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古味 隆子 院長、古味 良亮 先生の独自取材記事

下奥多摩医院

(青梅市/東青梅駅)

最終更新日:2020/04/01

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JR青梅線の河辺駅から車で約10分。40台の駐車場を有する「下奥多摩医院」は、1951年開業。70年近く地域住民の健康を見守ってきた、長い歴史を持つ医院だ。院長の古味隆子(こみ・たかこ)先生は、父である先代院長から同院を引き継いだ。2017年には息子である古味良亮(こみ・りょうすけ)先生の入職をきっかけに多くの検査機器を導入し、専門領域を持つ医師による診療体制を構築。幅広い検査に対応し、急性期から慢性期まで対応する医院として、新たなスタートを切った。やわらかな物腰の隆子院長と、エネルギッシュにさまざまな挑戦を続ける良亮先生に、医院の歴史から将来の展望まで、じっくりと聞くことができた。
(取材日2019年11月27日)

専門領域を持つ医師が連携し地域に密着した医療を提供

歴史のある医院だそうですね。

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【隆子院長】1951年に父が開業しました。父が東京大学医学部の学生時代に戦争がはじまり、この近くに疎開。戦争中も疎開先から大学に通い、卒業後は東京大学の附属病院でインターンを経て、現在の場所で開業しました。当時は終戦直後で医師はほとんどいなかったので、診療を終えると近隣の市まで往診に行ったそうです。自転車かバイクを使っていて、途中でチェーンが切れて近隣の方に直していただいたとか、食事もせず遅い時間に往診に行と「食べて帰りなさい」と言っていただいたこともあったと聞いています。父は今でも現役ですが、さすがにもう高齢なので診察は週に3日。2019年に私が院長を引き継ぎました。建物こそ昔ながらの医院ですが、2017年に息子が入職したことがきっかけで、診療内容はずいぶん変わったんですよ。

どのような点が変わったのでしょうか。

【隆子院長】母が産婦人科の医師だったので、開業時は内科・小児科・産婦人科を標榜していました。母は20年ほど前に亡くなり産婦人科はありませんが、現在は私の専門である糖尿病、息子の専門である循環器内科、さらに腎臓内科を専門とする先生に診察をお願いし、内科、循環器内科、糖尿病内科、腎臓内科を中心に幅広く診療しています。そのため糖尿病以外の検査もできるようにしましたし、採血の結果が当日わかるシステムも導入しました。エコーの検査がすぐにできるよう、検査技師も常駐しています。さらに週に1回、管理栄養士による食事指導も行うようになりました。

なぜ、そのような改革に取り組んだのですか。

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【良亮先生】患者さんは不安があって来院されています。例えば胸が苦しいと感じたら、「心筋梗塞なんじゃないか」と。その不安を払拭する、あるいは緊急性があり早急に治療が必要な場合には、大きな病院とスムーズに連携ができる体制にしたいと思っています。僕は大きな病院に勤務していますが、入院前にクリニックを受診されていても専門外のため診断まで時間がかかってしまったり、入院するまで苦しい思いをされている方も見てきました。不調を訴えて受診した患者さんが不安を抱えたまま帰ることがないよう、小さなクリニックでも可能な範囲でできる限りのことはしていきたいと考えております。その一環として専門領域を持つ医師が連携して診察をすることと、即日に採血やレントゲン、各種超音波検査を行えるようにしました。これらは緊急性を判断するだけでなく、予防にもつながると考えております。その他、栄養指導など薬を用いない方法も行っております。

急性期から慢性疾患まで、幅広く対応

隆子院長は糖尿病内科が専門ですが、どのような取り組みをされていますか。

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【隆子院長】合併症の予防に尽力してきました。糖尿病網膜症による失明、糖尿病腎症による人工透析、糖尿病神経障害による足の切断といったことを、1人でも起こさないようにすることです。それは、ほぼ達成していると思います。また当院には、もともと歯科医院が併設されているので、歯科との連携が密接にとれることも特徴です。糖尿病のコントロールが悪いと歯の治療もなかなかできませんが、当院では1人の患者さんのデータを共有し、確認しながら診察や治療ができます。糖尿病の患者さんは、腎臓機能が低下したり、心筋梗塞を招いたりするリスクが高いので、以前は専門の医療機関に紹介していましたが、今は循環器内科、腎臓内科と院内連携ができるので患者さんの負担も軽減しました。

