神山博光院長、神山明子副院長、神山通孝先生の独自取材記事

神山歯科医院

(国分寺市／恋ヶ窪駅)

最終更新日：2021/10/12

西武国分寺線恋ケ窪駅から国立に向かう通り沿いにある「神山（こうやま）歯科医院」は、クリーム色の建物にグリーンのロゴがとてもよく映えるクリニックだ。院長の神山博光先生は、約30年にわたり歯科診療を続けている、経験豊富なドクターだ。クリニックでは妻である明子副院長と、甥の神山通孝先生らと共に診療にあたる。「それぞれの力を結集して、一人ひとりの患者さんのお口を健康にしていくことをめざしています」と神山院長。それぞれの強みを発揮しながら力を合わせて日々の診療にあたる3人の先生に、話を聞いた。

（取材日2016年4月26日）

ハッピーな気持ちで患者と向き合いたい
患者に合わせた嚙み締め症候群の治療を導入
新しい技術や知識を取り入れながら予防歯科に注力

ハッピーな気持ちで患者と向き合いたい

建物がとてもきれいですね。開業はいつですか？

【院長】もとはここから歩いて5分ほどの場所で1987年に開業しましたが、道路事情から2009年に現在の場所に移転しました。一般歯科として幅広い患者さんを診ていますが、当院のドクターにはそれぞれ強みがあり、私は矯正と外科的な治療を得意としています。
【明子副院長】私は口臭ケアやドライマウス、噛み合わせや義歯を主に担当しています。口臭ケアは、専門的に行っている先生のもとで学び患者さんに行っています。今では、遠方からの患者さんも診察しています。口臭が原因で登校拒否や引きこもりになる人もいるほどですが、最も多いのは「自臭症」といって、実際は臭わないのにそう思い込んでしまう症状です。そういった方にも一般の患者さんと同じようにケアを行い、さらに自信が持てるようカウンセリングもしています。そのため初回は時間が3時間くらいかかることもあります。

通孝先生は2016年4月から診療に加わられたんですね。

【通孝先生】私は虫歯の治療や義歯、ブリッジなど幅広く対応しています。以前勤務していた大学病院では、口腔アレルギーの外来も担当していましたので、金属アレルギーの方への対応も得意です。当院はスタッフ全員が仲良く、院長や副院長がスタッフから信頼されていることを肌で感じられるのが良いですね。スタッフの雰囲気の良さが働く人にも影響を与え、それが患者さんにも伝わると思いますから。
【明子副院長】院長は毎朝「今日もみんながハッピーで」という言葉で朝礼を締めるんですよ。それは働く人がハッピーでないと患者さんもハッピーになれないから。そういう気持ちで仕事に向き合うことを大切にしています。

診療において心がけていることはありますか？

【院長】朝礼でも言っているように、いつもハッピーな気持ちを持つようにしています。自分たちが幸せな気分であることは、患者さんに対しても伝わるはずですし、接し方も違ってくると思っています。
【明子副院長】大事にしているのは、患者さんへの治療にベストを尽くすことと、そのための情報をスタッフも含めて共有することです。また初診の患者さんにはコンサルティングを行い、治療に対してどんな不安があるか、どういった治療を希望されるかをしっかりと聞くようにしています。
【通孝先生】患者さんの訴えをよく聞くことを心がけています。歯科に対してネガティブな思いを抱いている人も多いようですが、そうならないようにこまめに声をかけながら、患者さんの声にしっかりと耳を傾けていきたいですね。

患者に合わせた嚙み締め症候群の治療を導入

噛み合わせの治療について教えていただけますか？

【明子副院長】頭痛や肩こり、朝の体調不良といった不定愁訴は、噛み合わせのずれから来ることがあります。一本抜けた歯をそのままにしたり、奥歯が低くなった状態が続くと、食いしばりや歯ぎしりが習慣になり、体の不調が生じてくるのです。矯正や義歯などによる根本的な治療が有効ですが、そういった方法が難しければ、プレートを入れるという治療法もあります。プレートの装着が呼吸をスムーズにし、深い睡眠につながるのです。その結果、血液の流れや神経の圧迫の改善が期待できます。

