状が改善した後も、1ヵ月程度は飲み続けることをお勧めします。痔でお悩みの方は多く、日本人の7割は痔を持っているといわれています。恥ずかしいから、どうせ治らないからと思わずに、ぜひ一度ご相談ください。あなたに合った診療方法を一緒に考えていきましょう。

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