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隠岐 直紀 院長の独自取材記事

おき医院

(府中市/武蔵野台駅)

最終更新日:2021/10/12

隠岐直紀院長 おき医院 main

京王線の武蔵野台駅より徒歩3分。「おき医院」は2005年の開業より、地域の子どもたちの成長をサポートし続けてきた小児科専門の医院だ。隠岐直紀院長はアレルギーや皮膚疾患の診療に注力しており、特にアトピー性皮膚炎や乾燥肌の治療を得意とする。食物アレルギーの診療では、自宅でもできる負荷試験と除去試験の指導も実施。アレルギー症状の根本的な改善となるダニ・スギの舌下免疫療法など新たな治療法も積極的に取り入れている。また、「患者さんをお待たせしないために」という思いから、インターネットによる順番予約制も取り入れて通いやすさにも配慮。「お母さんと一緒に、お子さんの成長を支えていきたい」と優しく話す隠岐院長に、診療の心構えや注力している治療について話を聞いた。

(取材日2015年1月23日)

子どもが安心できるように、まず笑顔で「こんにちは」

初めに小児科の医師になられた理由について教えていただけますか?

隠岐直紀院長 おき医院1

昔から「人」と関わるのが好きだったからです。ですので、将来は「人」と向き合える仕事に就きたいと考えていました。特に子どもが好きだったので、学校の先生も候補の一つでしたね。ですが、医学部5年生の時、アジア医学生交流会というフィールドワークに参加したのをきっかけに、小児科の医師をめざそうと決めました。私は夏休みを利用してタイの病院を見学に行ったのですが、そこで小児科の女性ドクターがお子さんを診療している姿を拝見して、深い感銘を受けたのです。お子さんへの優しい接し方や医療に真剣に取り組む姿勢に感動し、改めて小児科の医師への憧れを強くしたのを覚えていますね。

診療室にはお子さんたちが描いた絵が飾られているのですね。

お子さんと仲良くなると、みんなお友だちのような感覚で絵を描いてプレゼントしてくれるのです。せっかく描いてくれたのだから、より多くの方に見ていただきたいと思い、診療室に飾り始めました。すると、自分の絵が飾られているのを喜んでくれたお子さんが、「また描いたよ」と新しい絵を持って来てくれるようになりました。その繰り返しで、うれしいことに飾り切れない数の絵をいただきましたね。今はすべてファイルにまとめて多くの患者さんに見ていただいたり、ホームページに掲載したりしています。そんな手書きの絵と、緑と木を基調とした院内で、患者さんに温かみを感じていただきたいと思っています。

お子さんと接する際に気をつけていることを教えてください。

隠岐直紀院長 おき医院2

私は診療室に入ったらまず、お子さんのお名前を呼んで「こんにちは」と笑顔であいさつしています。それを繰り返すことで打ち解けてくれる子が多いのですよ。痛いことをされるのではないかと怖がっているお子さんもいますから、キャラクターの人形を置いたり、学校の話から始めたりと、リラックスしてもらえるよう心がけています。また小学生くらいのお子さんの場合、お母さんからではなく、なるべくお子さんからお話を伺いたいと考えています。お子さんが感じている症状やお悩みを直接くみ取り、お母さんに補足していただくことで、より正確な情報を得られるからです。お子さんは正直ですから、好いてくれれば、笑顔で抱き付いてきたり、手を握ったりしてくれるんですよ。これは小児科の医師として喜びを感じる瞬間でもありますね。

ダニ・スギ花粉の舌下免疫療法にも注力

こちらの医院で注力されている診療は何ですか?

隠岐直紀院長 おき医院3

アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎、じんましん、花粉症などのアレルギー疾患に対する指導・治療です。中でも近年注目されている食物アレルギーの治療には力を入れています。食物アレルギーは、検査だけでは正しい診断はできません。そのため、実際にアレルギーの原因と思われる食物を摂取していただき、原因食物を見つけ出す「負荷検査」と「除去検査」を行う必要があるのです。当院では、入院せずともご自宅にてできる負荷試験を行っています。この子であればこのぐらいの量を与えても支障がないという、お子さんそれぞれで目安が違うので、そこを指導しているのです。食物アレルギーは、腸管の成長と共に治っていくものが多いため、時期を見て負荷試験を行い大丈夫か確認していく必要があります。そうして、何でも食べられる未来を作ってあげることこそが、お子さんの健やかな成長を願う親御さんの務めだと思います。

