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井上 智雄 院長の独自取材記事

井上内科クリニック

(多摩市/唐木田駅)

最終更新日:2023/05/15

井上智雄院長 井上内科クリニック main

唐木田駅から徒歩2分と至便な位置にある「井上内科クリニック」。院長の井上智雄先生は日本内科学会総合内科専門医として内科全般を診療する一方、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会消化器病専門医として肝臓疾患に対する専門的な治療も行う。モットーは「初心を忘れないこと」。肝臓に関する病気は症状が現れづらいため、検査機器を活用しながら患者のことをよく見てしっかり話を聞くといった、基本に忠実な診療を貫く。「それが隠れた病気を見落とさないことにつながると思っています」と話す井上院長のもとには、近隣以外の地域からも患者が訪れる。経験だけに頼らず、実直に研鑽を積む医師だからだろう。そんな井上院長に、診療のことから休日の過ごし方まで幅広く話を聞いた。

(更新日2019年6月25日/情報更新日2023年02月07日)

基本に立ち返ることで疾患の見落としを防ぐ

まず、多摩市に開業された理由をお聞かせいただけますか?

井上智雄院長 井上内科クリニック1

僕はバイクが趣味で、医師になったばかりの頃はよく休日に山梨県の道志村にツーリングに行っていました。その時にこの辺りを通ったことがあり、多摩センター駅や永山駅が開発され始めた当時の風景を覚えていたんです。それで、いざ開業しようと考えた時、この場所が思い浮かびました。近くに多摩南部地域病院や日本医科大学多摩永山病院といった地域の中核病院があって、以前勤務していた狛江市の東京慈恵会医科大学附属第三病院もそう遠くないことが大きかったですね。連携が図りやすく、状況に応じて早急に病院に紹介できるので、患者さんの負担を減らせると考えました。また、自然が豊かでのんびりした雰囲気にも惹かれて、この地に開業したのです。

どのような患者さんが来院されますか?

当院は一般内科をはじめ、肝臓疾患や皮膚科の診療にも対応しているので、お子さんからご高齢の方まで幅広く来院されています。周辺に肝臓を専門とするクリニックが少ないからか、多摩市以外の地域からも来てくれていますね。最近は近隣にマンションが建った影響か、お子さんとその親御さんの受診が増えてきました。病気ごとに見た場合、C型慢性肝炎は副作用が少なく、治療効果が望めるインターフェロンフリー療法のおかげで、新規の患者さんが減ってきています。B型慢性肝炎については経過観察で通院されている方や、核酸アナログ療法で治療されている方とさまざま。最近は健康診断で脂肪肝などの肝機能異常が見つかったことをきっかけに受診される方が増えています。今後ますます高齢化が進み、ご高齢の方のがんのリスクが増えていくでしょう。軽度の変化に注意しながら可能な検査を積極的に行っていく必要があると思います。

診療する上で心がけていることを教えてください。

井上智雄院長 井上内科クリニック2

常に初心を忘れず、基本を忠実に行うことを意識しています。例えば、患者さんは風邪だと思っていたのに、実は肺炎や心不全だった、ということがあるからです。また、病気を見落とさないためには、自分がアンテナを張って患者さんの発言や一つ一つの動作に敏感でなければなりません。ですから、歩き方や荷物の置き方、診察台に寝る時の様子など、細かい部分まで目を配るようにしています。特に、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、病気が進行しても症状として現れにくいので、一層の注意が必要です。経験を重ねても基本に立ち返ることが、隠れた病気を見落とさないことにつながると考えています。

患者のことを第一に考えて指導や検査方法にも一工夫

基本に忠実であること以外に、隠れた病気を見落とさないための秘訣はありますか?

井上智雄院長 井上内科クリニック3

自分の症状をうまく説明できない患者さんもいるので、安心して話してもらえるように聞き方や雰囲気づくりに配慮しています。また、患者さんの訴えと僕が想像する病気にずれが生じている場合、疑問を解消するために気になることはすべて質問していますね。ただしこの時、頭のどこかは必ず冷静でいて、患者さんとの距離感を保つように心がけています。信頼関係を築くのは大切ですが、波長が合いすぎると僕が患者さんに甘くなってしまうからです。診療をする中で厳しく指摘をすることもありますが、それも患者さんのことを第一に考えているからこそだと、知っていただけたらうれしいです。

肝疾患以外で力を入れている診療はありますか?

