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小川 哲史 院長の独自取材記事

小川クリニック

(小平市/小川駅)

最終更新日:2022/04/13

小川哲史院長 小川クリニック main

「本屋でいい絵本を探して購入するんですよ」。その絵本が置かれる場所は、西武新宿線小川駅から徒歩6分の静かな住宅地にある「小川クリニック」。2014年に開業以降、小川哲史院長は診察に訪れる子どもが飽きないように定期的に本を手に入れるそうだ。診察を終えた子どもにはちょっとしたご褒美をあげることもあるという。そんなふうに子どもに優しいまなざしを向ける小川院長だが、内視鏡を中心とする消化器系のスペシャリスト。そのため、同院には乳児から高齢者まであらゆる年代の地域住民が訪れるという。そんな患者らに「小川クリニックに相談してみよう、と思ってほしい」と話す小川院長にじっくりと話を聞いた。

(取材日2016年9月3日)

行き先に迷う患者が気軽に相談できるホームドクター

こちらの診療内容は幅広いようですね。

小川哲史院長 小川クリニック1

近隣住民には高齢の方が増えているのですが、大きな病院も開業医院も多くはない地域なのです。高齢者というのは、患っている病気が一つでないことが多いんですよ。心臓も肺も代謝も悪い上に、フレイルといわれる足の筋力が落ちた状態になり、さらに認知症も患っているなど、いろいろな疾患が重なるんです。そういう方に、「うちでは心臓は診ることができないんです」と言うわけにはいきません。そこで、呼吸器や循環器の疾患も、皮膚や泌尿器、婦人科系の疾患も、お子さんも、幅広く診察することに努めています。乳児からお年寄りまでのホームドクターをめざしているんですよ。総合病院などで救急医療や専門医療に携わってきた経験が生きていますね。

幅広い診療に加え、検査も充実しているようですね。

大きな病院に勤務する中で目の当たりにしたのは、専門を細分化すればするほど、どこで受診すればいいかわからず迷う患者さんの姿です。行き場がなくなるんです。また、適切な診療科に行きつけたとしても必要な検査を遠方の病院で実施するとなると敬遠する人もいます。特にお年寄りの方は、遠くまで何度も足を運ぶことを避けますね。一方で、働き盛りの世代は検査のために時間を取る余裕がない。皆さんが思うのは「できればこの場で検査も診断も解決してほしい」ということ。ですから、当院では検査も充実させているのです。

どんな検査を受けることができますか?

小川哲史院長 小川クリニック2

まず、超音波検査です。頚部、甲状腺、心臓、腹部、乳腺、末梢動静脈を診ることができる超音波機器を導入し、専門家が検査を実施します。1日中胸に機器をつけて生活しながら実施する24時間心電図検査も実施しています。着用しながらシャワーも浴びることができる新しいタイプの器機を使用しています。糖尿病の患者さんに必要なHbA1C検査の結果は10分弱で判定します。リアルタイムで結果を出すことで、生活習慣の改善も行いやすくなります。また、私が以前勤務していた病院からは管理栄養士にも来てもらっています。糖尿病の患者さんには複数回にわたって細かく具体的に食事指導をすることで、腎臓病を併発させるリスクを減らすことができているんですよ。また、慢性の咳や無呼吸症候群の診断も実施。内視鏡検査は胃のみに対応しているのですが、小さながんの発見に有効な2種類のレーザー光線を発する機器を導入しています。

「最後の砦」に頼る患者を、ありのままに受け止める

院長の経験を詳しく教えてください。

小川哲史院長 小川クリニック3

1987年に愛媛大学医学部を卒業後、1992年からは癌研究会附属病院内科に勤務しました。2009年には太田総合病院消化器内科部長、2011年には埼玉石心会病院副院長および消化器内科統括部長も歴任しました。専門は消化器なのですが、診断の幅が狭くならないようにといろんな科を回ってきたことが強みですね。何よりも、そのほうがおもしろいですから。消化器科では胃がんや大腸がんをはじめ、胆のうや肝臓の疾患の治療にも携わってきました。肝がんのカテーテル治療も経験しています。小児科の経験は研修医時代や救命救急に携わる中で積みました。開業後も、前職の小児部長に相談するなどして勉強を続けています。

開業されたきっかけは?