どういった患者さんが多いのですか。

【良亮先生】年齢層は幅広く、乳児もいれば、90歳を超えたご高齢の方もいます。全体の平均年齢は、50~60歳くらいでしょうか。急性疾患の方もそれなりにいらっしゃいますが、やはり慢性疾患の患者さんが多いですね。心筋梗塞や脳梗塞になって治療されたあとの通院を、大きな病院からお願いされるケースもあります。糖尿病の方は動脈硬化合併症のリスクが高くなってくるので、専門性を生かしてそれぞれの患者さんに必要な診察や治療を行っています。

特に力を入れている治療があれば、教えていただけますか。

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【隆子院長】一次予防と呼ばれる生活習慣病の治療、および心筋梗塞や脳梗塞になった患者さんを、今以上に悪くしないような、二次予防を中心としています。平日はなかなか受診できないという方もいらっしゃると思いますが、土曜日も17時まで各科担当の医師による診療が可能です。どなたでも来院しやすい診療体制にすることで、病気の早期発見、早期治療をめざしています。
【良亮先生】採血、エコー、レントゲンなど幅広い検査ができ、近隣の総合病院とも連携していますので急性心筋梗塞など緊急性の高い疾患でも迅速な対応が可能です。生活習慣病が入り口だとするなら、脳梗塞とか心筋梗塞は出口と考えております。地域の皆さんのかかりつけ医として、入り口から出口まで診察対応ができ、患者さんが安心して受診できるような体制をめざしております。

看取りを含めた在宅医療で、地域医療に貢献したい

日々の診療に際して、心がけていることはありますか。

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【隆子院長】最近、学会でトピックになっているのが、糖尿病とがん発症の関連性です。実は糖尿病の患者さんは、肝臓、膵臓、大腸のがんになりやすいということが、データ上では示されています。一般的には、まだあまり知られていなくて、青梅市の市民講座でこの話をしたら、大きな反響がありました。「糖尿病とがんって、関係あるんですか」と。当院の患者さんは糖尿病のコントロールを行い合併症がでないようにすることはできていると思うので、がん予防の啓発を心がけています。特に膵臓や肝臓のがんは、通常のがん検診ではなかなか早期発見するのは難しいのですが、エコー検査では見つかりやすいです。当院では検査技師が常駐しエコー検査ができるようになりましたので、定期的な検査を受けていただきたいと思っています。

良亮先生はいかがですか。

【良亮先生】患者さんに元気を与えられるような診察を心がけています。急性期を見逃さない、病気を診る、コントロールするというのは、医師として大前提ではありますがそれだけではないと考えております。健康でいるためには、病気だけではなくて、精神面の影響も大きい。治療や予防への姿勢も、その方のモチベーションに大きく左右されます。ですから、「あの先生に診てもらえるから来たいな」と思う、来院の動機になるような診察を心がけています。「今日診察を受けて良かった」、「説明を聞いてちょっと安心しました」と患者さんから言ってもらえるような診察にしていきたいです。

今後取り組みたいことなど、将来の展望をお聞かせください。

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【良亮先生】数多くありますが一つとしては在宅医療です。当院は70年近くこの場所で診療をしていて開業した頃から通っている患者さんもいて、ご高齢になり通院する手段がなくなった理由等で通院できなくなった方もいらっしゃいます。今後、高齢化社会が進み、そのような患者さんが増加し、在宅医療が必要になることが多くあると予想されます。患者さんの中には、「知らない先生には家に入ってもらいたくない」とおっしゃる方も少なくありません。僕の患者さんでも当院で最後まで看取ってほしいとおっしゃってくださる方もいらっしゃるんです。そう言っていただけるのはすごくありがたいですし、医者冥利につきる思いです。この医院の3代目として、患者さんを最後まで責任を持って診ていくことが責務だと思っています。ご家族とともに安らげる場所で最期を迎えたいという方へも配慮した在宅医療をしたいと考えていますので、その実現に向けて勉強中です。

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