医師・技師のチームワークによる
「がん」に特化した画像診断
東京都がん検診センター
(府中市/西国分寺駅)
最終更新日:2020/09/24


- 保険診療
がんの早期発見・診断に重要な画像診断。検査装置を使って体内の様子を画像として映し出し、それをもとに診断につなげていく方法だ。画像診断には放射線を利用した検査と超音波検査があり、それぞれ得意とする役割や部位があるという。今回は、呼吸器内科の鳥居陽子医長、乳腺腫瘍外科の松浦篤志医長、診療放射線技師である關根俊光放射線科技師長、山岸史明放射線科主任、臨床検査技師である伊藤美佳検査科技師長、酒井忍検査科主任といった医師と技師の連携が不可欠だという、「東京都がん検診センター」の質の高さにこだわった検査と画像診断について詳しく聞いた。(取材日2020年1月16日)
目次
5大がんに特化。診療放射線技師・臨床検査技師と医師の連携により行われる画像診断のメリット
- Qこちらでは、どのような画像診断を行っているのでしょうか?
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A
▲さまざまな検査に対応
画像診断には、放射線を利用した「放射線診断」、超音波を利用した「超音波診断」があります。当センターの放射線診断では、胸部のエックス線撮影やバリウム(造影剤)を使った胃や大腸の消化管造影検査、CT検査、マンモグラフィ検査の画像診断に対応しています。また、読影環境として、解像度を重視したモニターを整備しています。
- Q放射線検査について教えてください。
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A
▲検査設備も充実
バリウムによる胃の消化管造影検査は、標準化された撮影法を遵守しています。CT検査では、一般的な単純・造影検査に加え、大腸CT検査や低線量CT肺がん検診も行っています。マンモグラフィでは通常の検査の他、トモシンセシスによる断層撮影やマンモトーム生検も乳腺腫瘍外科の医師とともに対応しています。また、検査を行う診療放射線技師はそれぞれ専門的なトレーニングを積んでおり、特に消化管造影検査やマンモグラフィについては、院内外の講習会で講師として指導を行っている技師が責任をもって検査を行っていることと、適切な放射線診療を行うに十分となる線量を選択し、できるだけ少ない被ばく線量で検査に対応しています。
- Q超音波検査にはどのような特徴がありますか?
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A
▲それぞれの検査で、専門性の高さを追求
当センターは、腹部超音波検査、造影超音波検査、乳腺超音波検査など、専門的な分野の超音波検査を行っています。特に、乳腺超音波検は、一次検診で異常が見つかった方の精査を目的に実施する場合が多いため、腫瘍などの病変を見逃さない高度な専門性が要求されます。そのため、マンモグラフィ読影の基礎知識も習得するなど、検査精度向上に努めています。さらに、良性と悪性の病変を色で判別するエラストグラフィを用いて客観的に病変の性状を判断しています。また、検査を担当する臨床検査技師が、勉強会や講習会に参加して先端の技術や知識を習得し外部精度管理に参加し、安心して精度を重視した検査を受けていただけるよう努めています。
- Qこちらで検査を受けるメリットについて教えてください。
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A
▲スタッフ一丸となり、日々の診療に臨む
画像診断においては画質の精度管理や撮影技術、読影のスキルが診断精度を左右すると考え、当センターでは医師も技師も専門的知識や技術の研鑽に励んでいます。基本的に診察日当日中に画像検査を行い、迅速に結果報告書を作成しています。また、内容によっては当日ご依頼をいただいた検査にも対応できることから、短い待ち時間で精度を追求した検査を提供できるといえるでしょう。これは患者さんにとっても大きなメリットだと思います。
- Q患者の負担を軽減するための配慮について教えてください。
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A
▲女性専用の待合スペースの設置など、細かい部分にも配慮
放射線科ではマンモグラフィ検査の待合として女性専用スペースを設置し、撮影時は専用の検査着の着用により、必要最低限の露出で検査を受けていただきます。また、大腸CT検査では前処置に服用する薬剤の量が200㏄程度と少量なため、受診者の負担軽減につながっていると思われます。検査のことや前処置方法がわからない時などは電話でのサポート体制もありますので、お気軽にご相談ください。検査科では、超音波検査を行う技師が全員女性、かつ待合室の一角をパーティションで区切り、なるべく男性の目線を気にせずお待ちいただけるようにしています。採血室も、部屋の外から見えないようにパーティションを設置するなど配慮しております。