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稲毛佐知子 院長の独自取材記事

いなげ眼科

(新宿区/高田馬場駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR高田馬場駅戸山口から徒歩2分。茶色いレンガ調の建物が目印のビルの中に「いなげ眼科」はある。同院の院長は、地元が高田馬場という稲毛佐知子先生。同じフロアの隣には同じ「いなげ」の名を持ついなげ歯科があり、そちらは弟の稲毛寛彦院長が診療にあたり、日ごろから連携しているという。いなげ眼科は2013年2月に開院。眼科医院とは思えないくらいに内装は明るい。待合室の壁には青空と白い雲が浮かぶ。窓のない待合室に貼られたこの空の壁紙は父のアイデアなのだそうだ。「いなげ眼科」からは家族の絆をそこかしこに感じる。高田馬場に開院したのもここが稲毛佐知子院長の幼少を過ごした思い出の土地だったからだ。しかし、開院してみると患者さんからも思わぬサプライズがあった。地域医療にかける思いなど、稲毛佐知子院長にたっぷりと伺った。
(取材日2013年7月18日)

幼い日を過ごした高田馬場で開業 祖父母のことを知る患者も

開院するにあたり、なぜ高田馬場を選んだのでしょうか。

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元々、実家が高田馬場にあったんです。私も幼稚園までの数年間、高田馬場に住んでいました。弟が経営している歯科医院がすぐ隣にあるのですが、私も機会に恵まれてここで開院できることになりました。歯科と眼科、両方通ってくださる患者さんもいます。また、歯科にも眼科にもお互いの科の問診票を置いて、すぐに協力体制が取れるようにしています。糖尿病など、眼科と歯科の双方の検査が必要な方にとっては便利かもしれません。開業してからわかったことなんですが、高田馬場に住み始めた私の祖父母のことを知っている患者さんが結構いるみたいなんです。その患者さん自身も70代ぐらいの方で、その方のお父様・お母様から私の祖父母のことをきいていたそうです。実は、60年くらい前の高田馬場駅の近くは麦畑で、家は4軒ぐらいしかなかったんです。祖父母の家はそのうちの1軒でした。4軒しかなかったから、ご近所さん同士がとても仲が良かったんですね。この祖父母のことを知る患者さんたちから、高田馬場の歴史をいろいろ教えてもらっています。私の叔父は早くに亡くなっているんですが、「よく本を読んでいた」など私の知らない叔父の姿を患者さんが知っていた、ということもありました。昔の「いなげ」のことを知っている方がいらっしゃるというのは、感慨深いものがありますね。開業するのにこの場所を選んで良かったと思っています。

なぜ眼科医になろうと思われたのですか。

父親が歯科の研究職に就いていたため、幼い頃から顕微鏡で写真を撮ったり、さまざまな病名を見聞きしたりと、医学の分野には親しみがありました。それで、小学校3年生頃から医師をめざすようになりました。歯科だと一つの科に限定されてしまいますが、医学部であればもっと広い分野を見渡すことができると考え、医学部に進みました。一方、弟は研究職と開業医という違いはあるものの、父と同じ歯科の道に進みました。医学部の分野から眼科を選んだのは、外科と比べると女性が多く、なおかつ若いうちから手術の経験も積むことのできる分野だったからです。この手術も、顕微鏡を使って髪の毛より細い幅の作業をするなど、作業が細かいんですよね。昔からビーズや手芸など、細かい作業が好きだったので、眼科ならば自分の特性も生かせると思って選びました。

患者さんに多い症状はありますか。

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赤ちゃん(乳児)からお年寄りまで幅広い層の方が来院されますので、特にこれといったものはありません。目ヤニの問題から花粉症で目がかゆい、腫れてしまったなど、症状はさまざまです。お子さんの場合、最近は心因性の視力障害が増えてきているように感じています。私が大学病院にいた頃は数年に1回あるかないかという頻度でしたが、勤務医時代や、開業医になってからは、そのような症状の患者さんを診察する機会がけっして少なくありません。心因性の視力障害というのは、たとえば学校の視力検査で、眼鏡をかけて検診しているのに、視力が出ないといったケースが該当します。稀なケースだと思っていましたが、開業してからもそういった症状の患者さんを何人も診ています。

医師としての根幹は「井上眼科病院」から引き継いだ

開業に至る経緯を教えてください。

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大学病院に長く勤めていたのですが、大学病院では患者さんの数が多く、ゆっくり患者さんと話をすることが難しい状況でした。患者さんも聞きたいことがあるのに時間がそれを許さない、ということも多々あり、申し訳なく思っていたんです。しかし、開業医であれば、もっとゆっくりお話する時間がとれますし、患者さんの意向を汲んだ治療もできます。大学病院ではなかなか気軽に受診……とはいきませんが、地元に密着した開業医ならば、気になることをちょっと相談するのに利用してもらうこともできます。病気についてもしっかり患者さんに理解してもらえますね。緑内障などは、すぐに治療しなければならない病気です。しかし、病気への理解が足りないと、そのまま放っておいてしまい、症状が進行してしまうんです。きちんと病気の怖さまで知っておいてもらうことって大切なんです。

