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右田 隆之 病院長の独自取材記事

医療法人財団興和会 右田病院

(八王子市/八王子駅)

最終更新日:2019/08/28

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八王子市の「医療法人財団興和会 右田病院」は、前身である診療所開設から100周年を迎えた歴史ある病院だ。1933年に病院となって以降、一貫して救急を中心とした医療を提供し続けてきた。2012年に現在の場所に移転し、一度に数台の救急車が来ても受け入れ可能な体制を整備。現在も東京都指定二次救急医療機関として多くの救急患者を受け入れている。「救急こそが医療の原点という考えを代々踏襲してきました」と語る右田隆之院長は、自らも消化器外科の医師として治療の前線に立つ。外傷や消化器疾患に対する外科診療、乳がんや肺がんの検診から治療までの専門医療、そして高齢者医療を診療の柱としてきた同院。地域のニーズに応えて、病棟をすべて地域包括ケア病棟とした。「当院や近隣の病院で急性期治療を受けられた患者さんを、適切に在宅医療につないでいきたいと考えています」。高齢者に多い骨折や肺炎などの救急医療から、リハビリテーションを経て在宅復帰するまでをトータルにサポートできるようになった。高齢化社会の中で必要とされ、期待される役割を確実に果たそうとする同院の舵取りを担う右田院長を取材した。
(取材日2019年3月30日)

救急、がん医療、高齢者医療で地域に貢献

病院の歴史と理念についてお聞かせください。

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1919年、私の祖父が皮膚科、泌尿器科の診療所「右田医院」を八王子市内に開設、1933年に病院となり救急医療を開始したことをきっかけに、戦前戦後を通じて救急を中心に医療に携わり、今日に至ります。病院としてスタートして以来、困った時に頼られる病院、「地域のホームホスピタル」という理念の実践を運営の基盤として活動してきました。今のように予防医学が発展していなかった時代の「救急こそが医療の原典である」という考えを代々踏襲し、救急医療に力を入れてきたのです。2012年に病院を新築移転した際に、救急スペースを拡張し、一度に数台の救急車が来ても急患を受け入れられるよう体制を整えました。医療が必要な方をいち早く医療の管理下に受け入れ、患者さんやご家族に安心していただける医療の提供を、責任を持って行いたいというのが、当院の理念です。

こちらの病院の特徴について教えてください。

2

救急医療を柱とする医療の提供が当院の大きな特徴です。それ以外にも、整形外科、消化器外科、内科、形成外科、乳腺外科、呼吸器外科にそれぞれ専門の医師を配置し、救急とは違った角度から専門医療にも力を入れています。特に乳腺に関しては、外科部長を中心に早い時期から治療を行ってきました。八王子市が乳がん検診を始めた2008年当時は、まだ乳腺の専門外来は少なかったのですが、当院ではその頃から乳腺の専門の医師を中心に市の検診事業に参加してきました。同じ年に「右田検診クリニック」を設立し、現在では乳がん検診や子宮がん検診など女性の検診のすべてを受けられる「ワンストップがん検診」を行っています。この検診は市内で広く認知され、受診者数も増えてきていると感じています。呼吸器外科では、八王子市の肺がん検診を引き受けている当院の医師が積極的に取り組んでおり、地域に不足している分野の充実を図っていきます。

域の中で果たす役割についてお聞かせください。

3

高齢者の救急医療を多く行う中で、急性期治療を終えてもすぐに在宅に戻れない方々の受け入れ先が必要なことを痛感していましたので、病棟をすべて地域包括ケア病棟にしました。当院や近隣の総合病院での急性期治療が終わった方を受け入れ、整形外科やリハビリテーション部門とも連携した医療を行い、安心して在宅に戻っていただけるよう心がけています。地域の連携としては、八王子医師会の病院部会や八王子市高齢者救急医療体制広域連絡会が中心となって、病院だけでなく介護施設や医師会、開業医や在宅医、行政も巻き込んでの連携をめざしています。八王子市には慢性期医療を手がける病院は多いのですが、エリアが広いため地域連携が取りにくい面がありました。そこで救急医療と地域包括ケア病棟という特徴を生かし、当院が中心となって顔の見える連携に取り組み、地域医療のコーディネーター的な役割を果たし、地域に貢献していきたいと考えています。

院長として医師として大切にしていることを教えてください。

4

日々の診療で患者さんと接する中では、患者さんの立場なるということですね。患者さんの訴えをその方の立場になって聞き、診療するようにしています。医師は皆そうだと思いますが、やはり患者さんから「ありがとう」と言ってもらえるのがうれしいですね。「右田病院にきて良かった」と言われると、それだけで十分ですし、そういってもらえる病院でありたいと思います。組織をまとめていく中では、先生たちに責任を持って診療に取り組んでもらえる環境づくりを大切にしています。また、当院では入職の際には、必ず「救急の医師として動いてほしい」と伝えています。それぞれの専門を生かした診療を進める中でも、医療を必要とする人を受け入れる、救急という医療の原点を重視したいのです。すべての先生が総合的に診療を行う形で動いてもらえるよう設備や環境も整えていきたいですし、私自身、前線に立ち行動で示していくことで手本になるように心がけています。

最後に今後の展望をお聞かせください。

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ますます高齢者が増える時代に、当院がどういう立ち位置で展開していくべきかと考え、その一つの答えとして病棟を地域包括ケア病棟としました。また「右田健診クリニック」の拡充を視野に入れており、予防医療の一層の充実にも取り組みたいと考えています。医療、介護、福祉の連携により、困っている人が頼っていただける病院という基本的なところを変えるつもりはないのですが、高度な設備や高い専門性が必要な場合、もっと多くの介護力、介助力が必要な場合など、適切な医療や介護に結びつける案内役のような役割も担っていきたいと考えています。人口構成が変わると医療が変わるように言われますが、病気や外傷でお困りの方を治す、支えるという、医療の本質は変わりません。適切な治療に加え、病気を早期発見する、より専門的な医療につなぐ、治療を終えた方を在宅につなぐことなど、地域で期待される多様な役割を担っていける病院でありたいと思います。

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