胃の内視鏡検査による胃がんの早期発見に努めていますね。胃がんは死亡率が高いがんですが、早期に発見できれば改善が図れる場合もあります。ですから当院では、患者さんが気軽に検査を受けられるように、随時先進の機器を導入して負担軽減に注力しているのです。挿入方法も経口と経鼻の2パターンを用意してあるので、「なるべく楽に検査を受けたい」などの希望がありましたら遠慮せずお申しつけください。また、検査から診断まで、すべて当院だけで完結できるので、利便性という意味でも患者さんの負担が少なく済むでしょう。

常に患者さんを第一に考えていらっしゃるんですね。やはり、昔から医師をめざしていたのですか?

井上智雄院長 井上内科クリニック4

実は大学院生になるまで、医師になりたいとはまったく考えていませんでした。人の体にメスを入れるなんて、自分にはとてもできないだろうと思っていました。ですから、高校卒業後は東京薬科大学に進学。その後大学院に進んだ際に、医療現場を学ぶカリキュラムがありました。医師と一緒に病棟を回って患者さんの治療経過を教えてもらったり、救急外来や当直の様子を見せてもらったりするうちに、医療への興味がどんどん出てきたんです。また、熱心に語る医師の姿や元気になった患者さんの笑顔を目の当たりにして、「医療ってすごい。患者さんを元気にさせられるんだ」と夢を抱いた少年のような気持ちにもなりましたね。それで、一念発起して勉強し直し、東京慈恵会医科大学に入りました。

常に自分をアップデートし、患者に還元

プライベートについてお伺いします。どんな子ども時代を過ごされましたか?

井上智雄院長 井上内科クリニック5

きれいな海が広がる千葉県の館山市で育ちました。田舎の普通の子どもで、釣り好きの父と一緒に海釣りに行くことが多かったです。磯釣りもやりましたが、もっぱら投げ釣りで、キスなどがよく釣れました。子どもの時はたくさん釣れると無邪気にうれしがっていたのですが、成長するにつれてだんだんやらなくなりましたね。何だか魚が痛そうで、かわいそうに思うようになってしまって。釣ったらすぐ死んじゃいますし……。そうは言いつつも、僕には息子と娘がいるのですが、2人とも釣りが結構好きなんです(笑)。なので、休日は子どもと一緒に慣れ親しんだ館山に行って、子どもが釣りを楽しんでいる様子をそばで見守っています。

お忙しいと思いますが、休日はどのように息抜きをしていますか?

休みの日はテニススクールに通っています。時々、子どもと一緒にプレーして楽しんでいますね。あとは、以前よりも頻度は落ちましたが、バイクに乗ることも趣味の一つ。よくお気に入りのバイクで、いろいろな場所へツーリングに行っていました。バイクに乗っていると、「今日は天気が良くて気持ちいいなぁ」などと本当に何げないことを考えることができ、自然と顔がほころぶので丁度良い息抜きになっています。最近は、イギリスのメーカーから出ている落ち着いたデザインのバイクがお気に入りです。

今後の展望をお聞かせください。

井上智雄院長 井上内科クリニック6

若い頃に担当した患者さんを思い返すと、「今だったらこういう治療ができたのに……」と感じることがあります。だからこそ、今診ている患者さんには、クリニックでできる精いっぱいの医療を提供したいです。経鼻内視鏡やインターフェロンフリー治療などを、早い時期から導入したのはそういった思いからでもあります。医療は今後も進歩し続けるので、随時新しく有効な検査方法や治療を取り入れていくつもりです。ただ何を導入するか判断するには情報のアップデートが重要となるでしょう。ですから、臨床を通した実地での勉強に加えて、興味がある勉強会に参加して病院に勤める医師の話を聞くなどしていこうと思います。そして、これからも病気を見落とさない診療を実現させるために、初心を忘れず一歩一歩進んでいきたいです。

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