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松田 昌之 院長の独自取材記事

松田クリニック

(立川市/立川南駅)

最終更新日:2024/04/15

松田昌之院長 松田クリニック main

立川駅南口より徒歩約5分、錦町二丁目交差点からすぐのところにある「松田クリニック」。先代が開院してから30年以上にわたり、地域に根差した耳鼻咽喉科の診療に取り組んできた。繁忙期は1日300人の患者が来院し、平時でも1日200人の患者が訪れる。待ち時間が長くなってしまうことも多々あるため、ウェブ問診システム、ウェブ予約システムを導入し、終日二診での診療体制を敷き、スムーズで効率的かつ丁寧な診療に取り組んでいる。「どのような人でも通院しやすい環境づくり、その人のライフスタイル、悩みに寄り添った診療を大切にしています」と静かながらも熱のこもった口調で話す松田昌之院長に、同院のことや診療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2024年2月16日)

耳鼻咽喉科に対するネガティブなイメージを払拭したい

最初にクリニックを紹介していただけますか?

松田昌之院長 松田クリニック1

当院は先代である父から30年以上続く耳鼻咽喉科のクリニックです。0歳の小さなお子さんから、ご高齢の方まで幅広い世代に利用していただいており親子3世代で利用されている方々もいます。専門性の高い診療に偏るのではなく、当院でできる範囲のことはできるだけ自分たちで解決できるよう心がけていて、それが難しい場合には対応できる医療機関に紹介しています。現在、医師は私と父、妻と副院長の4人で、基本的に二診体制で診察しています。副院長は医学部時代からの付き合いで、出身医局も一緒で、気心の知れた人物です。父と妻も信頼できる人で、それぞれが責任を持ちながら共通の認識を持って診療を行っているのは、特徴の一つだと考えています。

先生が院長を引き継いだ時のことを教えてください。

2021年夏に父の持病の悪化により引き継ぐことになりました。もともと継承する予定ではありましたが、思っていたよりも急であったこともあり、準備期間がなかったので、当初は大変なことが多くあり、医業に関してというよりは、それ以外の面にも注力する必要がありました。また、自分が理想とするような診療ができない環境と、当時の体制をすぐには代えられない葛藤でとても悩みました。医学部では医療に関しては嫌と言うほど学びますが、病院経営や開業医の心得は学びませんでした。そのため、毎日寝る間を惜しんで本を読み漁ったり、先輩開業医の先生の話を聞きに行ったり、空いた時間で病院見学に行ったりと、大変だった事を覚えています。結果としては、改めて患者さんの立場に立って考える事や、スタッフの人達とより良い病院を作るためにはどうしたら良いかを話し合うきっかけとなりましたので、大変でしたが今思うと有意義な時間であったと思います。

理想とする診療とはどのような診療でしょうか。

松田昌之院長 松田クリニック2

一般的には耳鼻咽喉科という科は待ち時間が長い、痛い、こわい、というイメージを持っている人も多いと思います。そのようなイメージを払拭できるよう、待ち時間を減らし、痛みに配慮し、ここであれば通院したいと思ってもらえるような診療を心がけています。通院が苦になる事で病気を放置してしまい、慢性的な病気をこじらせ、大事に至ってしまうことも多く見受けます、そのような人達を1人でも減らす事も自分達の使命と考えています。そのためにはどのような病気で、どのような治療をする必要があるのか、納得した上で通院して頂き、病気に対する検査と治療がしっかりとできるような環境作りをしていく事が、自分の理想とするような診療にむすびつくと考えています。

リフォームにより診療の効率化、受診のしやすさを追求

継承してからリフォームをされたとお聞きしました。

松田昌之院長 松田クリニック3

継いで早々に自分の理想とする診療に近づけるよう、リフォームに着手しました。時代錯誤であったスリッパに履き替える制度を廃止し、待合室にはテレビや本棚を設置、診察室の増設、処置室、隔離室の増設、聴力検査室の隔離など全面的なリフォームを行いました。また内視鏡の入れ替え、超音波検査機器、炭酸ガスレーザーの導入、電子カルテの見直し、キャッシュレス決済の導入など、効率化と通院のしやすさを考えてリフォームを行いました。この時は、スタッフとも何度も話し合い、理想に近づける事ができたと思います。またスタッフとの距離も縮まり、気持ちよく働いて貰えるようになり、とても良いリフォームができたと思っています。この時はリフォーム会社さんを中心に多くの人の手助けや、協力もあり、無事にリフォームが終わった時には、日々の診療ができることは多くの支えがあってからこそと、身の引き締まる思いを感じたのをよく覚えています。

