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奥瀬 紀晃 院長の独自取材記事

おくせ医院

(川崎市中原区/武蔵新城駅)

最終更新日:2023/07/24

奥瀬紀晃院長 おくせ医院 main

武蔵新城駅から商店街を通り抜けた先にある静かな住宅街の一角、児童数約1000人のマンモス小学校のすぐ近くという立地で、2010年から診療を行う「おくせ医院」。患者の年齢層は若い人から高齢者まで幅広く、訴えも多岐にわたる。あらゆる相談に乗ることをモットーに、日々患者と真摯に向き合うのが、奥瀬紀晃院長だ。開業以来、奥瀬院長は専門の消化器・肝臓内科にとどまらず、内科全般はもちろん、時には専門外の診療に応じてきた。診療の幅を広げるための勉強にも、いつも熱心に取り組んでいるという。「地域の方から頼られる、オールマイティーなかかりつけ医をめざしています」と語る奥瀬院長に、医院の特徴やかかりつけ医が担う役割などについて話を聞いた。

(取材日2013年9月30日/更新日2023年7月20日)

勉強に励み、オールマイティーで頼れる診療を追求

開業の経緯をお聞かせください。

奥瀬紀晃院長 おくせ医院1

大学卒業後、聖マリアンナ医科大学病院に8年ほど在籍し、肝臓と消化器を専門に経験を積みました。その後、静岡県下田市の病院に勤務することに。地域に病院が少ない上に医師不足で、患者さんの訴えもいろいろだったので、内科担当ながら診療全般にあたっていました。7年半ほど在籍していたのですが、大学の大先輩からのお声がけをきっかけに医院を継承することになり、2010年10月1日に当院を開業しました。私自身川崎市幸区生まれなので、ご縁も感じましたね。前任の先生は患者さんからとても慕われる素晴らしい方でしたので、なるべく患者さんに迷惑がかからないように、スタンスを踏襲しようと考えました。

医院の特徴を教えてください。

患者層としては、半分以上が高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の治療で定期的に通う高齢の方です。学生、働き盛りの方や主婦の方など、さまざまな年代の患者さんがいらっしゃいます。常にめざしているのは、「診るべきものは見落とさずに診る」を大前提に、何かあった時に「まず相談しよう」と思ってもらえるような医院です。「こんなことで受診したら、先生に悪いかな」と思わせないような、この地域の方から頼りにされる身近な存在となることをいつも心がけています。実際に、「ちょっと調子が悪いのだけど、何科に行ったらいいのかわからない」など、体調に何か心配や不安がある方が来院されることが多い印象です。

このエリアならではの患者の地域性はありますか。

奥瀬紀晃院長 おくせ医院2

地域性なのか2世代・3世代と家族で通ってくださる患者さんも多いですね。「まずはおくせ医院に相談しよう」と来院してくださる方が多いからこそ、さまざまな訴えや症状を注意深く診ていくことが大事です。専門外の皮膚科や整形外科の領域でも、自分のできる範囲で相談にも乗りますし、必要に応じて専門の病院をご紹介もします。小さな街の医院ではありますが、急な処置が必要な方がいらしたり、命に関わる症状の方がいらしたりと、緊急を要することも珍しくありません。「こういう状態ですが、救急車を呼んだほうがいいですか?」と問い合わせをいただくこともあります。医院がそういう存在であることはうれしいことです。頼られているからこそ、こちらも勉強しておかなければと身が引き締まります。また、多様な状況でも臨機応変に対応してくれるスタッフがいるから、今の診療スタイルができているのだと思っています。

患者の声に耳を傾け、不安を軽くすることに尽力

患者さんと接する上で心がけていることを教えてください。

奥瀬紀晃院長 おくせ医院3

話を遮ることなく、よく話を聞くということです。話すことで心配や不安が軽減することもあります。また話の中にその方の生活パターンが見えてくることもあります。もともと人の話を聞くのが苦手ではない性格なので、その点はよかったですね。治療に関しても患者さんの要望を確認します。慢性疾患の方は同じ薬を長い間飲み続ける必要がありますが、その方の生活リズムや好みなどに合わない薬を出すと、途中から飲まなくなってしまうことがあります。「この薬は飲みたくない。これなら飲める」といったことをすべて正直に言っていただいて、その方にとってどの方法が一番良いのかということを、患者さんと相談しながら決めていきます。患者さんが良くなることが第一ですから、そこをぶれないようにしつつ、その方その方に合った治療をしていきたいと思っています。

先生の考える「かかりつけ医の役割」とは何でしょうか?