当院で開業しないかと誘っていただいた時、最後に属していた病院ではちょうど人員が入れ替わる時期でした。そこで、思い切って、細分化された病院で行き場がなくなる患者さんが困らないよう「全体を診る」治療を自分の力で実現してみようと開業を決意しました。実際に、「どこへかかればいいかわからない」「何とかしてほしい」とすがるような思いで来る患者さんが同院にはたくさんいらっしゃいます。その方々の症状がどんどん良くなり、ホームドクターとして私を頼りにし続けてくれる姿を見ると、とてもやりがいを感じます。これが本当の医療なのかなと初めて気付きましたね。

患者さんに接する上で心がけていることはありますか?

小川哲史院長 小川クリニック4

患者さんの立場になって優しく接することです。間違ってもドクターハラスメントはいけません。例えば、糖尿病の治療では食事療法が大切ですが、指導通りにできない患者さんもたくさんいらっしゃいます。でも絶対に責めてはいけないと思っています。責めたら患者さんは来院しなくなるでしょう。クリニックは患者さんにとって最後の砦。そこに来なくなったら大変。ですから、指導通りにできていないことも含めてありのままの患者さんを受け入れる努力をしているつもりです。「ここに来れば安心。怖くない」と思ってくださったらうれしいですね。

「ここに来たら安心」と思えるクリニックをめざす

医師をめざした理由を教えてください。

小川哲史院長 小川クリニック5

本当は、理工系に進学して物理学者になることをめざしていたんですよ。でも、ものすごく好きだった子が、体が弱くて……。進路を変更して医師をめざしました。そんなきっかけで入ったのが愛媛大学医学部。そうした中で最初に興味を持ったのは小児科と循環器科でしたが、先輩に誘われて最終的には消化器科に進むことにしました。やってみるとすごく興味が出てきて……。内視鏡のように即決できる治療は、外科以外ではなかなかないですからね。また消化器が扱う臓器は多岐にわたります。とはいえ、消化器だけでは診断の幅が広がりませんから、さまざまな科で臨床を経験してきました。

常に明るい院長ですが、ストレス解消法などがあるのですか?

ストレス解消法は飲むことですね。今は朝の5時半に起きて、毎日電車で通勤しているんですよ。事務処理も自ら担当しますから、帰宅は夜9時過ぎ。そこから飲むお酒はおいしいんですよ(笑)。あと、音楽が好きです。昔は吹奏楽のホルンをやっていたのですが、今は妻に引き連りこまれて合唱に夢中になりました。地元の音楽祭に参加しますし、ホールでも歌ったことがあるんですよ。それなりの衣装を着て、振り付きで歌うんです。振りも自分で考える。「だめ出し」されますがね。クリスマスに向けてこれからが演奏会で忙しい季節。診療以外は振り付けのことばかり考えています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

小川哲史院長 小川クリニック6

余裕ができたらクリニックを改装して診察室や医師を増やし、患者さんの待ち時間を減らしていきたいと考えています。現在、診療受付サービスという順番を取っていただけるシステムを導入しています。これにより待ち時間は短くなったのですが、それでもまだお待たせしてしまっています。とても心苦しいのですが、ご理解いただければ幸いです。また、在宅医療の必要性も感じています。日本の高齢者はヨーロッパなどと比較すると経済的に貧しく、最後はつらい思いをしている方が多いと感じます。足腰が弱まるフレイルの状態にある患者さんに、在宅医療やリハビリテーションを提供できるような医療制度を地域で総合的に提供していきたいですね。とはいえ目の前には患者さんがいます。このクリニックを「ここにかかれば大丈夫」と思っていただき、同院にかかることで専門病院にかかる回数を減らしていきたい。どんな症状でも、まずは気軽に安心してご相談ください。

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