運動器リハビリテーションで
日常生活や運動への復帰をサポート
鈴木整形外科
(荒川区/東尾久三丁目駅)
最終更新日:2023/03/14


- 保険診療
20年以上、地域医療に貢献してきた「鈴木整形外科」の鈴木仁院長が、痛みに対して薬や注射などで改善をめざすことに加え、注力しているというのが運動器リハビリテーション。これは、運動器疾患を持つ患者に理学療法士が機能回復のためのプログラムを組み、日常生活やスポーツ活動への復帰をめざすリハビリのこと。例えば、骨折、変形性膝関節症のような関節に支障をきたす疾患、頸椎や腰椎にトラブルを抱える椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、頚椎症性脊髄症、坐骨神経痛といった脊椎疾患の患者などに実施。鈴木院長自身、スポーツによるけがでの手術や数年に及ぶリハビリ経験者であることから、患者の想いをくみ取りながら診療に取り組んでいると言う。そんな同院で力を注いでいる痛みに対するアプローチや、診療の流れについて解説してもらった。
(取材日2023年2月28日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q整形外科を受診すべき痛みの目安はありますか?
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A
まず、人間が体を動かすために必要な骨、関節、靭帯、腱、神経、筋肉を「運動器」と言います。整形外科にはその運動器に関連する痛みを訴えて来院される方が多く、同じ疾患であっても痛みの感じ方は人によってさまざまです。しかし、急激な痛みや我慢できない程の痛みが続く場合は迷わず受診してください。多い痛みとして、腰痛、膝関節痛、頸椎痛、膝靱帯損傷などが挙げられますが、我慢できる程度の軽い痛みが6週間以上続いている場合も放置せず受診をお勧めします。というのも、我慢できる痛みであっても長期間放置しておくと、神経を痛めてしまうこともあるからです。そうなると、痺れを感じたり、さらなる症状が出てくる恐れもあります。
- Q機能回復をめざす運動器リハビリも行われているそうですね。
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A
運動器リハビリには一般的なリハビリと、スポーツリハビリの2種類があります。一般的なリハビリのゴールは日常生活に戻れること。それに対し、スポーツリハビリはその方が取り組まれている運動活動に復帰できることがゴールになります。日常生活の先にゴールを設定することは時間を要しますし、根気強く取り組むことが重要です。私自身、椎間板ヘルニアや膝の軟骨損傷の経験があり、ブロック注射や手術もしたのですが、それだけでは自分のめざすゴールへは届かないと感じました。その部分を補う方法の一つが運動器リハビリだと考えています。そこには患者さん、医師、理学療法士との信頼関係も大事ですので、気兼ねなく何でもご相談ください。
- Qこちらで実施されているリハビリの特徴を教えてください。
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A
体の構造や働きをしっかりと熟知し、臨床経験を積んでいる専門性の高い理学療法士が各患者さんの症状に合わせたリハビリ計画を立案していることが一番の特徴だと思います。もう一つは、患者さんのモチベーションにも働きかけながら取り組んでいることではないでしょうか。疾患によってリハビリ期間も異なりますし、根気強く継続することが何よりの回復への鍵。人間誰しも、途中で投げ出したくなることはあります。その気持ちも理解しながら寄り添うことも重要だと考えています。ちょっとしたお声がけがやる気を引き出せるきっかけになることもあると思いますので、患者さんとコミュニケーションを深めることもスタッフ一同心がけています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1医師による問診
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どこに痛みを感じるのか、どんな痛みなのか、痛みはいつから続いているか、痛みの原因となる出来事など、医師が症状をしっかりと把握するために、既往歴やアレルギーなども含め、さまざまな角度から問診を行う。ここで得た情報が今後の診療方針にも影響することから、ためらってしまうような些細なことであっても気にせず伝えよう。多くの情報を得られるよう、同院では患者が話しやすい環境づくりにも心がけているそう。
- 2痛みの検査・説明
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痛みの検査の中でも特に腰痛に関してはより適切な診断をつけるために、他院と連携しMRI撮影を実施する。その他の痛みに関しても場合によってはMRI撮影の実施や、エックス線撮影によって痛みの原因を探る。その結果と治療計画については、患者が理解できる言葉で、実際に画像を見てもらいながら説明を行うとのこと。その時に疑問に思うことや心配なことなどがあれば遠慮なく伝えることが大事。遠慮せずに何でも相談しよう。
- 3痛みの治療
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腰痛や坐骨神経痛の場合は椎間板ヘルニアや腰部脊椎管狭窄症であることが多く、強い痛みの軽減を図るための神経ブロック注射などによるアプローチが施される。膝に対してはヒアルロン酸注射などの炎症を抑えるための注射、そのほか飲み薬でも痛みの改善を図る。痛みがある程度軽減してきたら、リハビリへシフト。体を動かさないと関節が硬くなり痛みが生じることもあるため、リハビリを始めるタイミングの見極めが重要なのだそう。
- 4理学療法士とリハビリの開始
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医師がリハビリを取り入れる時期を判断し、理学療法士へ指示書を提出。医師と理学療法士が連携を取りながら必要な情報を共有し合う。各患者の症状に応じて、オリジナルのプログラムを作成。リハビリの最終目標は自宅での生活復帰や、その先の社会復帰、アスリートであればスポーツ競技への復帰など、患者によってめざすゴールが異なるため、一人ひとりに適したペースと内容で設定する。
- 5通院サポート
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長期間の通院を要するケースでは、患者のモチベーションにも働きかけながら、通いやすい環境づくりに努めているそう。途中でドロップアウトしてしまうと、また一からのスタートになる場合もあるため、いかに継続できるかが目標とするゴールへの鍵に。患者との二人三脚で臨むことからお互いの信頼関係の構築を重視し、コミュニケーションを図ることも大事にしている。特に高齢者は無理のないペースで継続して取り組むのが基本。