継いでから大きく変わったことがあれば教えてください。

待ち時間はかなり短縮されたと思います。平均的な待ち時間は当時であれば1時間程度であったかと思います。現在は予約者の平均待ち時間は15分程度、予約外でも1時間待たせることは稀です。どうしても、土曜日や、繁忙期、緊急の処置が入った場合などはその限りではありませんが、以前に比べ通院がしやすくなったという声を多く頂戴しております。スタッフの人数は当初は6人でしたが、現在は16人となりました。マンパワーが増えた事で、行える検査も増えました。しっかりと検査を行い、根拠を持って治療ができるようになりました。効率化を図りながらも、診療の質を落とさずに患者さんと向きおあう時間を大切にできていると思います。個人的には、自分が引き継いでから入職してくれたスタッフが、一人も辞めずに続けてくれている事はとてもうれしくあり、頼もしくもあります。

診療の際に心がけていることはありますか?

松田昌之院長 松田クリニック4

まず、父からは「病気だけではなくて、病気の背景にあるものもしっかり診て、それに対して何かしらのアドバイスができるように」「人に寄り添うように」とずっと言われてきたので、そのことを意識しています。加えて、常に患者さんを自分の家族だと思い接することを念頭に置いています。研修医時代に患者さんの主治医になった時に「先生の家族だったらどうしますか?」と聞かれ、すぐに答えられなかったことがありました。その時初めて、患者さんや患者さんの家族の不安な気持ちが理解できたと思います。それ以降は常に自分の家族だったらどうするかという気持ちを持って診療するように努めています。また、患者さんによっては詳しく状況を知りたい人もいれば、薬を処方して早く診療を終わらせてほしい人もいます。そういった事情をできるだけくみ取って対応して、患者さんの精神的な部分にも寄り添うことができるよう心がけています。

患者の精神的なストレスにも寄り添いたい

精神的な部分とは、どういうことでしょうか?

松田昌之院長 松田クリニック5

耳鼻咽喉科は感覚器を扱いますから、診察して所見がない場合でも、本人はとてもつらいめまいや耳鳴り、痛みや喉の違和感などの症状を抱えていることもあります。そんな時は精神的な部分が関係していることも多いです。ストレス社会といわれ、無理をしている人たちも多くいると思います。私も過去に挫折や悩みを抱えた経験がありますので、患者さんの気持ちの中でも理解できる事が多くあると思っています。それと、私はかなり心配性で、何かあったら嫌だなという患者さんの気持ちはよく理解しているつもりです。痛い事も嫌いなので、喉の内視鏡は極細のものを使用しているなど配慮しているつもりです。石橋をたたいて渡る慎重派なので、逆に言えば、自分が「大丈夫です」と言ったら安心していただきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

松田昌之院長 松田クリニック6

私が医師を志したのは、自分が病気でも休みなく患者さんのために働いていた父の姿に憧れたからです。正直勉強は苦手でしたし、襟を正して生きてきたわけでもないので、その道は険しく挫折しそうになったこともありました。そのような経験の中で、多くの人と出会い、多くの人に支えられ、今があり、人の痛みや、気持ちがわかるような人間になれたと思っています。父はどちらかというと大胆で私は慎重、似て非なる所がありますが、お互い患者さんのためにという気持ちは同じだと思っています。耳鼻咽喉科がこわい人や抵抗がある人もいるかもしれませんが、受診して頂ければ自分と同じような症状に悩んでいる人が意外と多いことが安心につながったり、ちょっとした治療が改善の糸口になったりすることもあります。長い期間通院が必要な人もいますが、どのような人でも通いやすい環境づくりを大切にしています。いつでも安心して相談にお越し頂ければうれしいです。

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