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岡田 憲明 院長の独自取材記事

博慈会記念総合病院

(足立区/志茂駅)

最終更新日:2019/08/28

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赤羽駅や西新井駅から車で20分ほど走った場所にある「博慈会記念総合病院」。急性期医療を担い、今年で開業52周年を迎えた同院は、2014年春に東京都医療機関緊急耐震整備事業により建物を一新してますます多くの地域住民を支える医療機関となっている。診療科目は足立区最多となる22科。小児科と循環器内科は24時間体制で対応する二次救急指定病院であり、院内には全身RI検査、放射線治療機器、MRIといった医療機器も充実させている。入退院後の患者をサポートする組織を発足させるなど新しい取り組みにも積極的な岡田憲明院長に話を聞いた。
(取材日2016年6月28日)

小児科と循環器内科は24時間体制で医療提供

診療科目を教えてください。

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今年で開業52周年を迎えた当院は、病床数306床を有する急性期総合病院です。22科の診療科目は、現時点で足立区では最多です。高齢の患者さんが多く、足立区と川口市からお越しになる方がほとんどですが、一方で、24時間体制の小児医療を提供しておりますので、お子さんも少なくはありません。また、循環器内科も24時間体制で診察し、緊急のカテーテル治療にも対応しています。一刻を争う脳血管障害に対しては、すぐにt-PA投与やカテーテルを使う治療により、かなり症状を改善させることが期待できますから毎日オンコール体制をとっています。当院は都内に2機関しかない日本医科大学(文京区千駄木)の特定関連病院でもあるため、ドクターの多くは日本医科大学の出身者です。小児科は帝京大学医学部出身の医師や同付属病院から派遣された医師が中心となり診療を行い、高度な救急医療が必要な患者さんは速やかに大学病院に送っています。

幅広い診療科目は、地域の人に心強いですね。

足立区には大学病院や公立病院がなく、「医療過疎地」とも言える地域です。一方で人口は60万人と多いので、地域の中心として高度な医療を提供することが当院に課されている役割だと思っています。内科系では、呼吸器、消化器、循環器だけでなく、腎臓や糖尿病など臓器別に細分化し、外科系では特殊外来を数多く開設して高い専門性を持つ医師が診察にあたっています。また全身RI検査装置、放射線治療機器、CT、MRIなど精密検査を行える機器も充実させています。さらに関連病院の「博慈会腎クリニック」では外来透析治療を行っており、今後はベッドも増やしていく予定です。

理念を教えてください。

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開業当初から掲げているのは、「地域医療に徹する」「救急医療体制を確保する」「患者本位の高度先進医療を提供する」という3つのスローガンです。「患者本位」とは、患者さんの希望を取り入れながら医療を提供すること。例えば、長い時間待たせるなど、患者さんにとって好ましくない状況は減らしていかねばなりません。さらに、入院した時に看護師やエイド(看護助手)がどれだけいるのかは安心して入院生活を送る上で重要です。入院基本料7:1の看護師配置、夜間は各病棟に必ず3人の看護師を配置するなど充実させています。ちなみに、当院の関連施設である博慈会高等看護学院からも、毎年たくさんの看護師が当院に入職しているんですよ。しかし最初から一人前ではありませんから、看護副部長の一人が教育に専念するなど教育にも力を入れています。この教育体制に魅力を感じ、他院から転職してくる看護師もいますね。

オーダーメイド対応をめざす、回復期リハビリにも注力

たくさんのスタッフのマネジメントで大事にしているのはどのようなことですか?

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「患者さんの立場になって医療を提供してほしい」と常に伝えています。例えば薬剤師であれば、患者さんをお待たせしないように手際よく説明したり調剤したりすることもそうですが、説明でも患者さんの気持ちになってほしいと思っています。薬の飲み方を患者さんに丁寧に指導したとしても、相手が認知症の患者さんであれば、本当にそれは意味のあることなのか? 認知症なら、きっと説明を覚えていることはできません。その場合はその方のご家族に説明する必要があります。そんなふうに、薬剤師のみならずすべてのスタッフにはオーダーメイドの対応をしてほしいと思っています。ちなみに、病院での薬剤師の仕事はメリットが少ないと感じている人もいるかもしれませんが、病院では注射薬、麻薬なども扱いますし対応もさまざまですから、学べることが多いと思うんですよ。薬剤師もいい人材が集まってくれたらうれしいですね。

入退院時のサポートには、どのようなものがありますか?