先生が得意な治療分野について教えてください。

小児眼科と緑内障です。これはどちらも開業する前に働いていた御茶ノ水の「井上眼科病院」で関わった分野です。お子さんの治療の場合は、怖がらせたり泣かせたりしないように気を遣っています。お子さんを泣かせないように、光や音の出るおもちゃもたくさん用意しているんですよ。お母さんに抱っこしてもらったまま診察するということもできます。緑内障は、井上眼科病院の理事長である井上先生の専門が緑内障なので、私も緑内障についてはよく勉強していたんです。緑内障は新しい薬がどんどん出ているので、その治療効果や副作用を学会で発表しています。緑内障は早期発見が大切な病気です。一度狭くなってしまった視野は元に戻せません。若いうちから、特に40歳を過ぎたら症状がなくても一度受診することをお勧めします。井上眼科病院には2008年から開業する直前までの約5年間勤務していました。井上眼科では、患者さま第一主義を掲げており、これは自分がいなげ眼科を運営するうえでもポリシーとなっています。現在、当院でオペが必要な場合は、主に井上眼科病院を紹介していますが、これも患者さま第一主義で紹介先を決めるようにしています。たとえば、高齢の方は御茶ノ水まで電車を乗り換えて行くのは大変です。この場合、近い病院の方がいいか、まず患者さんの意向を聞いています。病気や患者さんのライフスタイルに沿って、一番いい病院を相談しながら決めています。

この医院ならではの設備はありますか。

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当院では、あらゆる検査設備を整えています。病気の早期発見を大切に考えていますので、新鋭で高精度な機器をご用意しております。なかでも、OCT(光干渉断層計)という検査機器を導入しています。これは眼の断層写真を非常にクリアな画像で、短時間で撮ることが可能です。OCTによって、緑内障を早期に発見するなど診断の確度が上がりますし、眼底の検査を患者さんのご負担なく非常に短い時間で行うことができます。検査はOCTにあごを載せて指標を3〜4秒間見て頂く、たったこれだけです。眩しくもないし、何かが触れることもありません。通常、眼底検査は眼の瞳孔を開く薬を使いますがOCTならこの薬を使うことなく、目の奥の神経の状態を検査することができるのです。

眼科の医院でも明るい内装に。待合室の居心地にこだわった

空の壁紙があったり、キッズスペースがあったり待合室にこだわりを感じます。

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待合室の空の壁紙は父の提案なんです。窓がないので、少しでも空を感じてもらえるようにしました。キッズスペースは子持ちのお母さんがお子さんと診察に来られた場合に役立ちます。お母さんが治療に専念できるよう、診察中はキッズスペースのモニターに子ども向けのDVDを流しています。お子さんも、喜んで見ていますね。もちろんお子さんが診察を受ける場合にも、キッズスペースがあることで「怖い場所」という先入観を持たずに診療できますね。また、待合室の様子は診察室からもモニターできるようになっています。待っている患者さんの数も把握できるので、お待たせしすぎてしまうことがないですね。病院は「病んでいる人が来る場所」なので、雰囲気が暗くなりがちです。特に眼科は暗幕などで暗い印象になりがちですが、明るい色の遮光カーテンを使うなどしてこの点に気を遣っています。院内の至る所で、患者さんに居心地良く過ごしていただき、負担を軽減できればと思っています。

先生自身が目の健康維持のためにしていることはありますか。

……最近老眼が出てきまして(笑)。自分用に、老眼鏡を作りました。そうしたら、朝起きたときの爽快感が全然違うんですよ! 肩や首の痛みもなくなりました。眼以外の場所にも負担がかかっていたんですね。眉間の皺も深いな、と思っていたんですが、これも老眼鏡をするようになってから消えました。老眼が出始めたら「まだ大丈夫!」なんて無理をしないで、きちんと老眼鏡を作っておいたほうがいいですよ。

最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いいたします。

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なんでも気軽に相談してもらえるホームドクターになれたらいいですね。この辺りの方は、ご近所さんやご家族同士でとても仲の良い方が多いんです。たとえば、緑内障の疑いがある、ということで受診された女性の方が「心配だから」とご主人も連れてきてくださったんです。そうしたら、ご主人のほうに緑内障がみつかったということがあったんです。こういう、相手を想う気持ちで病気を発見できたというケースが結構あるんです。ご近所さん同士でも、来院した方の話を聞いて同じマンションに住む方が来てくださるなど、この地域の方はみなさん仲が良い印象です。私もそのコミュニティの一部として、気軽に相談してもらえる存在になれたらいいですね。また、当院ではすべての検査結果を大きなモニターで拡大して見ることができる設備になっています。時間の許す限り、検査結果はこういったものを使って説明していきたいので、聞きたいと思っていたのに聞けなかったことなどがあれば遠慮なく聞いてください。

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