全国のドクター9,358人の想いを取材
クリニック・病院 161,013件の情報を掲載(2021年3月05日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 府中市
  4. 西国分寺駅
  5. 公益財団法人東京都保健医療公社 東京都がん検診センター
  6. 阿部 和也 所長

阿部 和也 所長の独自取材記事

東京都がん検診センター

(府中市/西国分寺駅)

最終更新日:2020/04/01

38173

JR線西国分寺の駅から車で約5分ほど。「東京都がん検診センター」は、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がんの5大がんの検診に特化したがん検診専門施設。2025年には隣に立つ「多摩総合医療センター」と合併する計画が発表されたばかりだが、阿部和也所長は「受診者にとって負担が少なく、見逃しの少ない質の高い検診をめざしていくことに変わりはありません」と話す。専門性の高い技術やこまやかな配慮など、検診に特化した施設ならではのメリットを聞いた。
(取材日2019年8月14日)

5大がんの検診に特化した施設

こちらの施設の概要について教えてください。

1

もともとは東京都が検診事業に力を入れようと、御茶ノ水に「東京都がん検診センター」を設けたのが始まりです。 当センターはその多摩地区の支所という形で、1990年に設立されました。その後御茶ノ水のセンターがなくなり、ここが「東京都がん検診センター」となったわけです。がんの中でも胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がんの5大がんの検診に特化しています。主に多摩地区の自治体や企業の検診を引き受け、先方へ検診車を出すなどして検診を行ってきました。2019年の3月に「多摩メディカル・キャンパス整備基本計画」が発表され、ここは2025年にお隣にある多摩総合医療センターと合併し、がん医療の高度化を図ることになりました。それに伴って、一次検診は段階的に縮小・廃止となり、二次検診、いわゆる精密検査を拡充し、重点的に行う施設となる予定です。

今後は二次検診に特化していくわけですか。

はい。一次検診で異常が見つかった方に対しての精密検査を充実させ、治療部門と組織も一緒、文字通り一体となって診療を行っていくことになります。ここで強調したいのは、われわれの質の高さにこだわった検診機能がそのまま、病院の一部に組み込まれていくんだということです。時々「検診センターはなくなってしまうんですね」というお声をいただくんですが、決してそうではないんです。名称はなくなるものの、専門性の高い検診は引き続き受けられます。

二次検診は受診率が悪いそうですね。

2

二次検診の受診率が低いことはどこの自治体でも悩みの種になっています。受診率の数字が低い理由は、一つには一次検診で引っかかったら二次検診に行かずにそのまま一般的な医療機関を受診する方が多く、その数がつかみきれていないこともあると思います。ただそうはいっても、ひっかかった方全員が病院に行っているわけではなく、二次検診に行かない方が多いのも事実です。検診でひっかかったのはやはり理由があるからで、なるべく二次検診を受けていただきたいですね。私たちもさらに啓発をしていかなければならないと思っています。私たちは検診に特化した施設として、その質に自信と誇りを持っています。ぜひ精度の高さを重視した二次検診を受けていただきたいですね。

受診者の負担が軽く、質の高さにもこだわった検診を

こちらでは技術スタッフの研修や講習も行っていらっしゃいますね。

3

細胞検査士の養成所を持っているほか、マンモグラフィ読影技術の講習会などを行って、がんの検査や診療に携わる医師、専門技術者の知識・技術の向上に努めてきました。合併に伴って、養成所をはじめ今の形ではなくなりますが、これまで培ってきたスタッフの知識や技術は、これからもさまざまな場面で発揮されると信じています。苦情やトラブルが非常に少なく、多方面から信頼を得てきたのもスタッフのおかげと思っています。

スタッフについて、もう少し詳しくお聞かせください。

当センターに在籍するスタッフは豊富な検査経験を積んでいます。放射線技師も女性が多く、マンモグラフィなども安心して受けていただけるのではないでしょうか。内視鏡検査に関しても、専属の看護師がいるところは珍しいのではないかと思っています。合併後も、優秀な医師と看護師の熟練チームがそのままユニットとして多摩総合医療センターに移る予定です。患者さんの負担が少なく、結果に関してもこれまでと変わらず質の高さにこだわった診断ができるように尽力していきたいと思います。

今お話にあったように消化器系の内視鏡検査には力を入れているとか。

4

消化器系の検査の質には特にこだわりをもっていますね。精密検査を行うことで、問題があるかないかははっきりわかります。そういった精密検査の能力を生かそうと、今自治体と一緒になって検診で内視鏡検査を行う取り組みも進めています。胃の検診は胃カメラでというように、検診を内視鏡で行う動きが広まっていますが、そのためにはクリアしなければならない課題があります。一つは検診の精度を確保すること。もう一つは撮影した写真をダブルチェックするシステムをつくることで、どちらもなかなか大変です。それを今私たちの施設で、自治体、具体的には府中市と立川市をバックアップしようとしています。

内視鏡を使わない大腸検査もあると伺いました。

CTコロノグラフィー検査のことですね。大腸の壁は非常に薄いので、内視鏡検査で破れてしまうことがあり、特にご高齢の方の場合、行わないほうがいいとされています。そういったときにこのシステムを使うと、CTで撮影した画像を立体的に再構成し、大腸の中が観察できるようになります。下剤の量も少なくて済み、患者さんの負担が少なくなります。また、肺がんの検査には低線量CTが導入されています。通常のエックス線検査に比べ、放射線の被ばく量が4分の1に抑えられ、エックス線では観察しにくい場所のがんも発見できるのが特徴です。

患者の気持ちに寄り添う診療をめざす

先生は診療なさるとき、どういったことを大事になさっていますか?

5

患者さんの気持ちに寄り添うということでしょうか。検診にいらっしゃる方は、自分はがんかもしれないという不安を抱えておいでです。結果についてどうお伝えするか、ご本人の気持ちを考えながらお話しするようにしています。実際には検査結果は郵送のことが多いのですが、胃・大腸検査で画像を見ながら診断内容をお話しすることがあります。ちょっとした言葉の選び方で、受診する方の安心感が違ってきますから、細心の注意を払うよう心がけています。

こちらにはがん相談の外来がありますが、どのようなことを行っているのでしょうか?

先ほどもお話ししたように、がんの患者さんやご家族は不安でどこへ持っていっていいのかわからない悩みをお持ちです。治療や療養中の会社との問題などはそれぞれの専門家にお任せするとして、「なぜ私はこんな病気になってしまったんだろう」「今までの私の人生っていったい何だったんだろう」というような問いかけ、あるいはご家族だったら患者さんへの寄り添い方など、生きていくことそのものに関わる悩みをお聞きしています。現在は月に2回、1回1時間をとって保険診療で行っています。話をするだけで気持ちが軽くなることもあります。ほっとなさるのか、受診前と受診後でお顔の表情がまったく変わるような方もいらっしゃるんですよ。何か不安があればお訪ねください。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

6

一次検診でひっかかっても、「何も自覚症状はないし、まあ大丈夫だろう」「来年の検診でもひっかかったら診てもらおう」と二次検診を受けない方は少なくありません。でも早期発見、早期治療が何よりなのです。私たちは受診される方に負担の少ない検査、見逃しの少ない診断を提供しています。それは多摩総合医療センターと合併後も変わりません。病気でなければそれでいいのですし、ぜひ安心のために、二次検診を受けていただければと思います。

Access