新しくマウスピース型の装置を使った矯正を始められたそうですが？

【院長】現在、子どもの“ロコモ症候群”が問題になっています。例えば5歳くらいの子どもでも体が曲がってしまっていたり、片足立ちやバンザイ、前屈などがうまくできなかったりするんです。口が開いたままになってしまうのも症状の一つで、顎や首がきちんと成長していないことが原因です。そういった症状を改善するため、夜間に装着するだけで発育に応じた理想的な口腔育成を促す、マウスピース型の装置を用いた矯正を導入しました。口腔本来の正しい成長をサポートすることが、そういった症状に対して一番の予防になるんです。そこに付随して、日中も装着するマウスピース型装置を用いた矯正をすることもあります。

矯正治療では、舌のトレーニングも行っているそうですね。

【院長】矯正をして歯だけを動かしても、舌の動きに癖があると口呼吸になりやすく、せっかくきれいに並んだ歯が元に戻ってしまったり、感染症を引き起こして口内炎ができやすくなったりします。きれいな歯並びを維持するため、矯正治療と一緒に舌のトレーニングも行い、就寝中に口呼吸にならないような方法を指導しています。

予防にも力を入れていると聞きました。

【院長】年齢などによって虫歯や歯周病のリスクが違うので、患者さん一人ひとりに合わせて予防のプログラムをつくります。まず患者さんの唾液を調べて、虫歯や歯周病になる原因がどこにあるのかを突き止めます。口腔内の細菌の質と量、口腔の感受性（唾液の状態）や生活環境などさまざまな要素が数値化されるので、自分自身の状態を客観的に知ることができます。
【明子副院長】歯周内科治療という方法もあります。検査をして、歯周病菌の中でも影響の大きい細菌の数をカウントし、その結果に基づいて薬で除菌をします。薬の服用に加え、細菌に応じて歯磨き粉を使い分けたり、生活習慣を見直したりすることで、口腔内の細菌量を一気に減らすことが期待できます。

新しい技術や知識を取り入れながら予防歯科に注力

他にも診療内容で特徴はありますか？

【明子副院長】義歯は裏側が柔らかく強く噛んでも痛みを感じにくい義歯や、小さく、軽量で修理がしやすい義歯など、さまざまなタイプを用意し、患者さんに合ったタイプをご提案しています。また、メタルフリー素材にも力を入れています。金属は生体に悪影響があり細菌も集めやすいのですが、セラミックやジルコニアなどの素材は体になじみやすく細菌も寄ってきません。また金属のように熱膨張や熱収縮で生じた隙間から細菌が侵入して虫歯になるということもありません。
【院長】ヨーロッパでは、アレルギーの問題から金属はまったく使用しません。メタルフリーの治療は多くの場合自費になりますが、長い目で見ると体のためにも金属は使わないほうがいいのです。

先生方が歯科医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

【院長】私は父が歯科医師でしたが、僕は釣り堀屋の親父になりたかったんです（笑）。でも、母から勧められ、父と同じ道に進みました。
【明子副院長】私の父は内科の医師で、小さい頃から医療関係の仕事に就くようにと両親から勧められていました。他にも受けましたが、現役で合格した歯科大学に進むことにし、歯科医師となりました。ちなみに院長とは、同じ大学の医局で知り合ったんですよ（笑）。
【通孝先生】歯科医師であり院長の兄でもある私の父に影響を受けましたね。患者さんには知り合いも多かったのですが、みんなが父に感謝するのを見て、父のような歯科医師になりたいと思いました。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

【明子副院長】スタッフ一同さらに勉強を重ねて、患者さんたちに還元していきたいと思っています。歯科治療はどんどん新しくなっていますので、今後も新しい知識や情報をできるだけ取り入れ、診療に生かしていきたいですね。そのためにも常に勉強を怠らないようにしていきたいと思います。
【院長】当院が掲げる「本当に必要な歯科医療を提供する」「乳幼児から高齢者まで、ライフステージに沿った治療を提供する」「生涯安定したお口の健康と快適さを維持するための予防とメンテナンスを提供し、スタッフ一同勉強とサポートを行う」という理念は、質の高い予防歯科治療を提供していくことで実現できると思っています。今後も虫歯の原因を突き止め、虫歯が繰り返されないよう予防歯科に注力していきます。