今年の4月から、「医療連携患者支援センター」を発足させました。それまでは、急性期医療を必要としている患者さん、療養型医療を必要としている患者さんなど、患者さんごとに別々の窓口が対応していました。そのため地域の病院やクリニックとの連携も弱かったのです。そこで、退院時の調整を行う看護師、ソーシャルワーカー、事務職員が一つの窓口となって活動するセンターを作ることで、患者さんを適切な次の医療に導いたり、患者さんの紹介や受け入れもスムーズに行えるようになりました。当院の関連施設としては以前から「長寿リハビリセンター病院」(療養型病床156床と回復期リハビリ病棟35床)がありましたが、センターが発足したことにより、ハード面だけでなくソフト面の充実もめざしていきます。

6月からは、院内にもリハビリ施設が併設されたそうですね。

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関連施設の「長寿リハビリセンター病院」では運動器リハビリテーションをメインとしていましたが、6月からは当院の中に脳血管疾患中心のの回復期リハビリテーションセンターを作りました。急性期病院の中でリハビリテーションができるということが強みです。脳血管疾患の患者さんは、急性期を乗り越えて回復期に入ったとしても症状が急変することはありますが、常に脳外科医がいる急性期病院であれば安心していただけるからです。地域の患者さんのニーズに応えていくためには、回復期のリハビリテーションにも力を入れたいと考えています。

地域のつなぎ役を担う

院長が医師をめざした理由をお聞かせいただけますか?

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親父が香川県の町医者でした。往診もしながらたくさんの患者さんを診ている父の姿を見て育ったので、当たり前のように医師をめざしましたね。3人兄弟で3人とも医師になりました。日本医科大学を卒業してからは、内分泌代謝内科を専門にしました。といっても、入局したのは消化器・血液・内分泌のすべてを診る「第3内科」というところでしたから、白血病も消化器内視鏡を使った治療もすべて経験しましたけれどもね。初期の経験を縦割りではない組織で積めたのは良かったかな。

こちらの病院との出会いはどのようなことだったのですか?

日本医科大学に在籍中、当院の消化器内科の部長をやってほしいと依頼が来たんですよ。それまでこの場所に来たこともなかったので、知らない病院で突然部長をやるなんて……と最初は思いました。でも大学で動物実験をやりながら英文の論文を執筆する仕事が天職ではないと感じていたので、こちらに来ることにしました。引き受けた当初は私と部下の二人体制。最初の5年くらいは消化器分野に専念しました。いつも目の前に患者さんがいたので、「どうのこうの言わずにやるしかない。他に誰がやるの!」という気持ちで死にもの狂いで働きました。部下も本当に頑張ってくれましたね。その結果、患者さんも増え、その姿が認められて大学から追加で医師が派遣されるようになりました。その後は糖尿病の患者さんもたくさん診るようになりました。ちなみに、入職時に一緒に頑張った部下は、私が人生で唯一仲人をしたやつでもあるんですよ(笑)。

さらに今後は病院をどう発展させていきますか?展望をお聞かせください。

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急性期医療は続けていきますが、大学病院のように三次救急やさらなる高度医療ができるわけではありません。あくまでも地域の急性期中核病院としての役割をしっかり果たしていきたいと思います。開業医と大学病院とのつなぎ役を担うことも大事な役割ですね。また、関連施設である「博慈会田園クリニック」(足立区舎人)では昨年から内科に加えて整形外科と小児科の診療もスタートさせました。当院に注射や薬の処方を主な目的に来院する方は、「博慈会田園クリニック」にご案内していきたいと思っています。そして、こうしてサテライト(出張所)のような役割を担うクリニックを増やすことができたらとも考えています。それが、たくさんの地域の方にとってメリットになると思いますからね。

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