舌下免疫療法にも力を入れていると伺いました。

はい。舌下免疫療法とは、ダニやスギ花粉などのアレルギーの原因となる物質を少しずつ体内に入れて症状を緩和させていく治療法です。これまで減感作療法という同様の効果を期待できる治療法があったのですが、薬剤を注射する痛みが患者さんにとってストレスでした。舌下免疫療法は薬剤を舌の下に投与するだけですので、自宅でも簡単に行えるのが利点です。当院では今までに100例以上の患者さんにこの治療を受けていただき、今も継続して治療中です。その中でトラブル時(風邪や胃腸炎にかかってしまった時、旅行で薬を持ち忘れた時など)の対処法もたくさん経験を積んできましたし、治療のやめ方も私なりの視点で見据えられるようになってきました。

先生は日本小児科学会の小児科専門医でいらっしゃるそうですね。

隠岐直紀院長 おき医院4

はい。子どもの診療は、急変が多い、自分で症状をうまく説明できない、採血や検査を嫌がってしまうといった子どもならではの事情があるので、小児科を選ぶ際は専門的な対応ができる医師にかかることをお勧めします。子どもが言葉にできない症状をお母さんのお話やお子さんの表情などからくみ取らなければならないことなどもあるので、独特の難しさがありますね。あと大人の場合は慢性疾患が多いですが、子どもの場合は急性疾患が多く、朝は元気だったのに、夜に体調が急変してしまうということも少なくありません。そういった子ども特有の病気や症状の現れ方に対応できるのは、やはり経験豊富な小児科の医師ならではだと思いますよ。

家族と一緒に子どもの成長をサポートしていきたい

健康を維持する上で気をつけていることや、リフレッシュの方法を教えてください。

隠岐直紀院長 おき医院5

中学時代に軟式テニス部、高校から大学まで硬式テニス部に所属していたので、今でも週に1回はテニスをしています。汗を流すスポーツは良いリフレッシュになりますね。また高校生の頃から始めたドラムを今も趣味として楽しんでいます。近隣の医院の先生や薬剤師さんたちとバンドを組んで、ライブハウスで演奏したりもしているんですよ。自宅に電子ドラムもあるので、休日になると叩いています。いいストレス発散にもなりますね。趣味やスポーツで体を動かして、楽しみながら健康を維持しています。

開業から10年。振り返ってみていかがですか?

開業当初から多くの患者さんに来ていただき、以前勤務していた東府中病院から引き続き通院いただいている患者さんも多いです。そのぶん十分な診療時間が取れず悩むこともありましたが、患者さんたちに支えられて今日までやってこられました。私はお子さんが大好きですし、子どもたちを一生懸命育てているお母さん、お父さんたちも大好きです。地域のお子さんとふれあいながら、その成長を見守っていける毎日はやりがいであふれています。また、すべてが自分に返ってくる開業医の仕事は、常に強い責任感の中で患者さんと向き合えるメリットもありますね。いただいたお褒めの言葉もクレームも、そのすべてが私自身に直結するので、どこをどう改善すればもっと良い医院にできるのかという目標と解決方法を模索しやすいのです。これからも改善すべき点はその声をしっかり聞き入れ、より良い医院づくりに努めたいと考えています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

隠岐直紀院長 おき医院6

私は一人ひとりの患者さんとじっくりお話しながら、関係を深めていきたいと考えています。混み合う時間帯はなかなか難しくなってしまいますが、なるべく皆さんのお悩みや疑問などにお答えしていきたいのです。お母さんたちが抱えている、親や知人の方にお話しできないようなちょっとしたお悩みを気軽に相談できる存在でありたい、病気を治すだけでなく、お子さんの成長を一緒にサポートしていきたいと考えています。また当院では、そんなお母さんたちの味方になれればと思い、ホームページやSNSを利用して日常生活で気をつけていただきたいことや病気の豆知識、子育てに役立つ情報などを定期的に配信しています。そうして少しでも多くの患者さんのお役に立っていきたいですね。

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