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眼圧が高くなくても要注意
知っておきたい緑内障の基礎知識

若松河田眼科クリニック

(新宿区/若松河田駅)

最終更新日:2019/10/09

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  • 保険診療

治療せずに放っておくと失明につながりかねないといわれる緑内障。日本人の視覚障害の原因の第1位とされる。だんだん視野が欠けていく病気だが、片方の目に見えない部分があっても、両眼で見ているともう片方の目で補うため、見えない部分がかなり広がるまで気づかないことが多いという。その一方、眼科疾患の検査や治療の進化は目覚ましく、緑内障についても早期発見につなげることが可能となってきている。そして、早くから適切な治療を行い、視野が欠けるスピードの緩和を促すことで、失明への進行を防ぐことも望める。そこで今、知っておきたい緑内障の症状や検査、治療について、緑内障に詳しい「若松河田眼科クリニック」小暮俊介院長に取材した。(取材日2019年6月17日)

自覚症状に乏しいため、気づかないうちに進行しやすい緑内障。OTC検査で早期発見を心がけたい

Q緑内障になると、どんな症状が起こるのですか。
A
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▲定期検診を推奨する院長。早期発見が重要

緑内障は、眼圧が原因となって視神経を障害することで視野が欠ける病気ですから、視野が欠け見えない部分が生じるというのが代表的な自覚症状です。しかし、視神経や周囲の網膜神経線維層が障害を受けてから、視野が欠け始めて視野検査で異常を認めるまで年単位で時間がかかるので、症状が現れた頃にはすでに中期・後期まで進行しているということが多いのです。症状がなくても定期検査を受け、早期に発見したい病気です。また以前は眼圧が正常値を超えている人がかかりやすいとされていましたが、ある調査では、緑内障患者の72%は眼圧が正常範囲内での正常眼圧緑内障であるというデータが出ました。眼圧が高くなくても注意が必要です。

Qどうして緑内障になるのでしょうか。
A
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▲40歳で発症する可能性も。誰にでも起こりうる疾患だ

眼圧によって圧迫された視神経やその周囲の網膜神経線維層が傷つき、視覚情報の一部が脳に伝わらず、視野が欠けていくというのが、緑内障という病気の成り立ちです。眼圧が高いと明らかに緑内障になりやすいため、定期的な検査が必要です。また眼圧が低いと、正常の眼圧であっても加齢などで組織の脆弱性が高まり、視神経が眼圧の負担に耐えきれず、40歳以上では20人に1人、60歳以上では10人に1人の割合で正常眼圧緑内障を発生するため、40歳を過ぎたら誰でも注意は必要です。特に両親やきょうだいなどに緑内障の人がいる場合、緑内障を発症するリスクがさらに高くなるといわれていますから、必ず検査を受けていただきたいですね。

Qどういった検査で見つけられますか。
A
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▲視野検査やOCT検査を行う

以前は眼圧・眼底・視野の各検査を行い総合的に判断していましたが、現在はOCT検査(眼底三次元画像解析機)が中心です。OCT検査では網膜の断面や網膜神経線維層の厚みを画像で観察することができ、その状態が容易にわかるので、緑内障の早期変化を捉えやすくなりました。また前視野緑内障という緑内障の前段階を見つけることも可能なので、より早期の治療も行われるようになりました。OCT検査は、従来の眼底検査のように瞳孔を広げる必要がなく、短時間で検査できるので患者さんの負担を軽減できることもメリットです。40代以降の方、近視の方、家族に緑内障の方がいる場合などは一度早めにOCT検査を受けることをお勧めします。

Qどのように治療をするのですか。
A
4

▲患者に合わせた治療方法を提案

緑内障の治療ではまず点眼薬を中心とする薬物治療が行われます。最初は1日1回で済むタイプの薬を使い様子を見て、不十分な場合は、別の薬を追加していきます。しかし、処方する種類が多くなり使用回数が増えると患者さんにかかる負担が大きくなり、差し忘れる、うまく点眼できないといった問題が出てきます。そこで、点眼回数を減らすことを目的に、医療用レーザーで眼圧を下げることをめざすのも選択肢の一つです。それでも十分でない場合や、視野障害が進行する場合は手術が行われます。特に最近は、身体に負担の少ない低侵襲緑内障手術(MIGS)ができるようになったことで、白内障手術と同時に手術を行うケースも増えてきました。

Q緑内障は予防できないのですか。
A
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▲SLT(選択的レーザー繊維柱帯形成術)にも対応

まだ緑内障を確実に予防できるような方法はありません。しかし、OCT検査の進化により、前視野緑内障という緑内障の前段階での発見ができるようになったことが注目されています。緑内障では、視神経やその周囲の網膜神経線維層が障害を受けてから、視野が欠け始めて視野検査で異常を認めるまで年単位の時間差があります。この形態の変化はあるが、まだ視野には異常がない状態が前視野緑内障です。特に、進行のリスクが高い方は、前視野緑内障の段階で早期に点眼治療を開始することで、緑内障の進行をより防ぐことが可能です。ですから、現在、最も確実な予防法は、早くOCT検査を受け、必要に応じた治療を受けるということになります。

ドクターからのメッセージ

小暮 俊介院長

緑内障というと失明するのではないかと心配される方が多いのですが、早期に発見し、適切な治療を続ければ、多くの場合、失明に至ることを避けられます。私は緑内障を専門とし緑内障手術も数多く手がけてきましたが、OCT検査による早期発見が可能になり、また治療法も進化したことから、最近は点眼薬による薬物治療と、医療用レーザーによる治療を中心に行い、前視野緑内障の予防的治療に積極的に取り組んでいます。白内障を併発している方には、大学病院などで白内障手術に併用して行うMIGSを受けていただくこともあります。緑内障はとても身近な病気ですから、正しく知って、早期発見と治療の継続を心がけていただきたいと思います。

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