北多摩中央医療生活協同組合むさし小金井診療所

北多摩中央医療生活協同組合むさし小金井診療所

富永智一 所長

頼れるドクター

医療トピックス

「かかりつけ医」のエキスパート
総合診療専門医について知ろう

北多摩中央医療生活協同組合むさし小金井診療所

保険診療

Top

現在の日本の医療体制は、臓器ごとに細分化された専門性の高さが特徴的だが、日頃感じる健康への不安は、疾患そのものだけでなく、生活状況なども含めた総合的な問題であることが少なくないだろう。そんなとき頼りになる「総合診療専門医」を知っているだろうか。医療生協として多職種連携を図りつつ、外来や在宅医療を手がける「北多摩中央医療生活協同組合 むさし小金井診療所」は、出産から在宅での看取りまで患者の一生に付き添う全人的医療を実践している。所長の富永智一先生は都内の医療生協でトレーニングを積んだ総合診療専門医であり、総合診療専門医を育成するCFMD(家庭医療学開発センター)の教育診療所指導医も務める人物だ。そんな富永先生に、総合診療専門医とはどんなドクターなのかを詳しく聞いた。(取材日2016年4月1日)

家族関係、価値観、経済状況、社会情勢……。あらゆる側面から患者をマクロに診る「医療のゲートキーパー」

総合診療専門医とは、どんな役割を持ったドクターなのですか?

1 ▲所長の富永先生は、数少ない総合診療専門医 ひとことで言うと「どんな診療科のことでも対応できる」というのを専門としている医師です。なおかつ、医療のコンシェルジュ的な役割も持った立場であることが特徴。昔は町医者とも言いましたが、その地域にずっといて、何か体に異常が起こると「あの先生のところに行こう」と皆がすぐに名詞で思い浮かぶような存在ですね。家庭医とも呼び、患者さんの年齢、性差、症状の種類を問わず日常生活における悩み全般に関して診療します。今の日本は臓器別専門医が多いですが、総合診療専門医は臓器ごとの「病気」ではなく「病人」を診ているわけです。地域住民の家族構成や職業などをすべて把握した上で医療を提供できることが一つの特技でもあります。

どのような治療をしてもらえるのでしょう?

2 ▲患者本人に合わせた診療を行うため、アプローチ方法もさまざまだ 一般的な治療は全部行います。小児に対する治療から皮膚、整形外科疾患の治療や指を切ったなどの小外科的対応、生活習慣病の管理まで手がけ、内視鏡や腹部エコーでの検査、投薬、注射などあらゆる処置を実施。ほかには健診や予防接種、訪問診療、認知症の診察・診断に加え、家族が認知症になった方の相談に乗ることも。また育児やうつ、不眠の悩みに対応するほか、末期がんのため自宅で亡くなりたいという方の治療も手がけます。できない治療に関しては絶えず連携を図っている専門の先生に迅速に紹介しますし、イギリスやアメリカの研究では、日常生活で直面する体の問題の8割は総合診療専門医のいる医院で完結できるともいわれているんですよ。

他のドクターとの違いはどんなところにありますか?

3 ▲子どもから高齢者まで、家族みんなのかかりつけ医として診療 臓器別専門医は、「肝臓のこの部分を調べて、この部分の細胞に異常がないかチェックして……」などと体をミクロに細分化して診るのが得意です。それに対して総合診療専門医は、「この人にとって仕事の影響はどうか、家族の影響はどうか、社会的には今後どうなっていくか、心理的にはどうだろうか、この地域の人としてはどうなのか」と、患者さんをマクロに大きく診ていきます。例えば小児喘息で来院したお子さんを「家族」という視点で捉え、親御さんの喫煙が原因だとわかれば禁煙治療を同時に行うといった具合ですね。また多職種連携による地域包括ケアのリーダーとして地域的アプローチをしている点も、他の医師との違いといえるでしょう。

地域的アプローチとは、具体的にどのようなことでしょう?

4 ▲地域貢献のため医療生協内はもちろん、地域連携も欠かせない 総合診療専門医は、患者さんに家族の問題や社会の問題、地域の問題が関わってきたとき率先して解決方法を見出すのが得意なので、今話題にのぼっている地域包括ケアシステムのリーダー的立場を担う存在でもあるのです。例えば往診時、食事のできない患者さんを診たところ、入れ歯が合っていなかったとします。その場合、歯科の先生に入れ歯製作の相談を行い、費用の問題が出てきたら介護保険についてケアマネジャーに確認。介護保険が申請されていなければ行政に意見書を書いたり、入れ歯は改善しても食事の用意ができなければヘルパー派遣を依頼したり……といったように、地域のリソースを使いながらその人の生活を支えていく仕事をしています。

総合診療とは新しいジャンルなのですか?

5 ▲総合診療専門医として、個人に合わせたアプローチを行っていく 昔から町のかかりつけ医は、人のことを考え町のことを考えて医療を提供していました。その先生が地域からいなくなると同時に消えてしまっていたものをカテゴリー化し、継承・教育できる形にしたのが現在の総合診療。つまり総合診療という分野は、ソフト面では昔からあったものの、ハード面は最近になって形作られたというわけです。ただ、皆さんに知っておいていただきたいのが、「多くの科を診ている=総合診療専門医」というのは間違いであること。人、家族、思い、心理、社会といった面をしっかり捉えてアプローチしていくこの分野は、きちんと理論を学び、理論を実践にうつせる技術を持って専門的にトレーニングする必要があるのです。

ドクターからのメッセージ

富永智一所長

総合診療専門医は全国的に見ても非常に数が少なく、会ったことのない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、特に高齢者は疾患の根治が難しい場合が多く、「疾患があっても健康に生きるための方法」を一緒に考える立場である総合診療専門医は、高齢化の進む日本にとって不可欠な存在といえるのではないでしょうか。総合診療専門医には「自分のための医療ではなく、患者さんのための医療を提供したい」という思いの強い人が多く、きっとご満足いただけると思いますので、若い方も高齢の方も医療の前に人としてつながり、地域で安心して幸せに暮らしていくために、ぜひ私たちの存在を知って活用していただきたいと願っています。

Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
ドクターズ・ファイルをご活用いただく皆様へ
使い分けよう!「総合病院」と「クリニック」
Promotion landing
外出先でもドクターズ・ファイル
Qr doctor

ドクターズ・ファイルの情報をスマートフォン・携帯からチェック!スマートフォン版では、GPS位置情報を利用した最寄りの病院探しができます。

書籍「頼れるドクター」のご案内

ドクターズ・ファイル特別編集ムック「頼れるドクター」を一覧で紹介します。 →全ラインアップを見る

Odakyu after
Musatama after
Chiyochu after
関連コンテンツ
採用情報『ドクターズ・ファイル』では編集部スタッフを募集しております。 詳細