泉医院

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泉康二院長

頼れるドクター

医療トピックス

正しく理解し意識したい副作用
低用量ピル服用による血栓症

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避妊だけではなく、生理中の苦痛を和らげる効果や子宮内膜症の治療にも有効な低用量ピル。多くの女性が活用しているが、その副作用で血栓症が起こることをご存じだろうか。2013年12月に新聞で死亡例が取り上げられて以来、ピルの副作用による血栓症も注目されつつあるが、まだまだ認知されていないのが現状だ。そこで、多くの子宮内膜症患者の治療をしてきた「泉医院」の泉康二院長に、お話を伺った。(取材日2014年8月26日)

副作用や適応年齢など正しい知識を持って有効活用したい低用量ピル

ピルの副作用で怖いのが血栓症だと聞きました。

38799 mt 1 q1 1411559529 ▲ピルの副作用で重篤なものに血栓症がある 一般的に何も服用していない人に比べ、低用量ピルを服用している人は3倍から6倍血栓が増えるといわれており、亡くなった人の多くが、頭にできた血栓により、また足にできた血栓が肺に詰まり、呼吸困難を起こしていることがわかっています。ただ、ピルの服用によって血栓症を起こす割合は、1年間に1万人がピルを服用すればそのうち9人、死亡する人に至っては10万人に1人の割合ですので、それほど確率が高いわけではありません。最も血栓を起こしやすいのはピルを飲み始めて一カ月目から三カ月目までで、それ以降は発症率が減ってきます。副作用について明確に理解している患者さんはまだまだ少ないため、ピルを処方する時は、副作用についての詳しい説明が大変重要です。

血栓症になりやすい年齢や体質はありますか?

38799 mt 1 q2 1411559529 ▲40歳以上には特に注意が必要 まず、40歳以上の方は血栓症を起こしやすいのでピルはお勧めしていません。それに加えて肥満体型(BMI25以上)や喫煙の習慣が、血栓症につながる重要なポイントです。前兆がある片頭痛(閃輝暗点等)がある人は、脳血管障害が発生しやすくなるといわれているため、飲めません。ほかには、高血圧や高脂血症などの生活習慣病の方やお酒を多く飲む人も、脱水により、血液の粘度が高く、血流が悪いため血栓を作りやすくなります。また、仕事や勉強で長時間同じ姿勢でいる場合、いわゆるエコノミークラス症候群になりやすいので、30分に一度はふくらはぎの筋肉を収縮させるような運動を心がけることが必要です。タバコを吸わない、不摂生をしない、基本的な生活をきちんとする。これらはすべての病気につながります。生活が乱れるといざというとき薬も飲めませんから、日頃から健康的な生活を心がけていただきたいと思います。

40歳以上でピルを服用したい場合はどうすればいいですか?

38799 mt 1 q3 1411559529 ▲患者さんの年代や状況によって、その人に合ったものをじっくりと説明してくれる 例えば子宮内膜症で30代からピルを服用していた人などの場合は、ディナゲストという子宮内膜症の薬やミレーナという黄体ホルモンの付いた避妊リングなど、別の物に切り替えていきます。ただ、ディナゲストは低用量ピルに比べて値段がその約3倍、ミレーナは保険適用となり約1万円です。またミレーナは子宮内に装着するので、子どもを産んだ経験がなければ適応外ですが、その時は、挿入時に痛み強く、子宮口を広げる処置や麻酔が必要になることがあります。当院では、患者さんそれぞれの症状や生活の状態をみながら、ご要望に合わせて、ピルを服用する以外の方法もご提案するようにしています。

血栓症と思われる症状があった場合、どう対処すればいいですか?

38799 mt 1 q4 1411559529 ▲体の健康だけでなく、心の健康も大切にする、泉医院 突然の片方の足の痛みと腫れ、手足のしびは、足の血管の血栓。押しつぶされそうな胸の痛み、息苦しさなどの症状は、血栓が肺動脈に詰まってしまっている可能性があります。その場合はすぐにピルを飲むのを止めて、循環器内科を受診してください。D-ダイマーという検査で数値が高ければ血栓症の疑いがあるので、入院して血栓があれば、血栓を溶かす薬を使うことになります。また、痛み止めが効かないような激しい頭痛、吐き気、ろれつが回らないといった脳梗塞の症状があれば脳外科で、CT、MRI検査を受けてください。症状に気づき早期に対応できれば命に別状はありません。緊急性の高い場合は、救急対応のできる大きな病院へいくことをお勧めします。そして、検査が終わり落ち着いたら、かかりつけの産婦人科に報告していただければと思います。

循環器内科や脳外科を受診する際、気を付けることはありますか?

38799 mt 1 q5 1411559529 ▲ピルを服用している時は、そのことをきちんと医師に伝える必要がある 忘れてはいけないのは「ピルを服用しています」と伝えることです。これまでの血栓症による死亡例では、患者さんがピルを服用していることを伝えていなかったために、血栓症が見逃されている例がいくつもありました。そこで厚生労働省が作成を促したのが「患者携帯カード」です。このカードは、患者さんへの副作用の意識付けであると同時に、医師に対して、血栓症の疑いがあることの呼びかけでもあります。ピルを処方する際には必ず一緒にお渡ししていますので、もしも血栓症の疑いがあり医療機関を受診した場合には、必ず医師に提示してください。それによって血栓症の早期発見につながり、健康を害することなくピルの服用を続けることができます。

ドクターからのメッセージ

泉 康二院長

規則正しい生活、禁煙、体重増加に気を付けていただければ、ピルはとても利用価値の高い薬です。死亡例がつづけて出たことで危険視されていたヤーズですが、最近のデータではほかのピルと違いはあまりないようです。ヤーズは男性ホルモン作用がないのでニキビができない上、利尿作用がありむくみもないので、女性にとってはよい薬だと思います。低用量ピルは子宮内膜症の治療や避妊のほか、月経過多やPMS(月経前緊張症)にも効果があります。また、生理痛がひどく経血の多い人が将来的に子宮内膜症になることを抑制する効果も。使い方次第ではとても有効な薬なので、副作用について意識しながらも、極端に恐れず使用してみてください。保険適用かどうか、使用目的などお話しながらその方にあった物をお勧めしていきますので、何か困っていることがあれば、気軽にご相談ください。

記事更新日:2016/01/24
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