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家族だけで抱え込まず
専門家とともに取り組む在宅医療

井上病院/井上クリニック

(足立区/竹ノ塚駅)

最終更新日:2018/01/18

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  • 保険診療

いわゆる団塊の世代が75歳以上になり、主に医療・介護面においてさまざまな問題が生じるとされる「2025年問題」。この問題への対策として国を挙げて推奨されているのが在宅医療だ。在宅医療は、医療サービスを患者の自宅などで計画的に行う「訪問診療」と、急変時など患者や家族の要望で不定期に行う「往診」に分けられるが、そうした説明を聞いてもいまいちピンと来ず、漠然とした不安を抱える人は多いのではないだろうか。総ベッド数84床の「井上病院/井上クリニック」で、外来の傍ら在宅医療を手がける早川貴美子理事長に、在宅医療の対象となる患者や家族が気をつけるべきことなど詳しく聞いた。(取材日2017年11月27日)

日頃から密なコミュニケーションを図っておくと、万が一のときも安心

Q在宅医療の対象となるのはどんな方ですか?
A
1

▲在宅医療を気軽に利用してほしいと語る早川理事長

基本的には、病気により通院が困難になった患者さんです。通院できなくなった方ですから、当然ですが「今日は在宅、明日は外来」と患者さんが自由に選ぶようなことは一般的にありません。ただ、3ヵ月に1回ほど大規模病院に通いながら、月1回地域のクリニックで薬を処方されているという患者さんも対象となります。大規模病院への通院は家族に付き添ってもらえるけれど、毎月のクリニックへの通院は付き添いが難しく、一人では来られないといった方ですね。当院の場合、当院に長く通院されていた患者さんはもちろん、もともと他の医療機関にかかっていて、地域包括支援センターや地域のケアマネジャーさんから紹介された方もいらっしゃいます。

Q訪問看護ステーションなどとの連携において大切なことは?
A
2

▲治療に必要な情報の共有は欠かせない

患者さんの状態は本当に多様で、特に独居のご高齢者の場合、薬を飲み忘れるなどしてため込んでいることがあります。だから私たちは、患者さんのご自宅に伺ったらまず薬探しから始めるなんてこともあります。また、当院では在宅医療サービスの提供をスタートする前に必ず面談をさせていただきますが、面談時は身内がいないとおっしゃっていた独居の患者さんに、実はご家族がおられるとケアマネジャーさんから聞くようなケースも。ケアマネジャーや訪問看護師が患者さんの情報を把握していることは少なくありませんから、連携において「対話」が何より大切になります。そして私たちは、彼らが相談しやすい医師であるべきだと常に心がけています。

Qこちらの病院で在宅医療を受けることのメリットは何ですか?
A
3

▲病院とクリニックが連携して治療を行う

当院は病院とクリニックで合わせて84床のベッドを有する施設ですから、何かあったときに入院できるのは一番のメリットといえるのではないでしょうか。また、MRI、CT、胃・大腸内視鏡、心電計、心臓エコーといった病院の検査機器を利用できる点も特長ですね。また当院は、訪問看護ステーションやサービス付き高齢者向け住宅など複数の施設を持つ「社会福祉法人 星風会」と連携していますので、当院から患者さんに在宅医療を提案するときは、星風会の訪問看護ステーションをスムーズに紹介できます。もちろん、地域のほかの訪問看護ステーションから在宅医療のご依頼を受けたときは、そちらの訪問看護ステーションとともに診療を進めます。

Q在宅医療において、家族が注意すべきことは何でしょう?
A
4

▲経験豊富なスタッフがそろっている

在宅医療を始める際、ご家族がどうしたらいいかわからず右往左往してしまうことはよくあります。在宅医療というのは、自宅に病室を1つ作るということ。「家族で診てあげたい」と強く思うがゆえに抱え込んでしまう方は多いですが、医師や看護師、訪問ヘルパー、ケアマネジャーなど、ともに病室を作ってくれる人は周りにいます。彼らは在宅医療の専門家ですから、意見に耳を傾けていただくことが大事だと私は思います。また当院では初めの面談時に、延命治療の希望の有無や、延命治療に対するイメージなど詳細に伺いますが、万が一のとき、ご家族と医師の考えに食い違いが生じないよう日頃からコミュニケーションを密に図っておくことも重要です。

Q患者さんが最期を迎える時に必要なことは何ですか?
A
5

▲地域の患者のニーズに応え続けている

在宅医療の中心は、ご家族でも医師でもなく、患者さんです。それを意識してもらうことが、お看取りの際にも大切だと思います。できれば家族みんなで患者さんを囲んで、「お母さんがいてくれて、私はこんなに幸せだった」「お父さん、ありがとう」といった思いを伝える時間をつくること。現実的には、長年在宅医療を手がけてきた私でも、ちょうどご家族がそろっている時に亡くなるという経験は数えるほどしかありませんので、前もって、「この日は患者さんに思いを伝える日にしませんか?」とご家族に提案することはありますよ。独居の方で事情によりご家族が来られない場合などは、医師や看護師のみでお看取りさせていただくこともあります。

ドクターからのメッセージ

早川 貴美子理事長

昔は在宅医療というと、ご家族は先生にお茶を出してお手拭きを用意して、といったイメージがあったかもしれませんが、今はそんな必要はまったくありません。保険も適用されますし、医師や看護師が訪問して診療し、ご家族にできるアドバイスをして帰るだけ。ぜひ気軽に利用していただきたいです。加えて、何をおいても大事なのは、かかりつけ医をつくること。かかりつけ医というのは「この分野はわからないけれど、あの先生に相談するといい」といった知識を持つドクターです。かかりつけ医をつくっておき、急きょ在宅医療が必要になった際や、現在入院していてこれから在宅医療が必要になる場合などは、まずかかりつけ医に相談してみてください。

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