些細なことでも相談してもらえる存在ということに尽きます。例えば……初めて行く病院やそこでの検査などは患者さんも緊張します。そのような中での診察や検査結果の説明の場では、「すべての疑問を聞けなかった」「説明がよくわからなかった」ということを数日たってから感じたりします。十分な説明があっても、すべてを理解するというのは患者さんにとって簡単ではありません。そこでフォロー役を担うのが、かかりつけ医です。当院では、持参いただいた検査結果をもとにわかりやすく説明し、次回どのような質問をしたらよいのかについてアドバイスすることもあります。治療に対して疑問を残すのはストレスですし、ストレスから眠れない、また不安が強くなってしまうこともあります。病院とかかりつけ医がそれぞれの役割を全うして、患者さんの健康を支えていければ、と考えています。

印象に残る患者さんとのエピソードを教えてください。

奥瀬紀晃院長 おくせ医院4

研修医の時に、末期の膵臓がんの男性患者さんの看取りまで受け持ったことがあります。その方はタバコが好きだったのですが、もちろん禁止されていました。でも「どうしても、タバコを吸いたい」と言われたんです。死に直面している患者さんと向き合った時に、何がその方にとって一番いいのだろう?ということを悩みました。そして、やっぱり、どうしてもかなえてあげたいと思って、その患者さんは少しだけタバコを吸うことができました。それまでつらい表情ばかりしていた患者さんが、とてもいい笑顔で「ありがとう」と言ってくれました。病気には治るものもあれば、治らないものもあります。治らない病気の方に、どうしたら最期の時を幸せに過ごしていただけるかを考えさせられた出来事ですね。

憧れの医師の姿を追いかけ、今なお前進し続ける

なぜ医師をめざされたのでしょうか?

奥瀬紀晃院長 おくせ医院5

小さい頃は体が弱く、小児喘息で3年くらい入院したことがありました。そんな私を見ていた兄はずっと「将来医師になろう」と考えていたようで、医学部に進学しました。僕自身も持病があることから、漠然と「医療関係の職につけたら」と考えていたので、兄の進学をきっかけに思いが強くなり、医師をめざす決心がつきました。専門を消化器・肝臓内科にしたのはC型慢性肝炎や肝臓がんなどに関心があったからです。C型慢性肝炎は私が医大生の頃に明らかになり、研究もどんどん進んでいました。身近にその病気の人がいたということも影響していますね。また消化器は、がん患者さんも多く、看取りまで対応することもあります。長い付き合いとなるケースに対して、どんなケアができるのかということにも興味がありました。今現在は特に専門性を追求していくことより、地域の方々のかかりつけ医として働くことが、自分の描く医師の姿に近いように感じます。

憧れの医師がいらっしゃるそうですね。

そうです。子どもの頃からずっとお世話になっていた先生です。その先生はすごく穏やかで、患者の話をよく聞いてくれました。小さい頃は体調が悪くなると、その先生のことが頭に浮かびました。両親もとても頼りにしていたようです。街で開業している医師が、私がイメージする医師だったのかもしれませんね。ずっと私の憧れであり、今でも目標としています。

お忙しい毎日ですが、休日は何をしていらっしゃいますか。

奥瀬紀晃院長 おくせ医院6

子どもも大きくなってきたので自分の時間をつくることができるようになり、昔やっていた釣りやゴルフを再開しました。休日は趣味に興じることが多くなってきています。

最後に、地域の患者へ向けてメッセージをお願いします。

不調で診察に来られる方や、健診結果の相談をされる方など、医院に来られる方はさまざまです。当院でできることは限られていますが、患者さんが来られた目的を受け止められるよう努力してまいります。また必要であれば専門性の高い病院へ紹介するなど、連携もしていきます。地域にとって少しでも役に立てる存在でありたいと思っています。ご心配なことがありましたら、些細なことでも構いませんのでご相談ください。

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